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天空の黄昏

地面を蹴って空を弾丸に様に上昇するツヌグイである。

仮想空間だと、空気抵抗が現実より少ないのか、重力が低いのかわからないが、なかなか減速しない。


雲を突き抜けて、偽物の太陽の光りが、もろに当たり眩しい。

減速が始まり、落下が始まった。

下を見ると、雲の上に(タワー)が建っている場所があった。

「雲の上に塔?どおやって行くんだ?」


塔までは距離があり、このままでは元の場所へ戻ってしまう。

ツヌグイが、何も無い空中を全力で蹴ってみる。

音速を超えたエフェクトが出て、少し移動に成功する。


「おおお!思ったより前進しないけど、空中くうきを蹴れる!」

足を蹴って、そのうち慣れてきて空を走り出す。

しかし、少しづつであるが、落下していく。


「うおお!届くのか!」

雲の上のタワーが建っている土台の空中都市っぽい所の縁まであとわずかだが、わずかに届かない。

背中の剣を縁に差し込んで、やっと落下が止まった。


「あぶなかった....」

塔が建っている土台の土地の側面に、右足で蹴りを入れてめり込ませる。

次は左足で蹴りをいれてめり込ませる。

刺している剣を抜く。右足を抜いて、また再度蹴りをいれてめり込ませる。

繰り返して、横の壁に足跡をつけながら登っていき塔の土台になっている空中都市っぽい所に上がった。


「ふう、やっと着いた。まずいな、約束の時間まであと5分ぐらいだな」

【ロディニア城】の入り口で、美奈子と待ち合わせしているのを思い出す。


周りを見ると、空中都市っぽいけど、あちこち、崩れていて廃都市で誰もいな感じである。

タワーは、頂上が見えないほど上に伸びており、見た目だと直径500mほどに見える。


「あなた、何者?」

背後から、声をかけられる。


マップハックに、突然表示されたので、転移門ポータルなどで来る場所なのだろう。

背後を振り向くと、緑の髪に緑の瞳の女の子が立っていた。

耳がとがっているエルフ装備で、腰に剣を2本左右に装備していて、高級そうな赤い布の鎧と真っ赤なマントを装備していた。

「私は、シリウス。(タワー)ダンジョンの【天空の黄昏】には、特殊ポータルでしか来れないので人に会うことはまれなのだけれど?あなたは見たことがない。

こんなに美人の方を知らなかったなんて!」

ツヌグイは、先ほど仮面が壊れた状態でローブがめくれて顔が出ている状態であった。


シリウスは、江藤 美鈴である。

【王様の杯】のギルドマスターであり、

妹とは違い、男嫌いでもなく、女性好きでも無いが、あまりに美しいツヌグイの外見に惚れてしまった。


一新(ツヌグイ)は、内心穏やかでは無い。

チートで手に入れた仮の身体だが、現実にいると思われる事に優越感よりも危機意識が高まる。

急いで、ローブを被りスペアの仮面を被る。

5分と言う時間も気になっていたので、もしやと思って聞いてみる。

「み、道に迷ってしまって、ロディニア城の入り口でプレイヤーと待ち合わせしているんですが、転移門(ポータル)などないでしょうか?」


「あら!大変!渡してあげるから行って来なさい」

アイテムの受け渡しでPT(パーティー)を組む事になり、承認のメッセージが来る。

承認すると、取引ウインドーにロディニア城への転移門(ポータル)アイテムが3個載せられる。

「3個も良いんですか?」

「ツヌグイさんって言うんですね。結構レベルも高いですね。もしギルド入ってなかったら【王様の盃】のギルドに私が入っているんですが、加入してね」


特に何も考えずに勧誘されるが、副ギルドマスターを知っているツヌグイは、動揺する。

タダではまずいので、エリクサーを100個ほど載せて交換を選択する。


「え??何この数??」

シリウスは、動揺する。


エリクサーは、街で購入出来るが大変高価なもので、買うとなると転生前のレベル99の人でも10日ぐらい貯めた金(g)を使わないと1個買えない物であった。

金(g)をチートしていたツヌグイは、その事を知らなかった。

全回復(エリクサー)が高価な理由は、このゲームではMP(マジックポイント)は、最大値の数パーセントが時間で回復するが、回復可能なアイテムはエリクサーだけであった。

割合(パーセント)回復の為に、どのプレイヤーでも0からmax迄は、ログイン状態でおよそ10時間ほどかかる。

その為、最大値が低いプレイヤーが魔法を使った場合や、最大値が高くとも大型呪文詠唱後は、ログイン状態で10時間待つなど結構大変な回復になるのであった。


しかも、今いる【天空の黄昏】に来るには、【ゲネスブルク】と言う(タワー)ダンジョンの頂上にある特殊転移門(ポータル)の【天空への門】をくぐらないと到着せず。

【天空の黄昏】のダンジョンは経験値(exp)が、他のダンジョン10倍の高レベル者のパワーレベリングポイントだが、来れるプレイヤーは少なく、アイテムの販売するNPCも存在しないので1度来るとなかなか下界に降りないダンジョンであり、回復アイテムの価値は下界の数倍であった。


「助かります!代わりに街で売ってるレアでもないアイテムですが渡しておきます。ありがとうございました」

お礼を言ってツヌグイは、転移門(ポータル)でロディニア城に戻っていった。


エリクサー100個と言う事に、驚いて反応が遅れたシリウスは!我に帰ると既にツヌグイが消えていた。

「えええ?100個もあったら、当分ここで稼げるじゃない!全然価値が見合ってないわよ!ツヌグイさんって何者??」


美鈴(シリウス)の現実で会ってみたい人に、ケイトとラインがいたが、その中に顔の残像が残っているツヌグイが増えてしまった。


気をとりなおして、目の前に建っている【天空の黄昏】ダンジョンに向かう美鈴(シリウス)だった。

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