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交差する勘違い

200階への階段を上がると、鎧の塊のようなモンスターがいた。

ごっつい鎧で、動く要塞のようだ。


シリウスが、前衛だったので、この階は私が倒そうと、一瞬で間合いを詰めて斬馬刀を突き刺す。

同時に斬馬刀の武器耐久度がなくなり斬馬刀も砕けて消えていく。


「武器は、不正行為チートしてないようだね」

モンスターが、言った瞬間に消えた。

PKの時のように、装備品一式がドロップする。


「へ?」

ツヌグイの頭に?(クエッションマーク)が浮かぶ。


「ええええ!!ツヌグイさん、ちゃんと相手見て!今のGM(ゲームマスター)ですよ!しかも一撃って?!」

シリウスが、焦って説明してくれる。


ツヌグイが自分のステータスを見たら、ペナルティが1増えていた。


「しくじった!!!どうなるんだ?」

「特に規制は無いのでGM(ゲームマスター)への攻撃も問題はないですよ。ただ、いきなりで驚いただけ。すぐに戻ってくると思います」


マップハックを見ていると、ノバというプレイヤーが再び現れた。

装備は何もしていない下着姿だ。

頭に上には、GMゲームマスターを表すマークがついていた。


「初めまして、シリウスとツヌグイ。私は、GMゲームマスターのノバと言います。

ツヌグイに不正行為の疑いが、かかっているので、監視しに来ました」

ノバが、話しかける。


「す、すみません!200階のモンスターと勘違いして倒してしまいました」

「構わないのですが、なぜ、私を一撃で倒せたか、聞きたいのですが?」

ツヌグイが焦って弁解すると、ノバからキツイ質問が来た。


200階に上がってくるまでに、即死効果がある装備をいくつかゲットしていたのでアイテムボックスから、とりだし言い訳に使う。

「このアイテムを装備していて、運よく即死が発動したんだと思います」


取り出したリングは、即死効果5%付加の【デスライクの指輪】であった。

「なるほど、装備偽装の魔法を唱えていて、この指輪を装備していれば、確かに可能ですね」

ノバが納得する。

ノバの装備は、即死に対する防御力レジストは、少なかったので話がつながった。

まさか、ありえない攻撃力で自分が粉砕されたとは、物理攻撃防御に絶対の自信があるノバは想像できなかった。


「おっと、忘れていた」

ノバが、PKでドロップした自分の装備を拾って装備した。

鎧の塊のような姿になる。


「確認のためPTパーティーを組んでもらって良いですか?」

「かまいませんよ」

シリウスが、ノバに参加するようにメッセージを送信して、ノバが承認する。


ノバに、シリウスとツヌグイの詳細のステータスが表示される。

しかし、シリウスとツヌグイのステータスは、正常なものであった。

ツヌグイは、ゲームプログラム自体を書き換えているチートなので、詳細ステータスは、レベルにあった平均値にしか見えないのであった。


シリウス エルフ F 盗賊 レベル147

ツヌグイ 人間 F 聖戦士 レベル78


200階に来るまでにかなりの経験値大幅取得パワーレベリングしたようだ。

かなりのレベルが上がっていた。


シリウスとPTパーティーを組んでいれば、パワーレベリングが可能であるため、現在のレベルの高さも説明ができる。

この階層でも装備さえ整えば、可能範囲であった。


不正行為者チーターと言うのは、考えすぎであったかな?

ノバは、シリウスがいた事で、ツヌグイの現在の行為のほとんどが説明がつくので、納得してしまった。

ツヌグイの絶世の美女である外見で、過剰な話題になった可能性の方が大きいと判断した。


あまり、プレイヤーを詮索するのは、GM(ゲームマスター)でも禁止事項なので、詳細ステータスも確認出来たので仕事を終わりにすることにした。

「確認したところ、不正はないようなので今後も、【シウテクトリ】のゲームをよろしくお願いします」

そういって、ノバがログアウトした。

ログアウト後の白鳥ノバは、必死にツヌグイのリアル情報を集め始めた話は、後日談である。


ノバが消えたと同時に、シリウスに、妹の直子ルクアから、ギルドチャットが入る。

「お姉ちゃん!今どこ?攻城戦ヤバいんだけど!」

「え?どうしたの?」

「【曙の日差し】だけなら大丈夫だったんだけど、【栄光の丘】のギルドが結託して襲ってきてかなり押されているの!私も1回倒されてしまって、次倒されたら負けるかもしれない」

