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女神の降臨

トスラの街から【ロディニア城】までは、全体地図(マップ)を見ると移動時間が表示されていて、道で歩いていくと2時間20分程のようだ。


地図(マップ)が広いなぁ。歩いたら間に合わんじゃん」


歩くと間に合わないので、走っていく事にする。

ツヌグイの足が高速で動く。

走るというようり滑る感じで道を進んでいく。


「なんか身持ち悪い!走ってる感覚があるのに、全く疲れない!」


通常のステータスの場合は、脳の疲れるなどの擬似的な軽いストレスを与えるシステムに、なっていたのだが、ステータスチートのツヌグイには、VIT(体力)がありすぎて、全く疲れるとは無縁であり、操作している一新(ツヌグイ)には、物凄い違和感を与えていた。


転ぶとまた、装備が地面に接触して摩擦で耐久度が下がって壊れるので、全力ではなく、ある程度で走っていく。


また、変な集団に絡まれる可能性を考えて、ステータスを偽装する魔法をかける

「ステータスディスガイス」

唱えると、画面表示が出て表示を偽装する。

持続時間30分で偽装内容はランダムである。

「ドワーフのlv51で男性、名前がアスラか?よけい絡まれそうだな」


街の近くは、初期装備の人が多かったが、進むにつれて強そうな集団や一人(ソロ)で大型モンスター狩りをしている人など、様々なプレイヤーを見る。


マップハックのツール画面で道沿いのプレイヤーを観察すると、獣人やエルフやドワーフや魔族や人間と種族も豊富だった。


アヴァターが本人に類似させる為に、太ったエルフや背が高いドワーフや外見は人間の魔族や魔族に見える人間など、種族の特徴はなく、ステータス上だけの種族の様だ。


エルフは耳が少し尖ってる耳装備、ドワーフは髭装備、魔族は(ツノ)装備、獣人は動物耳が専用装備で装着出来るようだ。


各装備には、種族用のステータスブーストが付いているので、装備していない人はまずいない。

人間のメリットは、人間専用のレア装備が存在していてレア武器を手に入れれば、多種族よりも強いというバランスを取っている。


「15分ぐらいで着きそうだぞ」

道を滑る様に走る。

モンスターが襲ってきたが、逃げる。

そして、【ロディニア城】に着いた。


「全力で走ったら、どんだけで着くんだろう?」


城下町があるかと思っていたが、大きな城があるだけで特に街らしき物はなかった。


城に入ると、路地に人が並んでいる。

NPC表示がないのだが、動かないで突っ立っている。


入ってすぐの突っ立っている猫耳の獣人の女の子に話しかける。

身長は160cmぐらいで、黒髪の中に猫の耳の装備をしていて、黒い瞳だが顔つきはやや外人っぽい。

商人のゆったりとした服を着ているので、胸の大きさはわからないが年齢は15歳前後である。


「こんにちは?」

無反応であるが、トレード画面が開いた。

品物と、値段が書かれていて商売をしているようである。


商人のスキルに【露店】があり、ログアウトしても、その場所で取引可能な状態で存在するというものだが、ツヌグイは、わからなかったので、いたずらを始めた。


手を握ってみる。

「握手しても、無反応だ!瞬きもしてない!なんか怖いな」


ほっぺたをツンツンしてみる。

「おお!感触がリアルだ! これって他にも、一杯突っ立ってる人いるけど、みんな呪いでもかかってるのか?」


突然、猫耳の女性の目が動く。

「きゃああああぁぁ。露店に悪戯するな!!」


通常、露店スキル発動時のキャラクターは、石化するので感触は石のようになっているはずだったが、ツヌグイがちょうど指でツンツンした際に、女の子がログインしてきたため、ログインと同時にツンツンされて石化が解けて感触が復帰して女の子が叫んだのであった。


動き出した女の子がツヌグイを指差して叫ぶ。

「なにものだ!貴様は!」


彼女の名前は、ルクアと言う。リアルでは、江藤 直子と言う。

江藤 美鈴の妹であり、【王様の杯】の3人目の副ギルドマスターであった。


「初心者のプレイーヤーです。NPCでもないのに、みなさんが動かないで立っていたので気になって調べていました」

「商人の露店スキルだよ。ログインしていなくても金額と品物を置いておけば、他のプレーヤーが購入できるトレード用のスキルだよ。それより、なんでほっぺたツンツンしたんだよ!」

「つい、ツンツンしたい形をしていたので思わず....」


「露店商人にお触りするなんて!許せない!け、決闘だ!闘技場に連行だ!」

「人と待ち合わせがあるので、お断りします」


逃げようとしたが、いつのまにか10人ほどの、プレイヤーに四方を囲まれて動けなくなった。


「なんと!動けない!」

「初心者だなぁ。ギルドメンバーに裏で連絡して囲んでもらったよ。城の中は、攻城戦以外ではPK禁止のため相手に攻撃カーソルをあてると、あてられた人と一定距離接近できない結界ができる。

結界で囲めば、動けなくなるという技さ。

決闘してもらうぞ!

