1周年記念話 裏(メタい)話は突然に…
「本編も投稿できてねぇのに何番外編なんか投稿してんだ!」ってツッコミが来そうですが番外編です!
早いものでこの物語も1周年を迎えさせていただくことができました!
これは感想を下さった皆様、そして今日までこの物語を読んで下さっている皆々様方のおかげです。本当にありがとうございます。
本来作者自身の趣味と思いつきで始めたこの作品が、今やUA20000を突破するような物になるなど、当初は全く検討もつかなかったもので、感無量です。
これからも、細く長く続けていきたいと思っています!
実はこの話が掲載された8月2日は、この「俺らはあの日、聖霊皇になった。」の初掲載日になってます。
「1周年来たら絶対投稿日同じで投稿したいなぁ」
とかねがね思ってたものでやらせていただきました。
長ったらしい前書きで申し訳ありませんでした。
それでは番外編、どうぞ。
〜水の聖霊皇side〜
それは突然の出来事だった。
いつも通り気ままに起きてルサルカやウンディーネ、眷属たちと戯れていた俺がふと、俺の庭(この星の海全て)を適当に回遊していた時にそれは起こった。
「ふんふふんふふ〜ん♪」
その日の海もいつも通りの光景、いつも通りに魚が泳ぎ、魔獣がそれを食べ、妖精たちがはしゃぎ回る。そんな光景。
それを見ながら俺はゴキゲンに鼻歌なんかを歌いながら悠々と泳いでいたんだ。
「ふんふふん〜…ん?なんだアレ?」
俺は視界の中央に光り輝く「何か」を見つけた、すると突然俺の目の前が真っ白に光り出し、ゆっくりと俺は気を失ったのだ。
目覚めると眼下に見えたのは一面の白い空間だった。無機質でどこまでも「白い」その空間は言い表せない恐怖感と荘厳さを放っていた。
「な!?なんだここは!お、俺はどうなったんだ!?」
目を覚ました俺は完全に戸惑っていた。無理もないことだった。何せ俺はこの「聖霊皇の身体」になってから一度も気を失うようなことがなかったからだ。
《ちーっす》
完全に取り乱している俺の頭の中に、そのフランク言葉にそぐわない程の「威圧感」を持った声が響く。
《あれ?聞こえてない?ちーーっす!…あり?強さ間違えたんやろか?》
なんだこの気の抜ける声は?
しかし、その声にはやはり「母さん」を相手にしているような圧倒的な存在感がある…
《聞こえてないならもう一回…ちー「聞こえとるわゴラァ!!!」…なんや、聞こえとるんかいな。お返事くらいしてほしかったわ》
その声はやや不満そうに文句を垂らす。
しかし、今の俺にはそんなの関係ない。聞くことはたった1つ。
「お前は誰で、何だ?」
《お、どストレートな質問。あんちゃん嬉しいわ。そうだね、おまいさんらの感覚で言えばアンジュちゃんに近いかね。ほら、おまいさんらのお袋さん》
「…なるほどな、となるとお前は【別の世界の神】か?」
《ああん?んねんね、おらはほちけだな偉そなモンんね》
(このクソ野朗…喋り方が無性に腹立つ…)
俺はさっきから口調の安定しない「声」に苛立ちつつも話を続ける。
「じゃあ何だ?神では無いのにその存在感…ありえないことだ」
《ふっ…青いな聖霊皇。『ありえないなんてことはありえない』どこぞの強欲さんもそう言っている。まぁ、おいちゃんの正体は簡潔に話せば『星を見つめる者』(スターゲイザー)さね》
「スターゲイザー?なんだ?厨二病か?」
《厨二病ちゃうわ!俺っちはあくまで観測者っちゅ〜やつよ。わたくしは貴方がたの世界をただ観測しているだけでございますわよ?》
ふざけた「声」はそういうと《あらよっと!》と声を上げる。
すると虚空に4つの穴が空き、中から誰かが落ちてくる。
「ぬわぁぁぁあああ!!!?」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
「ほわぁぁぁぁぁあ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
落ちてきたのは3匹と1人のいずれも覚えのある奴らばかりだった。
《はいはい、突然申し訳ありませんな。アンジュちゃんはお久しぶり、他の子達は初めましてな》
「あら?その声は…」
母さんは何か思い当たる事があるかの様に考え込む。
「……誰だったかしら?」
《ファ!?》
「え〜っとぉ、ここまで出てるんだけどぉ…」
母さんはこめかみを指差すような仕草をする。
《あぁ〜…えぇよアンジュちゃん、ゆっくり考えとって…》
心なしか哀愁漂う「声」はそういうと俺ら4匹に気を向ける。
