何でこうなった?
花実『明日デート行かない?』
俺のスマホの画面にはそう書いてある。
いや、もちろんネタ集めってのは知ってるけど…………やっぱ緊張するでしょ。
あれ?名前で呼ぶのは緊張して無かったよね?って言われそうだから先に言っておくけどそれとこれは次元が違うから!
智樹『別にいいけど……どこ行くつもりなんだ?』
花実『無難に水族館なんてどうかな?』
水族館か…………
智樹『いいんじゃない』
花実『じゃあ決定!』
智樹『何時にどこに行けばいい?』
花実『それじゃあ10時に水族館前っていうのはどう?』
智樹『わかった。明日の10時水族館前な』
花実『うん!』
俺は最後の文字を確認してからスマホを机の上に置いた。
翌日、午前10時俺は時間通り指定された場所に来た。
もちろんそこには一ノ瀬の姿もあるわけだが…………私服姿を見るのは初めてだ。まぁ、流石は学校の有名人といったところだ。
自分の姿と交互に見ると…………何だかみじめになってくる。
「おはよう!智樹くん!」
ああ、そうか名前で呼ぶんだった……
「おはよう花実」
「あ、よく気付いたね!」
いや……折角空気を読んで名前で呼んだのに自分から振り出しに戻すか!
「あ、ああ……」
「じゃあ、行こうか」
「そうだな」
まぁ、ここからは普通にデートしたわけなんだが当然上手くいったのも最初だけでそこからはお互いに話すことも無くなり微妙な空気になったりと、それはもうひどかった。
「こんなので本当に良かったのか?」
「もちろん!」
ええ~ますますわからん!まぁ、表情からして満足はしてるんだろうけど俺からしてみれば参考になるようなものじゃないと思ったんだよなぁ……
「そういえば前から聞きたかったんだけど具体的にどんな話にするの?」
「それは言えないよ!だって私は作者で智樹は読者でしょ」
「まぁ、確かにそうだけど……」
「気にしない気にしない!楽しみに待ってて!」
そこまで言われたら俺だって無理に聞き出そうとは思わないな。でもその代わりに花実には最大限のプレッシャーは与えとく。
「面白くなかったらコテンパンに批判するからな!」
「中々言うね!」
「そりゃな協力してるんだし、何より花実のラノベ面白かったからな」
あ、プレッシャーを与えるつもりがつい期待してるみたいなこと言ってしまった……
「…………そう」
いや、そのあからさまにデレた態度辞めてくれますか!
「じゃあ今からもっと面白いラノベにするために二人でーーーーー」
「却下!!!」
何言ってんだコイツは!ついこの前のピュアな花実はどこ行った!
いや…………もしかしたらこっちが本当の花実だったりして…………
「ええ~なんで?面白くなくていいの?」
「そういうことなら面白くなくてもいい」
「そ、即答…………」
読んでくださりありがとうございます。
面白くなければそれでいいので素直な評価を入れてくださると嬉しいです。
面白かったらそれはそれで高い評価をつけてください!
文句のコメントでも……まあ素直に受け止めます。
では次の話で