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王様の盃

【王様の盃】は、【シウテクトリ】のゲーム内で第3位のユーザー数を誇るギルドであり、【ロディニア城】を保有している。

美奈子は、3人いる副ギルドマスターの1人であった。


「【曙の日差し】の動きが気になるわね。久々にダンジョン行ってくるわね」

「ケイトさんが、行くなら俺っちも行こうかな?」


黒いアサシンの服装をしたラインが呟く。

ラインは、美奈子(ケイト)と同じく副ギルドマスターで、リアルでは風間 隆二と言う。

ビックス社の総務部長である。


「山田一新の捜査は、進んでるの?」


「全く進んでない。一個人に、あり得ないぐらいセキュリティがかかってる上に、一部報道規制までかかってる恐ろしほどのVIPっぽいぞ。

銀行と税務署のコネで調べたが全くお金を使っていないようで、年収と増えていく貯金がほぼ同額で下手すると世界最強の情報閉鎖とも言える。

使われなきゃ尻尾も掴めない。

名前がわかった事自体が奇跡かもしれない」


一新の知らない間に鈴木が、目立つことが苦手な一新を思って全ての情報を止めていたのだった。


「さすが私の王子様!」

困難な程、燃え上がる美奈子だった。


「ギルドマスターに伝える?」

「そんな、長居はするつもりないからいいんじゃない?」

「今日の集まりは、あと2時間後ぐらいだよ」

「アサシンのスキルなら移動がアイテム不要だから時間になったら、転移で飛べばいいし、いいんじゃない?」

「そりゃそうだ」


今日は、週一回の【王様の盃】の集会の日であった。

ロディニアの城の攻城戦が近いので作戦会議がメイン課題である。


「じゃぁ、現場の【深き沼の叡智】に行きますか」

ラインが転移門(ポータル)をスキルを使って開く。


各ダンジョンや街や城、主要狩場などには専用の転移門(ポータル)を開くアイテムが、近くの道具屋でNPCから高値で購入できる。

アサシンの職業は、一度行った場所は、アイテム無しでスキルで開くことが可能だった。


美奈子(ケイト)は、元魔法使いからレベル99で転生した剣士で、現在は魔法剣士レベル89である。

風間(ライン)は、元弓使いからレベル70で転生した暗殺者(アサシン)で、現在、暗殺者(アサシン)レベル91である。


転移門(ポータル)をくぐると【深き沼の叡智】のダンジョン前に移動する。


入り口で入場料金を取るギルドの人はいないようだ。


「誰もいないから、さっさと行きましょう」

「何階に行きます?」

「47階までは、過去に行っているので、いきなり飛べるわ」

「結構潜ってたんですね。私は43階ですかね」

「30階ぐらいから下に降りて行きます?」

「そうしますか?」


二人はダンジョン入り口にある転移門から30階まで転移する。


30階に着いたら下の階へ目指すが、倒した敵から出現するドロップアイテムが大量に落ちていた。


「え?これって倒して拾わず進んでるのかな?【命の源】まで落ちてるじゃん!超レアアイテムまで落ちてる」

「ちょっと理解できないわね」

「3時間以内にここを通ったって事かな?」


【命の源】とは、どんな敵でも1万匹に一回だけステータスをを1増やすアイテムがドロップする場合があるのだが、そのうちの一つでHPの上限値を上げる。

超高値で取り引きされているアイテムの一つだ。


敵は、倒せば消えるが、ドロップアイテムは、3時間程は消えずにその場所に置かれる。


【命の源】をラインが拾うと消えてアイテムボックスに収まった。

「1時間以上前にここを通ったみたいだね」

「もっと下に転移門(ポータル)で降りる?」

「まだ、レアアイテムが落ちてそうだから、このまま移動で下に降りよう」


【シウテクトリ】では、通常アイテムだと10分、レアアイテムだと20分、それ以上の価値があれば1時間程の優先権が発生して、最後に最終攻撃(トドメ)を実行した人か、その人物とパーテーを組んでいるメンバーしかアイテムを拾えないシステムになっている。

ラインが拾ったアイテムは、1時間は拾えないアイテムであった。


二人は、最下層を目指して進み出す。



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