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殺神都市 ―A fatal error―  作者: 彼岸堂
朽木原唯花
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2

 歪の街。

 数多の忌異と特異が集い、その全てが許される場所。

 雨鉾(うぼう)


 ここでは――

 

 人の全てを見ることができる少女も、

 はるかな未来を覗く者も、

 無限の過去と繋がる者も、

 隣り合わせの世界を渡る者も、

 魔術妖術その他を嗜む者も、

 人ならざる怪異の類いも、

 呪いも、祈りも、

 彼方より訪れし者も、

 それら全てを、都合良く書き換えてしまう者も、

 遍く、等しく、存在する。

 

 無数の因果が束ねられ、

 編み込まれ、解れ、

 時に壊れ、

 時に生まれ、

 繰り返す。

 

 世界に流れる当たり前の理――

 それが失われ、歪みきった場所。


 ……いつか誰かが言った言葉がある。


 この都市に神はいない。

 神という名の――――世界を支配する普遍の常理は存在しない。

 故にこの都市は、神を殺して造られた地。

 殺神都市である、と。



「――まったく、ふざけたネーミングです」



 唯花は、何故そんなことを思い出したのかわからず、誰に向けたわけでもない呟きを漏らす。



 春風が、彼女の黒髪を撫でた。 


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