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6。魔王と勇者の誓い

今回は彩(勇者)、彩(魔王軍)サイドのお話です。

追記2021/2/11 ここまで手直ししたのでこれ以降の話に矛盾が生じているかもしれません。ご了承くださいな



私は坂本彩。

2人の両親と弟の四人家族で一般的な女子高生

……だった。


〜1、彩(勇者)エルドル王城にて


とある日。

家族とプールに行った帰りに事故にあった。

薄くなる視界の中に助けを呼びながら泣き叫ぶ弟の顔が私の胸を痛めた。


そこで私の意識は消えた。



……次に目覚めたのは神殿のような壁の建物のベッドの上だった。


さっきの事故で死んだはずなんだけどな……

多分あの世なのだろう。あの世って本当に存在したのか…


なんて考えていたら部屋の扉がガチャりと音を立てて開き、長身でスラリとしたイケメンが悠々とこちらに向かってきた。


「目が覚めたようだな。」


その動作1つ1つが洗礼されていて、今もこちらに顔の高さをあわせようとしゃがんでいる姿は絵画のようだ。

その所作にどこか懐かしいものさえ感じさせる。


「時間が無いので先に言っておくがここは貴様の居た世界では無い。いわゆる異世界だ。」


……え?どういうこと?

順序と言うものを全く無視した男性の言動に耳を疑う。


「ちなみにあの世でも夢でも無い。」


まだ考えて無かったことまで否定されてしまった。

まぁ、あまり理解出来た訳では無いけどここが元の世界ではないことは分かった。

事故で負ったはずの怪我が一つも残っていないのがその証拠だ。

この男性の言うことが本当なら私は異世界転生したのだろう。


ところで…


「あなたは誰なんですか?」


ここまで堂々しているのだからこの建物の所有者かその家族。

この部屋の中しか見ていないがそれだけでも上級クラスの貴族かそれ以上に見える。

更に私が異世界から来たと話していることから、普通の人間では無さそうだ。


「我はこのエルドル国の王。ヴィルセディス・ヴァ・エルドル」


王という単語を聞いて全身がひやっとする。

想像していなかったわけでは無いがこの男性が国王ならば言葉選びに集中しなければならない。


……確かにこの部屋もそうだがこの男性から漂うものは凡人のそれとは全く違うものだ。

それも並大抵のものでは無い。

…と言うのも私は昔から人の本質等が少し分かる。本当に他の人より少し分かる程度だけど。


「立て続けに質問して申し訳無いですけど何故私が転生者だとお思いに?」


「我も昔は……いや、なんでも無い。我の直感だ。」


最初に何を言おうとしていたのだろうか?多分直感では無くそっちの理由で私が地球から来たことか分かったのだろう。

あまり聞いてはいけない内容の可能性もあるので詮索はしない。


あともうひとつ気になることが……


「最後にどうして私なんかを保護したのですか?」


「……予言により地球から来るふたりの人間を保護しなければならないのだ。一方が勇者。もう一方が魔王として。」


ということはまず私が魔王であることは無いので勇者?

別に勇者なんて憧れたこと無いけど実際に世界を救える存在と聞くとかっこよく感じる。

「まぁ、せいぜい頑張りたまえ。外出も好きにすれば良い。」


……そうと決まれば勇者になるために訓練しなければならない。同郷であろうと悪は許さない。



〜2、彩(魔王サイド)魔王連合ノ魔王城〜


とある日

友達4人組とプールに行った帰りに事故にあった。


薄くなる視界の中にいつもはクールな潤が大慌てしてるのが目にうつった。

今度いじってやろ…


そこで私の意識は消えた。


ふと目覚めると私はかなり豪華なベッドで寝ていた。起き上がって状況を確認しようとすると微かに違和感がある。


「なにこれ。」


手足や体は昔のまま…?いや、どう見ても小さい!

多分、身長は130くらいしかない。下を見ると障害になるものがない。

俗に言うまな板……


あとおまけで額から2本の角がある。

…は?

私はさっき死んだ…と思う。

そして起きてみたら幼女化していて、頭に角が生えて豪華なベッドに寝かされている……

夢かな?


「魔王様! お目覚めになったのですね! ……お姿が変わろうとも魔王様はやはり魔王様ですね! 」


え、誰こいつ。

見た目は高齢だががっしりとしていて右目には縦に傷がある。いや、本当に誰。


そのうえ、私の事を魔王って言ったし!

さいってー!


「そう不機嫌にならないでください! 魔王様!……まぁ、貴方様とは今日が初対面なので仕方も無いことですね。私はコール・カターヴィレと申します。魔王連合の4番目でございます。」


魔王連合?コール?とにかく分からない単語が多すぎる!


