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プロローグ。一。日常

 体を覆うような浮遊感


 果てしなく続く夢 幻想 幻夢


 終わりなんてない


 どこまでも落ちていく


 呼吸もできず浮遊感に全身をただ、ただ支配される


 ここはどこ?



 体の感覚もない『ドコカ』をさまよいながら俺は気づく




 あぁ、そっか そうだった










 俺、シンダノカ。




「ふぁぁ!死ぬかと思った!ふざけんな!くそ彩!」


 高校入って最初の夏休み。俺、加藤直樹は友達の坂本彩、目黒潤、伊藤真希とプールに来ていた。


「お前プールで人沈めるとダメって先生から習わなかったか?!」

 

 彩に教養がどうとか言っても仕方ないのはわかってる。

彼女は家でも学校でも、なりふり構わずいたずらを仕掛けてくるいたずらメーカーなのだ


そうだとしても、ダメだと言う時はちゃんと言わなければならない……と思う。

いつか改心することを夢見て…


「うえーんナオキにいじめられたよー!」


「え?え?俺そこまで言ったか⁈」


 否言ってない。断じて言ってない

これも俺を嵌めようと……いや、でももし本当に泣いてるなら…


 一般の人たちからの「女の子を泣かせてる。最低…」と言いたげな視線が痛い。

一周回って俺が泣きたい。



 …と思えば、視界から彩が消えていた。



 やはり罠だったか。どこから来る……考えろ…

前後左右に全神経を集中させる。


水の音がした瞬間、スッとそちらを振り向けば……


「ほんじょらす⁈」


 視界が霞み、息が吸えなくなる。丁度1分前に感じた感覚だ。

足元にも気を配るべきだったか、くそっ!


 さて、水中に沈められた俺だが、なんとか地面を蹴り、美味しい美味しい空気を吸うために怒りを込めて浮上。

ぷはぁと水上に出ると即座に彩を睨む。


 すると彩は一拍置いてから


「…ざまぁ!泣いてませーん!」


「知ってるわボケェ‼」


「きゃははっ!逃げろ逃げろ~」


「待てやごらぁ!」


 俺の怒号を聞くや否や、俺から視線を外し逃げ出す彩。


せっかくのプールだと言うのに彩は可愛げも無く、競泳水着に身を包んでいるので幼馴染の水着を拝めた気分にはならないが、その代償に泳ぎの速度は凄まじいものだ。

ちなみに俺は、彩に水泳で追いついたことは無い。

それは彩がスク水だったとしても変わらない。


 ……ただ、追いついたことは無いが、今ならいける気がする。

なんというか、いざとなった時に限界を超える的なことを聞いたことがある。


……内なる力よ。目覚めよ。



……目覚めない。わかってた。


もし、もし神様がいるなら今だけ力をください。

もし力を頂ければあなたの存在を信じます……


「直樹おっそ!」


「やっぱ神なんていねぇ!」


 なんて怒られそうなことを叫びながら尚も追いかけ続ける。


「いつもどうりの光景だね」


 潤がぼやく。こんないつもどうりなんてお断りだよ!


 彩は俺をいつもイタズラの対象にするのだ。今回はまだ良いものの……と言っても他人からは酷い目で見られてるが、酷い時はとことん酷い。


 …にしても彩は相変わらず泳ぐのが速すぎる。

彩は中高校通して水泳部で、中学校の頃はキャプテンだった。

まだ、30秒ちょいぐらいしか経ってないのに20メートルは離されている。


 あぁ、もう追いつけないし疲れた。

どうせまた帰ってくるしなぁ。


 こんな日がこれからもずっと続くのかぁ

…と絶望しておく


帰り道。


「今日、楽しかったね。またいけるといいなぁ」


 真希が口を開く

最初の頃は自分からあまり喋らない、何考えてるか分からない感じだったんだけどな。

色々あって潤が一目惚れして、絶対に仲良くなると言い出したことがあり、最近は4人で話すことが多くなったわけだ。


 話しているとなかなか面白い奴で、俺が人をイメージで決める癖が治ったのも真希のおかげ。


「そうだね。僕もまた行きたいよ」


 ……そういえばうるさい問題児・彩から声が聞こえない。なにか企んでるときは彩が無口になる。

間違いない。仕掛けてくる……


警戒しつつ彩に振り向く。


「…彩?」


 警戒色の俺の瞳に映った彩はどこか悲しげだった。


「あ。えと……」


 俺が不思議そうに見つめていると彩はこちらに気づき慌てた。


 もしかしたら親の転勤で引っ越さないといけないからもういけないとか、不治の病気でもう来れないとか。最悪の事態が脳裏をよぎる…。

が、そんな俺の表情を見ると


「今度は一番泳ぐの遅かった人は全員にアイスとジュースをおごるってルールも作ろ!」


「心配して損したわ!あと奢ることになるの俺だろうが!」


 ちなみにこのタイプのルールを作られたのはもう100回は超えてると思う。毎回断っているが。


「直樹君が夢見るだぁいちゅきな異世界に行けばわたくしに勝てるんじゃありませんの?あ、でもそうなっても私の方が強くなっちゃうか」


「挑発すんじゃねぇ!絶対俺が強い!」


 以前夢の中で、大好きな異世界転生の小説の主人公と入れ替わって魔王を倒す夢を見たのだ。

こんな夢を見るということは、俺が実は強い証拠なのでは……


多分俺なら死んでも戻れる力とか、馬鹿だけど愉快な仲間たちと共に強くなって魔王を倒すはずなのだ。


 あ、もしかすると俺が魔王になって街を作ったりするかもしれないな。


「例えだって。でも憧れるよねぇ……異世界転生的なの。……イケメンと戯れたい」


「下心の塊じゃねぇか。それならホスト行けや。」


 と言ってる俺も欲望の塊なのだが。


「…あ、僕と真希ちゃんはここでお別れだから」


 潤と真希が仲良さそうに俺たちと別の方向に歩き始める。


「ん。じゃぁまたな」


…彩と二人っきりになってしまった。


 横を歩く彩を見るとちょっとドキっとしてしまう。性格こそ残念だが顔だけ見れば絶世の美少女なのだ……って俺何考えてんだ。こいつはあくまで幼馴染なだけで。

これは多分、幼馴染という恋愛フラグの相乗効果によるものだ。


 あ、そういえば


「あy………」


 体に衝撃が走る

と同時に視界が反転し、上下が分からなくなる。


「おい!加藤!坂本!」


潤が叫びながら走って戻ってくる…何があったんだ…


目、ぼやけてる。口、動かしづらい。体、熱い…熱い?


「運転手!病院に連絡!」


こんなに焦った潤とか初めて見たなぁ……


「すみません!あぁ、どうすれば…えっと病院…」


………あぁ、事故ったんだな。

りんごが木から落ちるみたいになんか納得できた。

頭の横の地面が赤いのも体が熱いのも…

 りんごという表現もきっと今地面に敷かれた赤いカーペットから来るものだ。


……って、俺はいつからこんなにサイコ的思考を得たのだろうか。

こんなことになるなら、あと30秒遅く歩くんだった。


 そんなつまらないことを考えていると意識がだんだん遠のいていく。

 彩は大丈夫かな。






 あぁ。俺の人生短かったなぁ






 そうして加藤直樹の魂は肉体を破棄したのだった。

どうもこんにちは!一部の方にはにちりんとうで通ってるREIKAって言うものです

現役で高校生やってる者です。はい

なんか小説書いてみたいなぁって思って書いてみました!

矛盾まみれで不足も多いかと思いますがよろしくお願いします!

2021/1/30追記・加筆修正致しました

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