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資金収集

一新は、週に1度発売されるロトハンドレットを毎週買っている。

一口1000円であるが、今までに最高42万円を当てた時がある一新であった。

週一回抽選があり0から99までの数字を10個選び全部合っていれば、キャリーオーバーで最高100億が当たる宝くじである。

抽選日の17:30まで、買うことが出来る。

その日の18:00に抽選が行われて、次の日の8:00以降に当選金額が払い出される。

銀行のATMから買うと、入金が自動なので一新は楽であるし末賞1000円の換金を良く忘れるので、何時もATMで買っていた。


今日も、ちょうど買う日であったが、未来予測を見ると、信じがたい記録が残っていた。


*************

11日16:43

品川駅を下車する。


11日16:52

みずず銀行のATMで、未来予測で予測された、2・7・32・40・52・78・80・81・88・90のロトハンドレットを購入する。


11日16:59

マキドナルドでビックマッキのセットをコーラで注文して食べる。

12日7:25

起床し急いで家のパソコンを起動する。


12日7:30

ロトハンドレットの抽選番号をネットで調べる。

2・7・32・40・52・78・80・81・88・90の結果をみて歓喜するが押し殺して微かに微笑む。


12日7:36

路上で走って転び膝を打ち付ける。


12日8:12

みずず銀行のATMで入金を確認。

笑い出す。


12日8:35品川駅で電車に乗車

*************


「と、とにかく予定通り動こう」

結果を携帯電話スマホにメールして、証拠になりうるメールを削除した後に、自分の携帯電話スマホのメールに書かれている内容通りに行動する事にした。


動揺を隠せないが、ドキドキしながらデータセンターを出て品川駅を目指す一新であった。

データセンターから、電車を乗り継ぎ16:43に品川駅を下車する。

携帯電話スマホのメールの内容に沿って行動するが、まさにその通りの時間帯であった。

そして、運命の12日7:30を迎える。


震える手で、ネットの抽選発表を見ると、2・7・32・40・52・78・80・81・88・90の番号が記載されていた。

購入時の明細と一文字づつ確認して同じことを2度確認する。

叫びたいが、押し殺して微笑む。

今回は、キャリーオーバーで当たった人は、一新のみであった。

当選金額に一等 100億円が明記されていた。


くたびれた背広に、寝巻がわりのジャージを脱いで着替えると、みずず銀行へ急ぐ。

そこで12日7:36に路上で走って転び膝を打ち付ける事を思い出す。

35分であることを確認して、いま歩いている路上の前後をみるとバイクが一新に向かってくるのが見えた。

避けようとして横に走り、転んで膝を打ち付ける。


そこで重要な事を知ることとなる。

「予測した未来は、回避できるのか?」


不安を抱きつつも、みずず銀行のATMで12日8:12に入金を確認する。

残高照会に、100億6万2千29円の表示をみると、笑いが抑えられなくなる。


「あはははは」


周囲の人は、冷たい目線で一新を見るがまったく気にならなかった。

銀行を出て、データセンターを目指す。

一新の頭の中では、次のステップである未来予測の回避に関してどうすればよいか脳をフル回転で模索していた。


12日8:35に品川駅で電車に乗車を思い出し、あえて8:35の電車に乗らない選択をすることにした。


目の前に8:35の電車が到着する。

ドアが開くがあえて乗らない。

ドアが閉まり、電車が発進する。


見送る一新であった。

あっけない回避に内心はガッツポーズだったが、これにより何が生じるのかを知る必要がある。

携帯電話スマホをのぞくが、書いてある内容は変化していなかった。

*************

12日 9:25 

データセンターに到着。


12日 10:10 

入口手前のトイレに入る。


12日 10:25 

網膜認証を使ってセンター内へ入る。


12日 10:36

サーバー室に入る

12日 12:35

昼を食べるためにサーバ室から退出


12日 12:50

昼食は、駅前のコンビニで弁当を買う

12日 15:01

網膜認証を使ってセンター内へ入る。


12日 15:08

サーバー室に入る。

*************


データセンターに到着したので時計をみると9:40であった。

12日9:25データセンターに到着とメールには書かれていたので、先ほど乗らなかった電車が15分おきであったので予定が15分ずれたと考えられる。


「なるほど、一度未来予測をを回避するとそれ以降の予測は、信用性は低くなると言うことか」

一人でぶつぶつ独り言を元から言う癖があるので、思わず声に出してしまう。


そこで、新たな不安が脳裏によぎる。

予測した未来で、身に危険があるものを回避しても、次に予測しないと次の身に危険があることを回避できないという結論に達する。


一新は、コミニケーション能力が低く、常識や価値観が天然であるが、天才である。

そこで、新たな矛盾にきがつく。

未来予測した行動は、未来予測を知っている状態の未来予測であったにもかかわらず、予定調和を抜けることができた。

しかし、その行動すら未来予測されていたはずでは?

考えられる可能性は、未来予測の精度を知らなかった自分のデータで予測しており、現在の知っている状態の自分のデータを入れた場合は、回避できないのではないかと考えた。


「精度100%ではなかった故に回避できたということか?」


データセンター内の一室にもどり、安物の椅子に座って天気予報の精度を調べる。

昨日出した結果と本日の結果を比較すると99.8%一致した。


自分の未来予測プログラムは、天気予報のプログラムよりも精度が高い設定である。

今日は、どこまで精度があるか出た結果と自分の行動を比較するプログラムを製作する事にした。


「とにかく、この場所はすでに確保しているが、幽霊社員として何か仕事をしている建前が必要だな」

今日で、天気予報プログラム作成のプロジェクトが終了してしまうため、何かのプロジェクトを自分の仕事に引っ張り込まないといけない。


ビックスのサーバーにアクセスして、現在、進行しているプロジェクト一覧を参照する。

その中に気になるプロジェクトを発見する。

特級社外秘になっており、担当は1名で依頼が日本科学センターであった。

気になる一新は、最強のログすら残らないメンテナンス用の権限で、そのファイルを開いた。


「ほんとうかよ!!!」


ファイルに書かれている内容は、一新の日常を壊す程の破壊力を秘めていた。




資金をゲットした一新

次に起きる非日常をどう対処するか?

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