剣?
い、いったい何がどうなってるんだ!?
一ヶ月かけてようやく1000増えるかどうかだったUAがこの一週間だけで1000増えて合計10000UA突破しました!
ありがとうございます!
〜薫side〜
あたしは佐々木 薫、ピチピチの18歳で文武両道!今をときめく華の女子高生!
…だったんだけども、ひょんな事から幼馴染の志賀 大地やクラスメイトのさとみちゃん、大地の従妹の美沙ちゃんとともに異世界に飛ばされちゃったみたいなの…
今あたし達はあたし達を召喚したガルア帝国の帝都を見て回っているの、流石は異世界と言わんばかりに摩訶不思議な物ばっかりね…
ドワーフやエルフなんかがいたりするあたり最初はびっくりしていたんだけど、結構普通にいるからなんだかもう慣れちゃったわ。
「薫?どうした、疲れた顔して?眠れてなかったか?」
今声をかけてきたボサッとした黒髪で、パッと見ちょっと鈍臭そうなのがあたしの幼馴染の大地。変なところに気がつく癖に肝心なところに気がつかない、普段は何考えてるのか分かんないけどいざという時頼りになるヤツ…っとコイツの紹介はここまでにして…
「いえ、なんでもないわよ!ちょっと驚き疲れちゃってね」
「まぁそれもそうか、俺もさっきからみた事ない物や人ばっかりで驚きっぱなしだからな」
「ダウト」
「んなっ…!」
嘘ね、コイツは結構考えが顔にでるから本当に驚いてたらもっと分かりやすいわ。そしてなんでバレたのに驚いてるのよ?
「全く、大地は考えが顔に出やすいんだから分かるわよ」
「んなつもりねぇんだけどなぁ…」
「そんな事よりも、屋台みてまわりましょ!」
「そうだな」
アンナさんって侍女の人から貰った銀貨でどれだけ買えるのかわからないけど、異世界のお店なんだから、楽しまなくっちゃ損よね!
〜大地side〜
なんか良いようにあしらわれた。解せぬ…
それはさて置き俺たちは色んな屋台を見ていた。
焼き鳥?みたいな串焼きを食べて見たり、ドワーフのおっちゃんのやってる細工物屋だったり魔道具屋だったり、中には魔法で冷やした果物をさらに魔法でジュースにしたものを売る店があったりと見て回るだけでも面白いな。
そんな中、ふと武器屋と思われる店の前を通りがかった。
「お?そこのニイちゃん!そうそうアンタだよ、美人さん3人も連れたニイちゃん!ちょっと武器を見ていかないかい?女を護れなきゃあ男が廃るってもんさね!さぁさぁ、見ていくだけでもいいから来ておくれよ!」
へんなドワーフに絡まれた…ってか酒臭ッ!!!
「ちょっ!おっさん酒臭ぇよ!わかった見て行く!見て行くから離してくれ!」
「おお!そうかいそうかい!そうこなくっちゃな!」
「ちょっと大地!どこ行くのよ!」
「悪い!アンナさんと待っててくれ!すぐに行くから!」
おっさんに強引に腕を引かれ店に入ると壁や棚には様々な武器が一面に飾られていた。槍、ハルバード、三叉槍、長剣、短剣、ナイフにメイスや弓などなど、流石は武器屋といったところだろう。
「ニイちゃんニイちゃん、アンタにゃ剣だろうよ、どうだい?」
ドワーフのおっさんがそういって差し出してきた剣を手に取り…まてよ?
「おっさん、なんでアンタ俺が剣だと思ったんだ?」
「そりゃあニイちゃん!俺が武器屋だからさ!それに、ニイちゃんの手のタコを見りゃあ分かる奴は分かる、ニイちゃんは両手剣を使うんだろう?」
そういってドワーフのおっさんは俺の手を指す。なるほど、伊達に武器屋じゃねぇわけか。強引に連れてくるもんだから詐欺かなんかかと心配したが、そんなことはなかったみたいだな。
俺は納得するとドワーフのおっさんから渡された剣を抜く。
剣は110cmくらいの長剣で外観は他の長剣に比べやや細身で鋭利な鋒をしている。刀身は青い輝きを放つ金属でできている。鍔は短めの十字鍔で柄頭はこの類の剣にあるはずの膨らみが無く、スッキリとしたフォルムとなっていた。鞘と柄には藍色の革のようなものが巻かれており、かなり手に馴染む。
魅入られるような青い輝きの刀身を見つめているとドワーフのおっさんが得意げに
「どうだ?ニイちゃん、いい剣だろう?」
「ああ…すごいな」
「コイツは鋼を芯にして外側を水の魔鉄で覆ってあるんだ、水の魔鉄のおかげで錆びることは全く無いし水の魔法の増幅も期待できる逸品でな、どうだい?買ってかないか?」
「欲しい…が、俺はいま持ち合わせが銀貨3枚しか無くてな…」
「そんだけありゃあ充分よ!銀貨3枚で売ってやるさ!」
「ほ、本当か!?あとで返せとか言うなよな!」
「あったりめぇよ!ほれっ!持ってけドロボー!」
「おっさんありがとう!」
俺はホクホクしながら店を出た。
〜ドワーフのおっさんside〜
「いや〜ひっさしぶりにあんなに素質のある若者を見たわい!」
あのニイちゃんに売った剣は実は魔鉄だけを使った刀身にノーム様に頂いた海龍の革を使い俺が久々に拵えた逸品で金貨30枚は下らない代物だったが、アレだけのニイちゃんに使って貰えるんだ、何処ぞのボンボンに蔵の肥やしにされるよりかはいくらもマシだったろうて…
あのニイちゃんだけじゃない、連れの美人さん3人も見て取れるだけの確かな素質の持ち主だった。
「お、大親方!何してるんですかい!」
ん?小僧っ子どもが帰ってきよったか!
「馬鹿野郎!オメェらがしっかり店番してねぇから俺が出てきたんだろうが!」
「へ、へい!申し訳ありません大親方!」
「全く、これじゃから若いモンは…おうオメェら、ワシはこれからノーム様の所へ参ってくる。暫くは戻らんからな!次はこんな体たらく無いようにしておけよ!」
「「「「へい!大親方!!!」」」」
さて、ノーム様の話の種もでしたし、聖霊皇様への御目通りも願ってみるとしようかの。
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