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ルクアの初恋

セーラ服をたなびかせ、走る直子。

身長は160cmぐらいで、黒髪の中にカチューシャをしてある程度長い、髪を留めている。

黒い瞳だが顔つきは、やや外人っぽい。


江藤 直子は、高校一年生である。

今日は、学校が日曜日で休みであったが、剣道部の朝練があったので参加した帰りである。


頭の中は、早く帰って【シウテクトリ】 をやる事で頭がいっぱいであった。

「今日は、攻城戦があるから燃えるぜ!」

叫びながら、家の玄関に入る。


「おかえりなさい」

奥から姉の江藤 美鈴が出てくる。

「お!歩いて大丈夫なの?」


美鈴は、中学2年の時に難病の筋肉が衰えていく病気にかかって以来、中学3年では車椅子になり、入院していたのだが、今は回復の一途をたどっている。


回復の要因は、まだ不明なのだが、動けない為に苦労する美鈴を見た両親が、β版VMGの【シウテクトリ】を用意してプレイした事から始まる。


VGMの【シウテクトリ】をプレイしてから、暗かった性格が明るくなり、3ヶ月ほどで退院できるほどに筋力が回復し、車椅子で通学出来るまでになった。

無事に地元の高校に入学して高校2年になった時に、自分で歩けるまで筋力が回復した。


まだ、杖をついて歩いていた、はずだったのだが、今は杖なしで歩いていたのだった。


美鈴は黒髪で黒い瞳をしていて、長い髪をポニーテールにしている。

妹に似て外人の雰囲気をしている顔立ちをしている。

胸があまりない妹と対照的に巨乳であった。

今の姿は、赤い寝巻きを着ている。


「日に日に回復して、杖なしで歩けるようになったよ。走れるまで、もう少しね」

「VMGのおかげなのかしら?」


「テクノVMG社の人には、機密になるかもしれないけど、関与はあるって言われたわ。あまり他人に話さないように言われてる」

「あの、怪しい集団ね。でも姉貴が治るならなんでもいいや」

「相変わらず悩みもなく天然ね」


「今日は、攻城戦があるけど、姉貴出るの?」

「出たいけど、闘技場大会が来週の日曜日だから、レベル上げしておきたいかな」

「今回の攻城戦は、副ギルドマスターのケイトとラインが出るらしいから大丈夫だよ」

「助かるわ」


急いで自分の部屋に戻ると、制服を着替えて、VMG筐体から【シウテクトリ】にログインする直子だった。


美鈴も部屋に戻って、レベルを上げる為に【天空の黄昏】と言う天空ダンジョンへ向かうのであった。


直子(ルクア)がログインすると、ほっぺたをツンツンしてくる感覚がある。

視界がクリアになった瞬間に、ほっぺたを指で突っついている、高級ローブに身を包んで、安物の白い仮面を付けた如何にも怪しい人がいた。


「おお!感触がリアルだ! これって他にも、一杯突っ立ってる人いるけど、みんな呪いでもかかってるのか?」

怪しい奴が言う。


「きゃああああぁぁ。露店に悪戯するな!!」

直子(ルクア)は叫んでしまった。


通常、露店スキル発動時のキャラクターは、石化するので感触は石のようになっているはずだったが、ツヌグイがちょうど指でツンツンした際に、直子がログインしてきたため、ログインと同時にツンツンされて石化が解けて感触が復帰して感じてしまったのだった。


怪しいプレイヤーを指差してルクアが叫ぶ。

「なにものだ!貴様は!」

「初心者のプレイーヤーです。NPCでもないのに、みなさんが動かないで立っていたので気になって調べていました」

「商人の露店スキルだよ。ログインしていなくても金額と品物を置いておけば、他のプレーヤーが購入できるトレード用のスキルだよ。それより、なんでほっぺたツンツンしたんだよ!」

「つい、ツンツンしたい形をしていたので思わず....」


くだらない理由と、ステータスを見ると初心者ではなかったので、PKでお仕置きをしようと思って、ギルドメンバーを使って、闘技場まで連行して闘技場で戦ったのが始まりだった。


自分より弱いと思っていたが、PKを開始してみると、全く歯が立たないキャラクターであった。

ありえない強さに舌を巻くルクアだった。


【シウテクトリ】は、ゲーム中のステータスも大きいが、自分自身を再現したアヴァターでゲームに参加する為に、リアルの体力や反射神経なども大きく関与する。


運動神経が良ければ、運動神経が悪い人よりもステータスの上昇率が高い。

だが、努力(やりこみりょう)でステータスを上げれば、運動神経が悪い人でも、良い人を上回ることも出来る仕様である。


ルクアよりも強いと言うことは、初めからかなりの運動神経が良いか、努力してステータスを上げたかのどちらかか、両方かもしれない。

男嫌いのルクアが、少しだけ心を動かされる。


戦闘中に突然、怪しいプレイヤーがしゃがみこむ。

何かしようとしていると感じて、おもいっきり斬り込んだ時に、ルクアの攻撃が初めて顔面にヒットする。


普通は、のけぞるはずだが、大岩を殴った様な感触とビクともしない相手に驚いた瞬間、さらに驚くことになる。


仮面の耐久度がゼロになり破壊される。

風圧で頭に被っているローブがめくれる。

白髪で赤い瞳であり、ロングの髪がたなびいてキラキラ光る。

絶世の美女が現れる。

ちょうどその時に、偽装のステータスが解除されて表示される。


今まで見えていたステータスが、職業が変更され、ドワーフから人間に変化して性別表示がMからFへ変化した。

名前は、アスラからツヌグイに変更された。


「黒魔術師で人間でF?

じょ、女性だったの!ツヌグイ?」

ルクアは、思わず声に出してしまう。


しかも、男性嫌いだが、女性好きなルクアが理想と考えている容姿に近く一目惚れしてしまった。


「見られてしまったか。飛ぶから離れないと危ないかもしれない」


ツヌグイが、理解できない事を言ってきた。

色々な情報が頭を駆け巡るが、プレイヤーが空を飛ぶ方法が浮かばない。


「飛ぶ?何言ってるの?このゲームでは、モンスターかモンスターを使役しない限り飛べ......」

話してる途中でツヌグイが消えた。


ドッカン!!!


ツヌグイを中心に地面が直径10mほど陥没してツヌグイ空に飛び立つ。

今までツヌグイがいた場所に隕石が落ちたような状態になった。


ツヌグイが地面を蹴った時に、仮想空間での音速を超えたらしく、ソニックウエーブのエフェクトがまるでツヌグイの残像に羽根が着いた様な演出をして、まるで、女神が飛び立ったように見えた。


「やっぱり嘘つきだ!空飛べるってモンスターだったのね!」

ルクアが叫ぶ。


一瞬、羽が生えたモンスターかと思ったが、落ち着いて考えれば、プレイヤーである事に間違いないと納得する。


そして、顔を真っ赤にして宣言する。

「ツヌグイのお姉さまに、必ずお近かづきにならなきゃ!」

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