十二。魔王覚醒
ん。まぁ、普通の店……
ただし壁に並べられた装備は神聖な雰囲気を纏っている。
王国直属の装備店にしては……ボロい…
「いらっしゃいでありますなぁ。」
レジの横の椅子に座り金属板を磨く1人の男性。
あの人は確か……プリミアール…ランポだっけ?
私は前に来た時に聞いてるから分かる……
「あ、えっと採寸に来たんですけど……」
そう言うエアの肩は上がっていて緊張しているのが分かる。
「そうなんですなぁ。ではこちらにいらっしゃい」
私と直樹の2人は入口の横のベンチに座って待つことにしよう。
エアはとことこと採寸に向かった。
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採寸をすると言われて店主さんの所に向かった。
具体的に何をすれば良いのか分からないので突っ立っていると店主さんが詠唱を開始する。
「クリエイト・デコール」
「わぁ…」
突如としてエアの周りを緑色の光が包み込む。
……かと思えばあっという間に光の粒子となり消えていく。
「完了致しましたなぁ。では今日の夕方以降に取りに来てもらえますかなぁ?」
今日の夕方の予定は分からないのでササッと直樹の方に振り返る。
話を聞いてたらしく頭の上で大きく手で丸を作っている。
「分かりました。では6時頃に来ますね」
すると店主さんはうんうんと頷き、
「では6時頃にお待ちしておりますなぁ」
と言い残し店の裏に消えていった。
〜〜魔王連合(彩)
「バリエール・ラージ!」
最強クラスのバリア魔法で攻撃を防ぐ。
このデカ乳野郎、裏切りやがった!
てか無詠唱でここまでの威力とかとんでもない……
「ルシフェル殿!今すぐその強行をやめなさい!」
コールはそう叫ぶと助けを呼びに行った
なおもデカ乳野郎は私に向かって無詠唱で一瞬で死をもたらす光線を放つ。
それらを必死でかわしながら……たまに当たりそうになった時はバリエールを張りなんとか耐える
「なかなかやりますね。魔王。ですがそろそろ終わりにいたしましょう」
そう言いながら全ての手の指から光線を放つ。
その全てを空中に飛び上がることで回避する。
「ダークネストローレ・ラージ!」
空中に飛び上がったまま体を捻り隙を見て相手に弱体化させる魔法をかける。
そこで私は真に覚醒する。
私は魔王。
魔王連合の頂点に立つ。
逆らうことの恐怖。無謀。
その全てを貴方に教えてあげるよ。
永遠に。安らかに。
最後は一刻でも早く。
「バリエール・デストロイ」
私がそう詠唱した刹那。
私の周りに全てを反射するバリアが展開される。
「…なっ!」
一瞬で顔を歪ませるルシフェル。
ごめんね。でもまた裏切られたら嫌だし。
転生してまた私の所においで。
そこで最強の魔法の詠唱を開始する。
「暗黒に堕ちし彼方を屠る我が力よ……」
「ふざけんな!ガキの分際で!ダーク・ディザスター!」
無駄。
「此度に聖なる力となり我に従いたまえ。」
「このクソ魔王がぁぁぁ!バリエール・ラージ!」
無駄。
「…エターナル・エクソシズム・フォーリネス。……また生まれ変わったら私のとこに来てね。待ってる。それまでさようなら」
ルシフェルを包囲するように魔法陣が展開されその全ての中心から特大の光線を放つ。
「……短い間だったけどお世話になりました。ルシフェル。」
魔法陣が消えた時にはルシフェルは既に消えていた。
彼女の角を1本だけ遺して。
それが今ある彼女。その全て。
「魔王様!ご無事でしたか!」
彼女を拾い見つめていると、ドタドタと足音を鳴らしながら魔王連合のトップが集結する。ちょっと遅いよ…
「これは……魔王様?」
驚愕する者、安堵する者。様々な感情が渦巻いてるのが分かる。
「ごめんね、みんな。この子はもう居ない。」
するとコールは涙を流した。
先代魔王から長年魔王連合として活動してきた仲だもんね。
「魔王様。ご無事で何よりです。そして……」
「お疲れ様でした。」
涙で汚れた不格好な笑みを浮かべながら彼はそう答えた。
どうもこんにちは!REIKA。です!
最近3日に1回の投稿になっちゃってますね!
申し訳ない…
学校が始まれば週2になるかもしれません…
今回は魔王彩が超強くなる話でしたね〜
ちなみに私は書きながら想像で泣いてました。
悲しすぎる!
さてさて今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
また次の話でお会いしましょ〜!
2020年5月 再び襲い来る課題と戦いながら