魔法?
な、なかなか主人公である水の聖霊皇を出せない…
なんとかせねば…
〜勇者side〜
「もう!大地おっそいじゃない!」
「いや、みんなゴメン!ドワーフのおっさんに見せてもらった剣があまりにも凄くてな…」
「へぇ〜大兄、剣なんか買ってたんだぁ〜ミサにも見せて見せて!」
「お、おい!ちょっとまてって!」
俺は持っていた剣をミサに強引に奪われた。
「おぉ〜…すごくキレイな青!」
するとミサはその場で剣を抜き美しい青の刀身をみて感嘆の声を上げる。
「…ってバカ!おいミサ仕舞えって!なに街中で剣抜いてるんだよ!」
「大兄ゴメンゴメン…でもこの剣どうしたの?すっごく高そうだけど…?」
「ああ、それなんだけどなさっきの店にいたドワーフのおっさんが銀貨3枚でいいって言ってくれてな」
「本当に?大丈夫なの?」
「まぁ、売ってくれたんだから有り難く貰っておくさ!それよりもアンナさんを待たせているんだから早く行こう」
俺はそう言って切り上げるとアンナさんと合流し、城へ戻ることにした。
「大地、アンタさっきその剣、銀貨3枚で売って貰ったって言ってたけど本当に大丈夫なの?チラッとみたけれど間違いなく銀貨3枚の代物には見えなかったわよ?」
「ミサにも言ったが、あんまり気にすんな。なんとなくだが、あのドワーフのおっさんはいい人だったと思う。俺の勘は鋭いからな、大丈夫だ」
全く、確かに銀貨3枚にするような代物じゃあないだろうが買っちまったモンはしょうがないしな。
城下町を抜け城へと戻るとソルトさんが待っていた。
「おかえりなさいませ勇者様。それではこれより私めが魔法師団へとご案内いたしましょう」
ソルトさんはそう言うとアンナさんに代わり俺たちを案内してくれる。
「おや?ダイチ様、その剣は城下町でお買い上げになられたのですかな?」
「はい、城下町で気のいいドワーフのおじさんに売って貰った物です」
「少々拝見させて頂いてもよろしいでしょうかな?」
「ああ、どうぞ」
「では失敬して…おぉ、見事な剣ですな。いい魔力が満ちております、金貨30枚はするのではないでしょうかな?」
「ええ!?金貨30枚!?確かに美しい剣ですがそれほどの代物なのですか?」
「ええ、剣の価値は私めには分かりませぬがこの剣に満ちる魔力や素材が価値を教えてくれますゆえ」
ソルトさんはそう言うと向こう側からかなり体格の良い壮年の男が歩いてくる。
「おお!そこを歩くは騎士団長殿ではないですかな?少しばかり寄ってはくれませぬか?」
「おお!魔法師団長殿どうされましたかな?」
「ええ、実はこちらにおられる勇者様の剣の価値が知りたくてですな…」
「おお!こちらの方々は勇者様でしたか
失礼致しました。それで、こちらの剣ですな?失敬、では見せていただきます」
そう言うと騎士団長と呼ばれた男は剣を手に取るとじっくりと鑑定を始める。時折「むう…」やら「おぉ…」やら感嘆の声を上げつつも割とすぐに鑑定は終わった。
「ふむ、ありがとうございます勇者様。某の目ですとこの剣は"城下町の大親方ジハッド"氏の作品で素材は水の魔鉄と鋼、この革は…おそらく龍の物でしょうな。見事な逸品でございます。某の憶測でしかありませぬが金貨35枚はするのではないでしょうか?良いものです、大切になさってください。」
なんだかすごい言葉の応酬についていけない…
「…ちょっと大地…あんたコレ幾らで買ったっけ?」
「…銀貨3枚…」
「大兄…」「大地くん…」
ジト目で見てくる3人の視線にかなり気まずい…
「おお!そうでしたか、騎士団長殿ありがとうございました。それでは勇者様方行きましょうか」
気を利かせてくれたのかソルトさんが話を変えてくれる。
ソルトさんマジありがとうございます!ハゲ散らかしたおっさんとか思ってすみませんでした!
「勇者様方、ここでございます」
心の中でソルトさんへお礼を言っているとどうやら魔法師団へとついたようだ。
「それでは勇者様方、まずは勇者様の魔法適正を調べさせていただきます。この水晶玉へと触れてくださいませ」
そう言ってソルトさんが差し出してきたのは中央に4色の結晶が入った水晶玉だった。
へぇ、こういう道具で魔力を調べるのか。おそらく中の4つの結晶が魔法の属性か何かなのだろう。
「それじゃあ、あたしからやらせてもらうわ」
意気揚々と出て行ったのは薫。
やっぱり自分がどんな魔法を使えるかって知りたいよな。
薫が水晶玉へ触れると同時に水晶玉は光りだす。4色の内の赤が最も強く光り、緑、黄、青の順に光が弱くなる。
赤の光が強いためか青は殆ど光ってないような感じもするが緑と黄は強い赤の光にも負けずに光ってることがわかる。
「おお、カオル様は火の魔法の適性が最も高いようですな!次いで木、土、水ですか!全属性とは!やはり勇者様方は別格だ!」
「全属性は珍しいんですか?」
「はい、魔法適正は多い者でも3種程度で殆どの者は1か2種といった程度でございます。それを抜きにしましてもカオル様の火の魔法適正は素晴らしいものです。妖精との契約者でもここまでは光らぬでしょう!まるで精霊の加護でも受けているかのようですな!」
興奮した様子のソルトさんが説明してくれる。なるほど、全属性は珍しいのか。俺の予想ではおそらく俺らは全員何か一つに秀でて全属性が使えるのではないかと思っていたが、薫の結果で半ば確信となった。
「はいはいはい!次はミサがやります!」
2番手は美沙。さて、何に秀でているのかな?
