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俺らはあの日、聖霊皇になった。  作者: スペアリブ
水の聖霊皇編 2
37/79

才能?

なんだか調子がいいのか珍しく文字数多めの1話です。



魔法適正が判明するとソルトは勇者達を連れて魔法師団の演習場へと来ていた。


「まずは簡単な座学にございます。座学と申しましてもそこまで複雑ではございまさん、お気を楽にしてお聞きください」


ソルトはそういうと魔法について話し始める。


「この世には四つの属性とそれを司る神がいると言われております。この四つを四大元素と呼び、全てを形作る基礎とされております…」


座学が終わるといよいよ実技へと入る。


「それでは勇者様、これより私めが簡単な魔法をお教え致しますので少し離れてごらんくださいね」


ソルトはそういうと大地たちによく見えるような場所に立つと集中し始める。


「それでは…参ります!〈大地に遍く火の精霊よ、御業の一端を与え給え、火柱!〉」


ソルトがそう唱えるとソルトの10mほど前方に見上げるほどの火柱が立ち上り轟々と音を立てながら30秒ほど燃え続けた。

魔法がこれほどの物だとは思わなかったのか大地たち4人は呆然と口を開けている。


「ふぅ…如何でしたかな?」


少し額が汗ばんでいるソルトは一息つくと勇者達にたずねる。


「まさか…これほど凄いものだとは思いませんでしたよ、ソルトさん。魔法師というのは皆これほどの魔法が使えるのですか?」

「いえいえ、この"火柱"は私の他には火の適正の強い3人ほどしか使えませんよ」


興奮冷めやまぬといった様子の大地がソルトにたずねるも、ソルトは謙遜するように答える。


「今の…火柱?でしたか?火の適正の強いあたしだったら使えるのようになりますか?」


火属性の魔法ということもあって相性もいいだろうからか薫はソルトに聞く。


「ええ、カオル様程の適正をお持ちでしたら間違いなく」


ソルトもこれには力強く断言する。


「では、魔法をお教えしましょう」


ソルトの魔法授業が始まった。


〜大地side〜

ソルトさんは本当にすごい魔法使いだったようだ…

疑っていたわけではないのだが、やはり話を聞くのと実物を目にするのとでは全く訳が違う。俺も早く出来るようになりたいものだ。


ソルトさん曰く、魔法には3種類あるらしい。


1つめに〈詠唱魔法〉これは先ほどソルトさんが行ったもので、言葉に魔力を乗せることで、精霊に力を借りたり魔力で事象を起こす事で発現するのだとか。


2つめに〈儀式魔法〉これは俺らは4人を召喚したように、供物を捧げたり魔法陣を描いたりしてそこに魔力を通す事で発現する魔法。


3つめに〈精霊魔法〉これは妖精や精霊と契約してる魔法使いのみが行えるもので、妖精や精霊に対価を払ったりして力の一部を借り己の力と合わせて使うもので、他の2つの魔法に比べて大きな威力になるのだとか。


俺たちは初めて魔法に触れるので、先ずは魔力を認識することからはじめるようだ。


「まずは魔力を感じてみましょう。両手の平を合わせて間に少し隙間を作ってください、いいですねそうです。そこに身体の奥の方から暖かいものを少しずつ少しずつ、お腹から胸、胸から肩、肩から肘、肘から腕、腕から手へと伝えていってください」


すると合わせた手の平には暖かいものが溜まり、やがてぼぅっとほの明るく白い光が手を覆う。これが魔力か…


「いいですね、流石は勇者様。飲み込みが大変お早い!私めは大変嬉しゅうございます」


ソルトさんは本当に嬉しそうな顔で俺ら4人を見る。なんだろうか…まるで孫バカの爺さんのような…


次に、俺たちは初心者という事で1つめの魔法である〈詠唱魔法〉を行う事にした。


「いいですか?先ずは皆様の適正から土属性の最下級魔法である〈石飛礫〉の練習を行います。詠唱文は〈母なる大地よ、我が敵を追い払え、石飛礫〉です」


そういったソルトさんの手からは幾つかの小さな石ころがビシュ!!という音を立てて近くにあった木にめり込んだ。

最下級でさえあれほどの威力になるのか…まるで散弾銃のような石飛礫の魔法に正直驚きを隠せないがあれらを習得できると思うと昂ぶるものがある。


「まぁ、ここまでの威力がでるのは魔力や適正の強い方やしっかりと修練を積んだ者のみですがね。普通であればせいぜい3〜5個くらいの石飛礫を投げるよりは早く飛ばせる程度です」


