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おまけ 聖夜と咆えて壁を打て



 彼は川沿いのテニスコートにやってきた。

「エビヤ、おまえクリスマスはなにしてたんだ?」

 仲間に興味本位で聞いてみた。

「ああ、壁打ちしてたよ」

「壁打ち? テニスのだよな? なんで壁打ちしてんだよ。クリスマスだぞ」

 少年はドヤ顔をきめていた。

「ちょっと動きたくなってね。なかなか楽しかったよ。かなり熱くなって――」

「ん。まさか……」


「『せいやー』って叫んじゃったよ」

 少年はニヤッと笑う。


「おまえそれ言いたかっただけだろ!?」

 ダジャレだった。

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