惑星
深い深い光の届かない海に、僕はいた。ぽっ…ぽっ…と口から泡を出してみる。深海は宇宙だ。この泡が水面に辿り着く頃、僕は何をしているのだろうか。
宇宙にはたくさんの生物がいる。それらは宇宙に散らばる惑星のようだ。僕はどんな惑星だろう。もしかしたら惑星になれないかもしれない。宇宙の塵となって、漆黒の暗闇を漂う。無の空間の中で、冷たい水だけが感覚を刺激する。
すると大きな生き物が横切った。どんな惑星だろうか。僕は恐怖よりも先に好奇心が湧いた。どうやら一匹ではないらしい。惑星に囲まれる僕は太陽だろうか。そう考えるだけで幸せな気持ちになった。その中でも一際大きい惑星が僕に近づいてきた。鮮やかに尾を翻し、猛スピードでこちらにやってくる。あれは惑星じゃない。彗星だ。次の瞬間、強い圧力がかかると共に冷たい水の感覚が消えた。
もうあの泡は水面に辿り着いただろうか。僕は彗星の塵となった。