軽く頰をかきながらソルトさんが説明する。

ソルトさんの説明が終わるといよいよ俺たちの番である。


「「〈母なる大地よ、我が敵を打ち払え、石飛礫〉」」ポロッ


俺と薫が詠唱した石飛礫は一個がポロッとその辺に落っこちてしまう程度だったが…


「「〈母なる大地よ、我が敵を打ち払え、石飛礫〉!!!」」ドゥビシュュウ!!!


さとみさんと美沙の詠唱した石飛礫は3個程の石飛礫がソルトさん以上の速度と威力で木にめり込んだ。


(なるほどな、これが適正有る無しの差か。確かに初めからの才能の時点で魔法はほとんど決まってしまいそうだな)


ソルトさんは、なんとなく結果を予想していたのかほとんど驚きはしてなかった。


(あれ?美沙とさとみさんの様子がおかしいな、破片でも飛んで怪我でもしたか?)


俺は薫に声をかけとりあえず2人に寄っていった。


〜さとみside〜


「あ…えぇ…?な、なんで…?」


わたしはたった今自分が信じられなくなった。


わたしは桜場 さとみ、普通高校に通うごく普通の女子高生でした。でも…

ある日の学校帰りに突然あたりが眩しくなったかと思うとそこは全く知らないところで周りには友達の美沙ちゃん、クラスメイトの薫ちゃんと隣の席の大地くんがいて…


そんなわたし達が飛ばされて来てしまったのはどうやら違う世界…って事くらいで…

この世界には"魔法"があるみあいなんです。ソルトさんっていうおじさんから習っているのですが、どうやらわたしには並外れた魔法の才能があるらしくて…


魔法の練習で初めに使った魔法、〈石飛礫〉を使ったわたしはわたしが放ったその脅威に驚かずにはいられなかった。


「み、美沙ちゃん…これ、わたし…が?」

「み、みたい…だね。ミサも…みたい、だね」


美沙ちゃんも自分で放った魔法の力にすごく驚いてるみたい…


「さとみさん!美沙!大丈夫か?」

「さとみ!美沙!大丈夫なの?」


心配してくれたみたいで、大地くんと薫ちゃんが駆け寄って来てくれた。


「う、うん…ちょっとびっくりしちゃってね」

「み、ミサも…こんなになると思ってなかったから…」

「そうか、そうだよな。俺たちもこんなとんでもない威力になるとは思わなかったしな」

「そうね、わたしと大地はポロッと下に落っこちただけだったし…」


これが、ソルトさんの言ってた適正ってのなのかな?たしかわたしと美沙ちゃんは今使ってた土の魔法に対する適正がとっても高かったから…


「いやはや、サトミ様もミサ様も本当に素晴らしい魔力です。私めなどすぐに追い抜かれてしまいそうですな」


手を叩きながらとても嬉しそうな顔でこちらへ歩み寄ってくるソルトさん。


「いえ…えっと、こんなに危ないとは思わなくて…」

「いえいえ、こちらこそ申し訳ありません。危険を考慮して難易度を上げてでももう少し違う魔法をお教えすればよかったのですから」


その後もソルトさんから暫く魔法を教わってその日は終わりとなったのでした。




〜皇帝アウグストゥスside〜


「で、ソルトよ勇者様方の魔力はどうであったかね?」

「ええ、皇帝閣下。実に素晴らしいものです。勇者様方ならば必ずや我らが帝国の悲願を達成されるでしょう」


ソルトからの報告では勇者様は皆全属性への適性を持ちそれぞれに素晴らしい適正を持っていたそうな。


「そうか、ソルトよこの調子で訓練を頼む。騎士団長ゴルドよ、明日より勇者様方への指南を開始せよ、白兵戦に向く方にはしっかりと修練を積んで頂くが、向かぬ方には護身程度でよい」

「「はっ!承りました」」


さて、私もゆっくりと準備を始めようか。

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