五。ロリ系ヒーラー参戦
そういえば………
「これからどうすんの?俺ら。金は貰ったから寝泊まりは出来るだろうけど一応勇者な訳だしステータス上げないと」
あの後ヴィル王に、俺は弱すぎないか?と聞いたところどうやらこの世界では冒険者の体力値や魔力値などが数字化されるらしい。
ソシャゲのようにレベルみたいなのがあってレベルを上げなければその辺りの猪にも勝てないらしい。
また、初期値やレベルが上がる際にどれ程ステータスが上がるかは個人差がある。
ただし生まれつき勇者の力を持つ者はいわゆる『 チート』的存在で初期値もレベルが上がる際に増えるステータスも超人クラスらしい。
…ちなみに俺と彩はと言うと
彩は初期値から平均的な冒険者クラス(レベル1で冒険者クラスはかなり凄い)だが俺はその辺の子どもとも変わらないらしい。
…俺の異世界に対する夢と希望を返して欲しい。
「そうですね………では、まずはギルド管理部に申請に行きましょう。」
「…お、そうだな!」
王城からギルド管理部まではそう遠くない。
…そりゃ微力と言えど戦力は出来るだけ近くに置いておきたいよな。すぐに駆けつけれるし
……ぼちぼち歩きながら一応気になったので言っておこう
「そろそろ敬語じゃなくていいぞ?」
本当は凄く敬語で話して欲しい。前世のあの喋り方で来られたら絶対また馬鹿にされそうだ。
力の強さも倍以上違うし。
「…では徐々に慣らしていきますね」
〜ギルド管理部〜
「おぉー!すげー!なんか雰囲気あるな」
石の神殿のような造りで天井はものすごく高い。残念なのは入口が普通のドア…
「そうですね!…では受け付けに並びましょうか」
「いえっさー!」
1人で大声で騒いでみる。
周りからの哀れむ目は気にしない。
こんなの楽しんだもの勝ちだ
「恥ずかしいのでせめて私のいない所で騒いで貰えますか?」
「あ、ハイ…すまん」
以前の面影のある彩の厳しさと、真面目なトーンが相まって素直に言うことを聞いてしまう。
さて列に並び次が俺たちの番だ、とそわそわしていると
……「次の方どうぞー!」
と受付嬢の声が聞こえてくる。
「これ2人で行くの?それとも別々?」
「一応2人で行きましょう。」
と言うことになり2人でギルドの受付の前に向かう
「…お2人は…冒険者の登録ですね。では今からあなた方の冒険者証を発行しますのでこちらにサインをお願いします。」
あ、こっちでは羽ペンなのか
…ふと隣を見ると彩はもう名前を書き終えていた。
…俺の事は忘れてるのに自分の名前は覚えてるんだな。まぁ、地球から来たことも覚えてるらしいし当然か。
彩に続き俺も名前を書いた。
「では、お次にあなた方のステータスを取りますので呼ばれるまでベンチでお待ちください」
「あ、ステータスは取ってきたのでいいですよ。…これ。」
長時間待つなどごめんなので王城で発行したステータスの表を見せた。
「そるはわざわざご苦労さまです………こ、これは!」
お?これはもしかして実は俺の見間違えで、実際の俺のステータスの10倍だったとか?
「失礼かもしれませんが、彩様は騎士の家系だったりしますか?」
そういい、受付嬢が期待のまなざしを向けたのは生憎彩だった。
…おい。俺のドリームを返せ
「いえ。違いますよ」
「……そうですか。……失礼いたしました。…ではこれにて登録は完了です。…最後にパーティー募集をかけておきましょうか?」
「パーティー募集?」
「はい。一応新人の方はほとんどがパーティー募集をしますよ。」
なかなかわくわくしてくるじゃないか。
何というか異世界の定番行事と言いますか。
超強い魔法使いとか、回復術師とか。
わくわくする。
「ほぉ…。彩、どうする?」
「募集しましょう。…私たちのパーティーでは回復役がいませんから。」
「では回復役以外にどの役職の方が何人くらい来て欲しいですか?」
何人…何人と言われても100人で組んでも戦力的にはありがたいが、生活費が不安になってくるし、なんだか面倒くさい。
「募集は2人で。1人は回復役。もう1人はお任せします。」
おぉ、彩、ナイスフォロー。
異世界と言えば4人というイメージがあるし。
これって異世界の魔王を倒せるフラグでは?
「分かりました。では…回復役でまずはこの方を。」
そう言うと1枚のプリントを見せてきた。
名前:フォーリング・エアラリス
性別:女
年齢:12
…おい待て。年齢は何があった。
横の写真を見ると顔の印象はまぁ、かなり…と言うか世界最高峰の美少女だと思う。
長めの銀髪に透き通るような目。
「この方も先程申請を済まされて今はあそこの休憩スペースにいますよ。…ほら。あのココアをふーふーしてる子です。あの方は攻撃力なんかはほとんどありませんが回復力等のステータスはかなり高いと思いますよ。それこそ将来は王国最強のヒーラーも夢ではないくらいに」
「是非お願いします!」
「そ、そうですか。では呼んでくるので少し待っててください」
「……本当にあの子で良かったの?」
彩が心配そうに耳打ちしてくる。
あ、タメ口に戻ってる
「だって将来最強クラスも夢じゃないんだろ?仲間にする以外の手段なんて無いだろ」
「まぁね。それは私も分かります」
……
「お待たせしました。」
ギルドのお姉さんの隣で先程の写真の中の世界最高峰がこちらを見つめている
「…エアラリスです。…えっと、お兄さん達がエアをパーティーに入れてくれるんですか?」
何この子。素敵。天使。素直そう。
そう、こういうの。こういう異世界的展開をまってたんだ。
「…エアラリスちゃんが嫌でなければ、是非入って欲しいかな」
どう攻めればいいのか分からないので慎重に攻めてみる。
ただこの聞き方だと嫌と言われてしまえば即終わりだななんて考えていると
「呼び方はエアで構いませんよ。ナオキさんもアヤさんも優しそうですし……エアなんかが参加して良いんでしょうか?」
「いいに決まってんじゃん、大歓迎‼……じゃあこれで俺らの仲間だな!よろしく!エア」
「私からもよろしくね!」
「はい。よろしくお願いします!」
「ではそのように登録しておきますね。良い旅を。また、もう1人の方は候補が見つかり次第連絡させていただきますね。」
〜その頃の王城〜
「あのカトウとやら。中々の力を秘めているように見えましたねぇ。陛下」
「ほう。ジークも分かったか。直樹は只者では無い。直に直樹も気づくだろう。己に秘められた凶悪にして最強の力を」
そう言い不気味に笑うジークとヴィルセディスだった
こんにちは!REIKAです!
今回の投稿、とても遅くなってすみませんでした。今日が課題の提出日でしたので…
遅くなってしまったお詫びにかなり長めにしてみました!(それ故に余計時間かかるって言う)
あと、ヒロイン2人目(?)登場ですね!僕っ子か名前呼びかで悩みました…ちなみにエアラリスの名前の由来は英語(多分)で隕石です。はい。
あとはヴィル王の言ってた事が気になりますよね。直樹の隠された力とは一体?(次回で明かされるとは言ってない)
2020年4月 某有名コンビニエンスストアのチョコレートシュークリームを食べながら
さて、今回も最後まで読んでくれてありがとうございました!