こういう時はやはり状況整理。

まず、この強そうな老人の名前はコール・カターなんとか。コールって呼ぼう。


それで魔王連合?…多分魔王中心のグループなんだろうね。

それでコールはその中で4番目と。


「先日、ルシフェル殿から魔王様が復活するとの報せを聞いた時は心より祝福致しました。」


まぁ、魔王なのは分かった。いや、別に夢ならなんでもありだろうし。


魔王って称号持ってるくらいだし、きっと相当強いんだろうね。

試しに手のひらをを上に向けて呪文を唱えてみよう。

何となく記憶がこれを唱えたら魔法が出せるぞって言ってるから……


「エスプロジオーネ」


そういうと眼前にむんっと熱気が押し寄せてくる。

はっとして見ると轟轟と燃え盛る火の玉が誕生していた

え、凄い。感動。


なんかコールが下向いて肩震わせてる。笑いを堪えているような、卒業式で泣きそうになってる子供のような、なんともいえない状況。


「素晴らしい!まさに奇跡! これ程の魔力をレベル1で放てるとは…」


なんて考えているとバッと上を向き、手を仰いでいる。

感動に浸っているようだ。


とりあえず、嬉しそうで何よりなんだけどレベルってなんぞや?


いや、想像はつく。多分よくある数が増えるほど強くなるあれだろう。

ソシャゲで定番の。



「ちなみに魔王様。これは夢ではありませんよ。試しに1度自分を殴ってみてくださいまし」


と、先程まで少し気になっていたことの回答を提示してくる。


これが夢じゃなかったらなんだっていうんだよ~なんて考えながら、試しに普通に殴ってみる。


「?!」


「魔王様!」


ボコっという鈍い音を立てベットの上から吹っ飛ばされ、横の壁にクレーターを生み出す。


うぅ…痛い……痛いよぅ…

とてつもない痛みに耐えていると


「リバイバル・ラージ!」


と、コールの焦った声が聞こえてくる。

ただ、その詠唱を聞くや否や、急速に全身の痛みが遠のいていく

ありがとう。コール。


痛かった……って事はこれ現実?!

私が魔王にならなきゃいけない……ってこと?



って事は……直樹も事故にあった時にぶっ倒れてたし直樹もこっちに来てるんじゃ?


「魔王様の心配も痛いほどに分かります。ナオキ殿は現在まだこちらの世界に来ていませんが後に来ます。その時には王国が捕縛するようです。その前に見つけたいのは山々ですが、王都の警戒はかなり厳しいのでその時は見逃しましょう」


コールは続ける


「後に何度か我々が王国軍に攻撃を仕掛けます。その時に奪還しましょう。彼らは…いえ。きっと迷信を教えられたナオキ殿も貴方様に牙を向けます。その時は残酷ですけど彼を殺害しましょう。勿論、後に我々で遺体を回収し王国に叩き込まれた記憶は排除し我々の力で蘇生させます。」


コールは更に続ける。


「安心してください。指の1本でもあれば蘇生は大丈夫ですから。……そして最後にナオキ殿にそのような事を教えた王国軍を潰しましょう。我々が新たな正しき政権を敷くのです! ……どうでしょうか?」



上手くいくかは分かんないけど、成功するなら……?

私が新政を築き、直樹も取り返せる。

直樹が1回死ぬのはアレだけどこんなに良い作戦は無いのでは?


こんなに清く素晴らしい魔王軍なんてこの世にある?いや無い! 絶対に無い!

なんかワクワクしてきたなぁ…

ってことで


「よし! 私も協力する!」


そこでふとコールが何かを思い出したような表情になり……


「言うのを忘れていましたが、私のサタナアビリティ……あ、サタナアビリティと言うのは魔王軍の上位5人が持つ力です。…で、私のサタナアビリティはコネクト。他人の考えることを全て読むことが出来る力でございます。あとは…まぁあまり今後に関係は無いので大丈夫でしょう。」


へぇー。そんなのあるんだ

……ま、さっきまで私が考えたことばっかりに答えてきてたし。そうなのかもね。


「よぉし! 王国軍の殲滅。頑張るぞ〜! 」

こんにちは!

昨日、師匠(勝手に師匠扱いしてる)からアドバイスを貰ったのでいろいろ試してみました!

…さて、今回は彩の話でしたね!うん!


それでは今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!また次回に会いましょう!


2020年4月 エアラリスのイラスト(仮)を完成させ大喜びしながら

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