《さて、そこのあんちゃんら。ワシが誰かなんて言っても分からへんやろから、省く!》
有無を言わさぬ無駄な圧力をかけた「声」に反対する間も無く「声」は話し始める。
《さて、皆様。お集まりいただき誠にありがとうございます。それでは本日のメインイベントを開催いたします!!!》
急にイケボになった「声」がそういうと真っ白いだけだった部屋のどこからかクラッカーの音と紙吹雪が舞う。
「おお〜、すげぇ」
「なんだこれは…」
「綺麗ですねぇ〜…」
「うっは!スゴイっす!」
「あらあら、まぁまぁ」
すると俺らの目の前には……
【「俺らはあの日、聖霊皇になった。」1周年記念パーティ】
と書かれた横断幕が掲げられていた。
《さて、こちらの時間では1周年が経過しました!アンジュちゃんの世界では大体1万5000年くらい経過しました!》
「あら、そんなに経ってしまったのねぇ〜」
「うむ、思い返せばそれほど長くは感じなかったがな」
「そうですね、私達の感覚では一年はあっという間ですしね」
母さん、土の、木のが思い思いにこれまでを振り返る。
《そこで今回するのは、ぶっちゃけた裏話になります!主に話してもらうのはアンジュちゃんとワイになるかもしれんけんどね》
「まぁ!ちょっと恥ずかしいわぁ〜」
微笑む顔を赤らめ、左手で頬を抑えながら右手をひらひらと振る母さんであるが、満更でもなさそうだ。
《先ずはワイからやな、聖霊皇のあんちゃん4人、あんたらには実はモデルになった人物がおるねん。それが、ワイ(作者)含めたワイの友人(作者の友人)やねん。ま、口調とかだいぶ変えてるから本人はわからんやろけどな》
「マジか!?」
「我もだと!?」
「私もですか!?」
「自分もっスか!?」
《んだ、お前さんら皆やで。誰が誰かは教えんとくわ》
若干ニヤニヤとニヤける様なイメージのする「声」は《次!アンジュちゃんね!》といって強制的に話題を切り替えやがった…
「そうですねぇ〜……そういえば、まだみんなの暮らす私の星の概要。教えてませんでしたね?それでどうでしょうか?」
《おお!そういえば一回もまともにそれは描写しとらんかったな!》
俺らは大体知ってるが…てか、描写ってなんだよ?
《うぇっち、禁則事項禁則事項。それを聞いたら色々終わっちまうえ。それはともかく、これがこの星の概要だにゃ》
主人公達の世界
・女神アンジュの創造した世界。
地球型の惑星だが、大きさ(表面積)は地球のおよそ5倍。
ゆるっふわっとした女神が作ったせいか、ゆるっふわっとした世界になったため、丸みをおびて、複雑かつふわっとした地形がおおい。
基本的に地球であるような地殻活動やら火山活動はあまり活発ではないため、地震や噴火なんかが起こると、ほぼ100%聖霊皇(土と火)のせいだったりする。
陸地は5つの大陸と10程の大きな島、そして無数の島々で構成されている。
海は全体の面積のおおよそ7割を占めており、これはほぼ地球と一緒。
《こんなもんだにゃ》
「お前の声で語尾に『にゃ』とかつけるな気持ち悪い」
《水のあんちゃん…しどい!!》
「いえ、否定できない事実ですよ」
「その不快な語尾をやめろ」
「正直……キモいっす」
《しどい!!!》
その叫びの後にすこしすすり泣く「声」が聞こえたが、気のせいにしておこう。
《まぁ、そんなことはさて置いて、次は俺っちね》
「声」は、先程までのすすり泣きなどなかったかの様に突然に開き直る。
《制作裏話的なのになるのかなぁ?この物語を作った理由として、ワシ(作者)が。
「人間が主人公の話は読み飽きた!テンプレが多すぎるんじゃあ!人外モノが読みたい!無いなら書いちまえ!!」
と無い文章力と僅かな語彙力を総動員して作った作品になるねん》
なんちゅう無責任な奴だコイツ…
《んで、なんやかんやでアイデアも出るし展開も思いつくやらで50話くらい続いとるけど、初めの頃は日に10も行けばよかったPVが今や日に300〜400、投稿日には2000も行く作品になって…私としては大変驚いている次第にございます》
俺からも感謝申し上げます。
《おれっち(作者)的には欲張りだとは思うけど、もう少し感想やダメ出しなんかを頂けると創作意欲に繋がりますんでよろしくお願いいたします》
《さて、次はまたアンジュちゃんさね》
「あら?また私かしら?じゃあ、私からは私の子達が人間たちからどう見られてるか教えてあげようかしら?」
おお、それ知りたい。結構断片的に嫌われてることしか知らないからな!