高そうなローブ着てるね?装備を根こそぎ奪ってやる」


「ログアウトしたらどうなるの?」

「この座標に、転移門ポータルを設置しておけば、再ログイン時に任意の所に飛ばせるので、そこで襲おうかな?」

「おお!逃げれないって感じですね?」

「素直に倒されれば、神殿に飛ばされて助かるぞ。預けていない装備は全部ドロップだがな」


システムを良く考えた作戦に関心する。

「ステータスオープン!ドワーフのlv51か!初心者じゃないじゃん!ますます許せない!」


『昨日からです、本来のレベルはもっと高いのです。チートで一気に上げました』とは、言えないツヌグイであった。


城の奥の闘技場に連行される。

動かないでいても、結界が強制的にツヌグイを弾いて動いていく。

1対1だと動かないが、1対2で結界を押されるとステータスにかかわりなく、ツヌグイが負けて弾き飛ばされるようだ。


闘技場に着くまでに、どんどん人が集まり、50人以上に攻撃カーソルをあてられて、ボンボン押されていく

「おれらのアイドルに触るとは、ぶっ殺してやる」

「きもーーなに、その装備」

「アスラって名前か、付きまとって嫌がらせだな」

「顔隠してるから、やばい人だよきっと」


全員が敵愾心むき出してツヌグイを見ている

「数の暴力だ...」


闘技場に入ると、闘技場の大型スクリーンにツヌグイが映りだす。

「おどろけ!私は【王様の杯】の副ギルドマスターでこの闘技場の設定を変えれるんだよ。いまPK禁止にしているが解除すれば、一瞬でお前を倒せる。謝ったら許してやってもいいかな?」

「すみませんでした。二度といたしませんので許してください」

「は?」


あまりに素直に謝罪されて、困った顔をするルクアだった。

「騙されないぞ!初心者だって言ったのにLV51なんて嘘だったし!」


周りを囲んでいた、【王様の杯】のプレイヤーが観客席へ移動していく。

闘技場に、ツヌグイとルクアの2人だけになった。


ルクアは、商人をLV30までレベルをあげて、露店スキルを覚えた時点で、転生して戦士lv90まで上げたあとに魔法使いに転生して現在lv89である、かなり強い多重転生者であった。

ルクアの装備が、戦闘用に代わっていく。

レジスト性が高い、ピンクのマントにピンクのプレートアーマ―。

銀色のティアラに指にはレアアイテムに見える指輪が装備され姫戦士っぽくなった。

耳の装備が、猫から虎になった。


剣を構えて叫ぶ

「お前は、準備しないのか?」

「え?準備は、いらないよ」

「ふざけやがって!」


闘技場がPK可能エリアに変更された。

おそろしい音がして視界の右下に髑髏マークでPK可能な表示が出現する。


ルクアの剣が振り下ろされる。

ツヌグイにとっては、スローに見えるので背中の剣を右手だけで装備して、剣を弾く

「うそ!重いからそんな速度で動かせないはずよ!しかも両手もちの装備を片手?」


連続するルクアの剣の斬りこみをすべて弾く。

一新ツヌグイは、疑問を感じた。

ステータスをチートで上昇させたが、それで相手の動きが遅く見えると言うことは無いはずだ。

脳に何らかのクロック変化を発生させているのか?

とにかく、このゲームは、何か危ない気がする。

何かがおかしい。


考えながら、ルクアをみると、連続斬りこみで体力が減ったのか、疲れている。

疲れも再現とか、仮想空間ではおかしいぞ?


「あなた!ステータス偽装してるわね!やっぱり嘘つき!」

剣があたらない事で、ステータスの違いに気が付いて怒り出す。


闘技場の周りは【王様の盃】に囲まれて移動できない。

さてどうするかな?


移動門(ポータル)も開こうとしたが、闘技場内では使用できないようだ。


こ、殺そう...

また、物騒な結論に達しそうだ。

空を見上げてツヌグイがそう思った時に名案が浮かぶ。


最大脚力でジャンプしたら、空から抜けれる気がする。

チュートリアルや攻略サイトを少しだけ見たが、空を飛ぶ魔法やアイテムは無いので、どうなるかはわからないが試そうと考えた。


剣を背中に装備して格納する。

背中に剣がくっついた。


しゃがんで脚に力を貯める。


そこへ、おもいっきり斬り込んだ、ルクアの攻撃が顔面にヒットする。


ツヌグイは、DF(防御力)がマックス(9999)の為に、ダメージを受けなかったが、仮面の耐久度がゼロになり破壊される。

風圧で頭に被っているローブがめくれる。

白髪で赤い瞳であり、ロングの髪がたなびいてキラキラ光る。

絶世の美女が現れる。

ちょうどその時に、偽装のステータスが解除されて表示される。


しかも、闘技場の大型スクリーンに、顔が映ってしまう。

闘技場が、ざわめいた。

「女性!」

「見た事ないぞ?」

「凄い綺麗!」

「女神様!!」

「どういう事?」


「黒魔術師で人間でF?

じょ、女性だったの!ツヌグイ?」


「見られてしまったか。飛ぶから離れないと危ないかもしれない」

「飛ぶ?何言ってるの?このゲームでは、モンスターかモンスターを使役しない限り飛べ......」


ドッカン!!!


脚に溜めた力を一気に解放して最大の力でジャンプする。

ツヌグイを中心に地面が直径10mほど陥没してツヌグイ空に飛び立つ。

今までツヌグイがいた場所に隕石が落ちたような状態になった。


衝撃で、ルクアの体力が削られ瀕死になる。

ツヌグイが地面を蹴った時に、仮想空間での音速を超えたらしく、ソニックウエーブのエフェクトが、まるでツヌグイの残像に羽根が着いた様な演出をして、まるで、女神が飛び立ったように見えた。


闘技場の全員が、静まり返る。


「やっぱり嘘つきだ!空飛べるってモンスターだったのね!」

ルクアが叫ぶ。

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