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5度目の目覚め

深い闇の中に落ちていた意識が、温かい光に包まれて現実の世界に引き戻される。

まどろむ意識の中、モモルナは自分が寝ていた事に気付いた。


(私……、いつの間にか寝ていたのかしら?)


少しずつ意識がはっきりしてきたので、改めて周囲を確認する。

お気に入りの花柄の壁紙、素敵な刺繍がはいったカーテン、

ふわふわと寝心地のいいベッド…

見慣れた懐かしい部屋が意味する事に気が付いた。


また死んで、5度目の今日を迎えたという事に…。



まず髪色を確認するため、モモルナは鏡に映る自分の姿を見つめた。


(あ…銀髪になってる…)


戻るたびに髪の色が薄くなっていて、5度目の今は銀色になっていた。

最初のモモルナは漆黒と言ってもいいほどの、深く艶のある黒色だった。


(もう、おばあちゃんのような髪色ね…

 もしかしたら、次は戻れないのかもしれない…?!)


崖っぷちな状況にモモルナは悲しくて泣きたくなる。

泣いて事態が好転するなら、いくらでも泣くけども…

目が腫れるくらい泣いても、何も変わらないのは知っている。


ドアがノックされ、少し間をおいてメイドのメリサが部屋に入ってきた。


「おはようございます。モモルナお嬢様。」

「おはよう、メリサ。」

「モモルナお嬢様、どうなされました?元気がないようですが。」


モモルナの声色に元気がないことに気が付き、

メリサは心配そうに顔を覗き込む。


「なんでもないのよ。

 ただ、自分の髪を見ていたら、おばあちゃんみたいだなって。」

「そんなことございません!!

 モモルナお嬢様の少し青みのある銀色の髪に

 淡い緑色の瞳が映えてとても素敵です。

 毎朝、太陽の光を浴びたモモルナお嬢様を見るたびに

 女神が降臨したかと思うくらいですよ。」


女神を持ち出したメリサの褒め方に、過去でも経験済みだが

モモルナは思わず笑ってしまう。


「メリサ、褒めすぎよ。」

「やはり、モモルナお嬢様には笑顔がお似合いですよ。

 ささ、素敵な髪を整えましょう。」


髪を櫛でとかした後、器用に結いながらメリサは声をかけてきた。


「後1週間もすると王宮で特別教育が始まりますね。

 準備も大変ですが頑張りましょうね。

 本当にモモルナお嬢様はシャルリー家の誇りです。」


3年に1度、選ばれた令嬢だけが参加できる王国主催の特別教育が実施される。

3年かけて王族の知識・教養と王族の社交を学び、

最終的には王国の王子達と婚約や、隣国の王子達と婚約する。


特別教育を受けるには最低限の貴族教育と、ある証が必要なのだ。

どんなに位が高い貴族であっても、その証がなければ教育は受けられない。


時期こそバラつきがあるが、死ぬのは特別教育が終了してから。


(5度目は死なない!!なんとしてでも生き抜くのよ!!)


大きな決意を心に秘めて、モモルナは闘志を燃やした。

はじめまして。

自分の中で思い描いていた物語を活字にしてみたいと思い

なろうに投稿しました。

活字にするのは大変ですね…。

飽きっぽい性格ですが頑張ります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の名前が可愛い 死ぬたびに髪の色が薄くなるって設定はわかりやすくて良い セリフや思考の前後に空白があって読みやすい [一言] メイドさんが主人公を良く慕ってる様子なのが和みますね。 …
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