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俺らはあの日、聖霊皇になった。  作者: スペアリブ
火の聖霊皇編
16/79

巫女の御披露目 3

水の聖霊皇のにアルマちゃんを御披露目した次の日。火の聖霊皇とアルマは最後の聖霊皇である"木の聖霊皇"のところへ向かっていた。


「さてアルマちゃん。いよいよ自分ら聖霊皇最後の1人ッスよ〜」

「確か…木の聖霊皇様でしたよね?」

「おお〜、さすがはアルマちゃん。ご名答ッスよ〜」

「エルフの国の事は村にいた時に聞いたことがあったので…エルフの国には木の神様が住んでいるって」

「あ〜、そういえばあいつも神様として祀られてたような気がするっすよ」


そんなやり取りをしていると程なくして下の方に緑に包まれ、中央に巨大な木の生えた大きめの島が見え始めた。


「さぁこれが木の聖霊皇の住む島。"ズィール島"っすよ〜。あの真ん中のバカでかい木が木の聖霊皇がこの地上に降りた時に生えたっていう"始まりの世界樹"っす」

「"始まりの世界樹"…あれが…」

「およ?"始まりの世界樹"知ってたっすか?」

「当たり前じゃないですか!あの木の葉っぱから作った薬はどれもこれもが一級品で万病を癒すって言われてるんですからね」

「ヘェ〜、人間とかにはそんな効果があるんすか。自分らからしたら香りのいい葉っぱってだけであんまり大した効果無いんすよ〜」


丁度島の上空に差し掛かる頃、火の聖霊皇達に向かって正面から何かが飛んでくるのが見える。

どうやらかなり巨大な鷹に乗ったエルフ達のようだ。彼らは火の聖霊皇達の前に来ると先頭のエルフがこちらに向かって叫んでくる。


「ここは木の神より賜りし我らが国なり‼︎木を燃やし森を焼き尽くす火の竜よ‼︎即刻に立ち去れ‼︎」


エルフ達の言いように驚いたアルマは怯えて火の聖霊皇にひしっとしがみつくと鱗や角の間に体を隠した。

火の聖霊皇はその様子にやや驚いたものの動揺はせず、抑揚の無い、しかしとてつも無い圧力の篭った声でエルフ達に語りかける。


【エルフ共よ、貴様ら誰に対して口をきいている?】


そのただならぬ圧力、迫力、そして圧倒的な存在感からくる覇気とも呼べるものをまともにくらったエルフ達は動揺し、怯えるも、先頭のエルフだけは勇気を振り絞ったかこちらをまだ見据えたまま叫ぶ。


「知るとも!貴様ら飛竜は我らの森を焼く邪悪な存在だ!皆!怯むな!我らが森のために!」


かなりの上から目線の最初の叫びでも十分に火の聖霊皇の逆鱗に触れていたが、二度目の叫びの「邪悪な存在」の一句にだいぶ頭にきた火の聖霊皇はエルフ達をまるでゴミクズを見るような目つきでもう一度語りかける。


【貴様ら、末端眷属共の分際でよくも我と敵対しようなどと考えたものだ…その勇気に敬意を表して…焼き尽くしてやろう!】


そう言うと獄焔の如きブレスを吐くため大きく口を開けた火の聖霊皇はその口に何処からか飛んできた巨大な丸太を咥えさせられた。


【全く、こちらが悪かったのはわかりますが何も焼き尽くそうとすることは無いでしょうが】


呆れたような声とともにエメラルドグリーンの鱗に大樹を思わせる角を誇示した"一柱"の聖霊皇が始まりの世界樹より現れた。


【頭に来たものは仕方ない。お前だって蚊に刺されれば相手がどれほど矮小でも頭にくるだろう?】

【私は頭には来ません、あなたは少し短気すぎるのですよ。さて、お前達。彼は私の客だ、無礼を働いてはいけません】


そう木の聖霊皇が言うとエルフ達は情けない声を上げながら国へと帰っていく。


【さて、あなたが初めてですよ。私のところへ訪れた聖霊皇は。用件は何でしょうか?】

【いやぁ、こんなとこで話すのもアレだから取り敢えず降りるところ無いっすかね?】

【それもそうですね、ならば私の住処へと案内しましょう。】


そう言うと二柱と一人は"始まりの世界樹へと降りていくのだった。

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