神の啓示
かなりご無沙汰してます。
申し訳ありませんがもうしばらくは投稿が不安定になりそうです…
それは冒険者を送り出した15日後の昼であった。
【我を信じ我に従い我にこうべを垂れる民達よ、土の神たる我が天啓を下す。遥か南西に大いなる土の試練出でたる、これを制す者我に招かれ我の眷属とならん。これを遮らん者大地の怒りに触れる。これを邪なる瞳で挑みし者、大いなる力の前に消え去る。汝らこれを守りこれを信じこれに従え】
突如神殿全体、ひいてはデルシア王国の殆どの地域にわたって響いた神の御声は王国を震撼させていた。
何故ならばこれまでこのデルシア王国では建国より一度も神からの干渉が無かったからである。
「おいおい何がどうなってやがる!」
「神の御声を聞けるなんて…」
「落ち着いてください皆さん!我らルドア教を信じれば神の怒りは起こりません!我ら火の神が…」
「何を言うか!火の神ごときに土の神の御力が防げるわけがなかろう!ここは我らウイドル教をですな…」
「我らマディア教では今日を神の日とし、我らが土の神を祭り大いなる恵みを齎していただくと同時に怒りを鎮めていただき…」
街には人々が驚き戸惑う声と宗教関係者達の自身の教えを信じるべきという叫び声がこだましていた。
「ええい!大臣共は何をやっているのだ!はやく神官共を呼びこの啓示の正き意味を探させろ!」
「お、おお落ち着いてください閣下ぁ!神官様達はもう取り掛かっておりまする!大臣殿ぉ!はやくしてくだされぇ!」
「閣下!これは何が起こっているのです!我が領民達は不安に揺れています!」
「そうですぞ閣下!…」
「大臣共は何をしている!早々に対応させろ!」
「しかし閣下!あぁ大臣殿〜!」
その頃城も混乱の中にあった。突然の啓示に大臣達は頭を悩ませ会議をし、貴族達はこの事態に何があったかと王城に押しかけ王は大臣達の不在に押し寄せる貴族達の対応に追われる…
まさに王国中が混沌としていた。
そんな中、ある一団が王都へと帰還した。それは丁度15日前に出発した冒険者達である。
満身創痍の彼らは混乱した街の様子に戸惑いながらも役目を果たすべく王都のギルド本部へと向かう。
「俺達は15日ほど前に魔物の調査に向かったパーティ達だ!途中断念した連中はいないが残り探索をした20パーティがここにいる!報告と報酬を受け取りたい、ギルド長は何処にいるか!」
背中に赤鋼の長剣を背負った人間の冒険者が言う。
「ハ、ハウンドさん!それにパーティ白い闇の皆さん!生きていらしたんですね!」
「おお!冒険者達が帰ってきたぞ!」
「生きていたかお前ら!多くのパーティが途中断念して来たから生還の見込みは殆どないと思っていたのに!」
先ほどまで混乱していたギルド本部だったが件の場所へ行ったと思われる冒険者達の帰還に落ち着きを取り戻し、帰還した者達の無事を祝い沸いた。
「ああ、みんなありがとう。それでギルド長は何処に?」
報告のためギルド長の居所を聞くハウンド達に1人のギルド職員の男が話す。
「ああ、ハウンド達は知らないかもしれんが実は今日"神からの啓示"が降った…」
男はハウンド達に起こった事の次第を話した。それを聞いたハウンドはギルドのみんなに自分達の調査結果とゴルドの考察、そしてハウンドの剣を見せながら話した。
「まさか俺らが出払った間にそんなことになっていたとはな…」
「ああ、となるとハウンド達が行ったのが啓示にあった『土の試練』ということか…」
「とにかくここで考えていても仕方がない、俺らはこれからギルド長に報告をするために王城へ向かう。半分の10組のパーティを念のためここに残しておく、彼らの手当てもやってくれ。よし!みんな行くぞ!ランク4以下のパーティ10組はここに残り手当てを受けてくれ!」
ハウンドはそう言うと残りのパーティと共に王城へと向かう。
彼がこの国の在り方を変えてしまうとも知らずに…
ハウンド達が王城に到着したのはそれからしばらく後の事だった。
「俺らは南西の森へと調査に行っていた冒険者達だ!俺は白い闇のハウンド!大至急ギルド長及び大臣様達に面会を求める!」
門番にそう言うと門番は城へ確認へと向かう。ほどなくして門番が戻ると
「確認がとれた。至急大会議室へと案内させるからそこで報告を行ってくれ」
「ああ、ありがとう。行くぞみんな!」
ハウンドがそう言うと他の冒険者達もそれに続き王城へと入る。
大理石ででき豪華な調度品や金でできたシャンデリアの煌びやかな広い大会議室では似つかわしくない怒号が飛びかっていた。
おまけにですが、啓示の現代語?訳。
【はいはーい俺の話し信じられるひとだけ聞いてちょ、俺こんど南西にちょっちテスト作ったんよ。合格した奴は俺ん家招くからよろ。でも邪魔したり景品掠め取ってく野郎どもはぬっ殺すからな、んじゃこれ信じた人で来れる奴はよろ】