「母さん!俺の最初に!」
「母上!我も知りたいです!」
「お母さん、私にも教えてください!」
「母ちゃん!自分のも!自分のも!」
「あらあら?困った子達ね、うふふ。いいわ、それじゃぁ……最初はこの子!」
そういって母さんが指差したのは「火の」だった。
「うっしゃあ!俺っち一番乗り!」
「ふふ、貴方は人間たちから、かなり慕われている様ね?貴方からは4人の中で一番強く信仰の力を感じるわ!人間の暮らすほとんどの国では貴方を信仰しているわね。貴方もそれに応えられてる様だから、尚のことね。どうやら人間たちの考えた神話では貴方が主神になってるようよ?火を司ることから太陽神としての認識を得ているようね。」
おい、ふざけんな!なんでコイツが主神なんだ!主人公は俺だぞ!
「ふざけんな〜!」
「我の方が偉いぞ〜!」
「私の方が貢献してますよぉ〜!」
「ええいっ!外野の下神どもは黙ってるっす!」
コイツめぇ、調子乗りやがって…
「次は〜……貴方ね」
「おお!我を選ぶか母上!」
次は土のか、コイツ親バカのくせしやがってマザコンの気があるからなぁ…」
「そこ!誰がマザコンかぁ!!」
「ちっ、声に出ちまってたか…」
「ほらほら、貴方たち。喧嘩は許しませんよ?」
母さんがそういった瞬間。俺らに雷が落ちる。
「「あ"ばばばばばば!!!」」
《おおう、エライきついの食らったな…》
「声」の道場がウザい。
「さて、先ず土の貴方は人間たちからは恵みを与えてくれるけど怒らせちゃいけないちょっと関わりにくい神様になってるわね。貴方が開いたダンジョン?のおかげで貴方にも多くの信仰が集まっているわ。巨万の富を授ける神としても認識され始めているわね。貴方の信仰の半分くらいはドワーフ達ね。貴方のことをいつでも忘れずに感謝してくれるカワイイ子達だからいつまでも大事にしなきゃダメよ?」
「重々承知の上です母上」
「そして貴方は人間達の考えた神話では母神ね。あら?性別が変わっちゃってるわ?きっと貴方の眷属の子が多く人間の前に出たからね」
コイツが母神とかキメェわ!
「お、お前が母神ッ!はははっ!」
「な!貴様!笑うんじゃ無い!」
「だ、ダメですよ笑っては…つ、つられてしまうじゃ、あはははッ!」
「貴様もではないか!!!」
「だっははは!!土のが母神?うはははッ!」
「きっ、貴様らぁ〜!!!」
「「「あははははっ!!」」」
あ、土のが完全に沈黙した。真っ白くなってやがる。
「次は木の貴方ね?」
「よろしくお願いします、お母さん。」
「ええ、わかったわ。貴方は人間達からはエルフの上に立つ母なる神様だと思われてるようね?貴方も母神の一柱にされてるわね。貴方もいい具合に多くの信仰が集まっているわ。エルフやエルフのハーフの子達は特に強い信仰をしているみたいね、これからもちゃんとエルフの子達を護ってあげてね?」
「もちろんです、お母さん」
あれ?木の、お前男…だったよな?
性別変わってても違和感がなさすぎる…
「(おい、木のが女でも違和感感じない俺がいるんだが?)」
「(おう、我もそう思ってたところだ)」
「(いや、元々の世界での木のってかなり中性的な顔つきッスよね?)」
「(うん、そんな感じ)」
「(我もそうだったと記憶している)」
「(そう言えば、木のっていつもなんとなくいい匂いがしてたような…)」
「(そう言われてみると声も高めだったような…)」
「(まさか……)」
「「「「(((コイツ、元々性別偽ってた?)))」」」
「あ"?そこの3バカ?今何考えてやがりましたか?」
「「「あ、なんでも無いっす」」」
ともあれ、これで3人が終わった…いよいよ最後は俺か…
「最後は…水の貴方ね」
「水の貴方は、ちょっとやんちゃが過ぎたのかしら?不可侵の神として恐怖とともに崇められてるわ。信仰自体は水の中に住む全ての生き物から貴方に集まっているから4人の中では一番大きいのだけど…人間達からの信仰自体は一番少ないわね。人間達はよほど貴方のことを恐れてるのかしら?貴方を信仰しているのは全ての国を見渡しても1つしかないわ」
うん…なんとなくわかってたけどね…うん…
《えぇ〜、さて。全員分の紹介が終わった辺りでそろそろお開きにさせてもらおか》
おいコラ!まだ終わってねぇぞ!
《うっさいわ!どのみち何と無く展開読めてるんやろ!……っと、それでは皆様。これまで一年間本当にありがとうございました。願わくばこれからも「俺らはあの日、聖霊皇になった。」をよろしくお願いいたします。》
「「「「よろしくお願いいたします!」」」」
今後は投稿が不定期になる予定ですので、長い目で見ていただけるとありがたいです。
感想お待ちしております。