美沙が水晶玉に触れると今度は4色のうち黄色が強く輝く。次点で赤、順に青、緑だ。
「おお〜!ミサは土属性〜!」
「そうでございますな!これまた素晴らしい土の魔法適正でございます!」
土か、かなり応用の効きそうな魔法への適正を得たな。美沙は時折人の考えつかないことをするから相性はいいかもしれないな。
「じ、じゃあ次はわたしがいってもいいかな…?」
「ああ、さとみさん先にどうぞ」
遠慮がちに聞いてきたさとみさんに先を譲る。おそらくこれで俺の大まかな魔法適正がわかるはずなんだが…
さとみさんが水晶玉へ触れると緑と黄の結晶が強く輝き、次点で赤、青と光る。
2色が強く輝いたことにソルトさんはアゴが外れてんじゃねぇのかって程に口を開けている。
「さ、サトミ様!サトミ様は大魔法使いでらっしゃるのですかな!!!!」
「い、いいえ!ち、違いますよぉ!」
「素晴らしい!素晴らしいですぞ!前代未聞!この世のどこを探してもこれほどまでに魔法適正に恵まれた方など居りませぬ!」
尋常じゃない興奮を始めたソルトさんと困惑し混乱し始めたさとみさんを3人で止める。
すると落ち着きを取り戻したソルトさんは状況を理解したのか即座に土下座する。
「取り乱してしまい申し訳ございませぬ…」
「い、いえ!頭を上げてください!」
そんなやりとりが5分ほど続きようやく俺の番となった。
どんな適性がくるのか最早予測ができないが覚悟を決めて触れる。
俺が水晶玉に触れるが他の3人と違いすぐさまには光らなかった。
「う、嘘だろ!?なんで光らないんだ!?」
そう叫んだ瞬間だった、じんわりとゆっくりと結晶が光り始め、順に青、緑、黄、赤と光っていく。青が最も強く、緑と赤が同程度、そして黄か…
パニクったな…俺の適性は"水"か。自由度の高い魔法適正だと思う。これからうまく使えればいいのだが…
にしても、"大地"なのに土の適性が無いなんてな…洒落が効いてやがるよ…
おまけ
その頃の聖霊皇たち
水「おう!お前ら!あの勇者くん達、魔法適正見るってよ!加護でもやろうぜ」
火「イイっすね!勇者って呼ばれてるんですし、加護やって軽く無双させるのも面白そうッスね!」
土「フンッ、いいだろう見てやろうか」
木「な〜に気取ってるんですか土の?あなただって気になって仕方ないクセに?:
土「う、うるさい木の!」
〜聖霊皇えつらんちゅう〜
水「おい、火の。お前何で最上級の加護やってるんだよ」
火「いやーなんかあの子気に入っちゃったんスよ!」
水「そこで傍観気取ってる土の!テメェもだ!」
土「い、いやな…あの娘がノーミードに見えてつい…な?」
水「何がついだコノヤロー!」
木「まぁまぁ、落ち着いてください水の」
水「テメェも土のと同罪だろうが!あのサトミって娘エライ事なってるぞ!」
木・土「「あの子が生前のタイプどストライクだった。反省はしているが後悔はしていない!!」」
水「ふざけんなッ!!」
木「そういう水のや火のも確かあの手の娘はタイプだったのでは?」
水「俺にはウンディーネがいるからな」
火「俺にはドジっ子アルマちゃんがいるッスからね」
木・土「「この裏切り者共めッ!」」
水「ってかこの男の子に誰か加護やった?」
一同「「「「えっ?」」」」
水「おいバカ!急げ加護付けてやれよ!」
木「あなたもでしょうよ!早く加護あげないと!」
土「ええい!何をやっておるのだ!」
火「うわぁ!さっさと加護あげるっス!」
〜〜大急ぎで加護授け〜〜
水「な、なんとか間に合ったな…」
火「そ、そうッスね…下手をすれば絶望を味わわせちゃうところだったッス…」
木「そう言えば土の?あなただけあの子にあんまり加護を授けてませんでしたね?洒落でも効かせました?」
土「…あの小僧に土の強い加護を授けてはそのうち会した時にノーミードに悪い虫がつくと思ってな」
大地の水晶玉がしばらく光らなかったのにはこういう裏話があったとか無かったとか…
余談ですが、この世界の人々の魔力適正は基本ランダムです。たま〜にこうして聖霊皇たちが加護と称して強い適性を授けては暇つぶしをしてたりします。