「わかった、すぐいく」


【栄光の丘】は、【シウテクトリ】ゲーム中の最大のギルドで、加入条件が18歳以下と言うギルドである。

2位の【かたつむり】は、中学生が多いギルドで加入条件はないが、初心者が一番多いギルドである。

3位が【王様の杯】であり、シリウスのギルドで、社会人が多いギルドになっている。


【曙の日差し】は、人数でいえば8位ほどのギルドだが武闘派が多いギルドである。


【栄光の丘】から【王様の杯】に移ってくる人も多く、仲が良いギルドでもあるが仲が良いために遠慮がない。


「ツヌグイさん、攻城戦が始まって私のギルドが不利らしいので、ダンジョン攻略を誘ったのですが、いったん攻城戦にいきます。すみませんがPTパーティーを解除しますね」

「あ!夢中になって時間を忘れていた!」

マップハックのツールの表示情報の現在時間を見たら20:32であった。


「今から帰っても銭湯は絶望的だ!はぁ....」

「ツヌグイさんの家は風呂がないんですか?」

「安アパートなので、ないんですよ」

しょんぼりするツヌグイを見て、シリウスは推理する。


貧困そうである。(勘違い)

家からVMGをやっているかと思っていたが、別の場所でやっている。(正解)

装備だけで強さが尋常じゃないので、VMGのアイテムに大変詳しい。(勘違い)

アイテムをじゃんじゃんくれるので、VMGの良質なアイテムを大量に持っている(勘違い)

運動神経が非常に高い。(勘違い)

素晴らしい容姿を持っている。(勘違い)

年齢は20歳ぐらいだと思う。(勘違い)

まるですごい年上と会話しているように感じる(正解)


結局、推理したがまったく現実でのソヌグイが想像できなかったシリウスであった。


「興味があるので、私も行ってもよいですか?」

「ええええええ!ほんとですか?」


内心は、ツヌグイとPTパーティーを組んで、気をつかわなくてよいし、外見が見てるだけで幸せだし、声もきれいだし、アイテムは、もめないで、すぐくれるしで、感動するぐらい楽しかったので、飛んで喜ぶシリウスであった。


シリウスが、【ロディニア城】への移動門ポータルを開く。

「じゃぁ、このままいちゃいましょう!」

「城に着いたら、私はどうしたらよいでしょうか?」

「城の入り口のセーフティーポイント(PK禁止エリア)にアイテム預り所があるので、そこにアイテムを預けたら、紛失してもよいPK装備に変更してください。攻城戦中は、城内で死亡すると城の入り口のセーフティーポイント(PK禁止エリア)に復帰します。

一回でも倒されると21:00まで城に入れなくなります。【王様の杯】のギルドメンバーは、2回倒されるまで入ることができます」


楽しそうでワクワクしてきたツヌグイであった。

200階に来るまでに手に入れてた、刃渡り2mの両手剣である【滅殺の長剣】を右手と左手に装備して、真っ白い【純白の白衣】を装備した。

靴は【神々のサンダル】、冑は【見えざるフェイス】を装備する。


【滅殺の長剣】は、攻撃力が高くないが武器耐久度が高く、即死効果が1-2%あり射程が非常に長い。

すべて一撃のツヌグイには、攻撃力は関係しないが、なるべく即死効果と勘違いしてくれるものを選んだ。


【純白の白衣】は、防御力が全くないが、魔法効果のランダム増加があり1%-200%振れ幅で魔法効果をアップする。

魔法効果が高くても200%だったで言い訳が付くと装備した。


【神々のサンダル】は、素早さのみを異常にあげるユニークアイテムであるが、耐久度や防御力が皆無である。


【見えざるフェイス】は、装備すると顔が消えるユニークアイテムで、首が消えるだけで他にまったく効果はない。


「きゃあ!首なし!って【見えざるフェイス】ですね。

いきなり装備されてびっくりですよ。

さすがアイテムマイスター!PK装備が、ものすごい個性的ですね。


いまは、21:00まで、城内PKゾーンなので、【王様の杯】以外の人をPKしてください!

私は、いまのままの装備で耐久度がだいぶ下がったものに取り換えてから参加しますね。

じゃぁいきましょう!」


シリウスとツヌグイが、【ロディニア城】への移動門ポータルへ入っていく。


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