私は……
今回は花実視点です
智樹くんどこ行ったんだろ……
放課後なら教室にいると思ったんだけどなぁ。
ちょっとストーリーについて相談したかったのに。
「花実!」
「あ、茜。どうしたの?」
はぁ~一瞬智樹くんかと思った……
「二組の園田さんと羽先君知らない?」
え?
「その二人がどうしたの?」
「実はその二人も私と同じ実行委員会のメンバーなんだけど、ちょっと分からないとこ聞こうと思ったんだけど見当たらなくて」
ああ、実行委員だったんだ智樹くん。
「ううん、見てないよ」
「そっか……」
「探してるんだったら私も手伝うよ」
「いいの!?」
「うん!」
まぁ、丁度いいしね。
「ありがとう!!」
それより、智樹くんって実行委員とかするような人だったとは……まだまだ知らないこともあるんだなぁ
「あ!いたっ!!」
!?
私は突然の茜の声にビックリした。
そして茜は廊下の先にいる二人組の男女のところまで走っていった。
あ、智樹くんだ。
「智樹くん!」
「ああ、一ノ瀬」
むぅ……やっぱり私のこと学校で名前で呼んでくれない……
私なんてもうとっくに名前で呼んでも平気なのに!
「どうしたんだ?」
「ああ、実はちょっと相談がーーーー」
と、私が話を切り出そうとしたときそれは遮られてしまった。
「羽先君~ちょっといい?」
「ごめん一ノ瀬、また後でいいか?」
「う、うん……」
はぁ~ついてないなぁ……
「ありがとう!花実!」
「うん!実行委員会の仕事頑張って!」
結局、今日は相談できずじまいだったなぁ……
そんなことを考えていたら私のスマホが鳴りだした。
名前を確認するとそこには担当編集者、緑川京子と表示されている。
はぁ……
私は今日何度目かのため息をついてその電話を出る。
「もしもし」
『もしもし~花実さん?』
「はい、どうしたんですか緑川さん」
『いや~進んでるのかな~って思ってね』
この人はいつも私が困ってるタイミングをピンポイントで当てて連絡してくる……もしかして監視されてる!?
『あ、やっぱり進んでないんだ!』
「……そうですよ」
『ネタ自体はすごく面白いと思うけど、やっぱり好きな人について書くってなると流石の花実先生でも難しのかな~?』
この人は……いつもいつも……
『まぁ企画は通ってるんだしまだまだ焦ることはないよ』
「はい……」
『その調子ならまだ大丈夫そうね。もしよかったら今度、花実さんの好きなひーーー』
「お断りします!!!」
私はそこで無理矢理電話を切った。
読んでくださりありがとうございます。
面白くなければそれでいいので素直な評価を入れてくださると嬉しいです。
面白かったらそれはそれで高い評価をつけてください!
文句のコメントでも……まあ素直に受け止めます。
では次の話で