火の巫女
本日投稿2話目です。
作品の1話ごとの確認と訂正を入れてからなろう様に上げているのでだいぶ間隔が空いてしまうかもしれません。すみません。
2017/11/10
誤字報告いただきましたので、訂正させていただきました。
4人へ処分を言い渡したのち、アグニにあの子を連れて来てもらい今後どうしたいかを聞くことにした。
「さて、それじゃあ君はこれからどうしたいっすか?」
「は、はい…私は…私はもう村には戻りたくないです…なので…ここに居させては貰えないですか?一生懸命働きます!やれる事なら何だってします!だから…だから!」
「…そうかい、そこまで必死に言われちゃ断れないっスね…いいよ。ここにおいてあげよう!」
「本当ですか‼︎ありがとうございます!」
「ただーし!」
「…但し?」
「これを着てお仕事してね」
そういって自分が取り出したのは眷属達と自分が力を注いで作った特製の「巫女服」これは何と着ているだけで火の加護が貰える上にこの子に危険が及べば俺らに伝わるし、尚且つこの巫女服を着ていれば様々な火系統の魔法使い放題というチート性能!それを説明すると女の子はまた「きゅぅ…」と小さく呻くと気絶してしまった。何が悪かったのだろう…?
女の子は起きたのちアグニにより着替えさせられると、自分の眷属たちに紹介するため改めて自己紹介してもらう事となった。(引きこもりのヘスファイトスを引っ張り出すのは苦労したっすよ…)
「え…と、あらためまして…〈火の巫女〉となりました。"アルマ"といいます。聖霊皇様や眷属の方々にはお世話になりました。これからもどうかよろしくお願いします」
みんな拍手で迎えると自分も含めて簡単な自己紹介をする事となった。
「じゃあこちらも改めて、自分が四大元素の火を司る"火の聖霊皇"っすよ」
「なら次は私ね、私は"炎の不死鳥アグニ"よ、改めてよろしくねアルマちゃん」
「吾輩は"龍王ドラゴン"よろしく頼むアルマよ」
「私は"火の妖精王イフリート"あぁ…そんなに怖がらないでくれ、私は危害は加えないよ」
「ガッハッハお前は紳士じゃが見た目がそれではのぉ。さてお嬢ちゃん、ワシは"造物主キュクロプス"なにか欲しいものがあれば遠慮なく言ってくれよ。何でも作ってやろう!」
「五月蝿いキュクロプス…俺はヘスファイトス…"鍛冶神ヘスファイトス"…武器が欲しければ…言え」
こうして全員の自己紹介が終わると早速歓迎会として火山の恵みたっぷりの野菜や果物、肉なんかを使った料理を食べ、眷属特製の酒を飲み一晩楽しく過ごしたのだった。
翌日、アルマは目覚めると自分の雇い主となった聖霊皇を起こしに向かう。「火の巫女」という仰々しい名前の仕事を与えられたもののやる事と言えば主に聖霊皇の世話や眷属の手伝い、人と妖精達の間の橋渡しなんかだったりする。
「聖霊皇様、起きてください。朝ですよ〜」
「んん〜…あと5分…」
「だめです!朝です!起きるのです!」
「んぅ…わかったっすよぉ…」
「はい、おはようございます」
「ん、おはよう」
「朝ごはん出来てますよ、眷属のみなさんもそろそろ起きていらっしゃいますよ」
「ん、ありがと」
アルマは起きたのを見届けると食堂へと向かう。
その時、火の聖霊皇の頭に電撃が走る!
「巫女さんにお世話してもらって起こして貰えるとか自分超ラブコメってねぇっすか?これは?まさか?自分の時代がキターーーー‼︎」
それに気づいた聖霊皇は圧倒的優越感を感じる。一刻も早く他の奴ら(聖霊皇)に自慢したい。しかし自慢すればボコられる…
自分の雇い主がそんなアホくさい葛藤に苛まれているとはつゆ知らずアルマは眷属と共に朝食をとっていた。
「あれ?アルマちゃん、ご主人は?」
「聖霊皇様ですか?起きていらっしゃいましたよ?」
「それにしては遅いわねぇ?何かしたのかしら?」
「さぁ…?でもすぐにいらっしゃると思いますよ」
「そうね、ご主人さまはねぼすけさんだしね」
そんな他愛もない話に花を咲かせ朝食を食べているとようやく葛藤から抜け出した聖霊皇が起きてくる。
「あ〜、みんなおはよう。遅くなってごめんね」
「いえいえ、何事かとは思いましたが結局のところ主人殿は何てことなく起きて来なさるのだから」
キュクロプスが答える。もう眷属のほとんどは朝食を取り終えた後だというのに全員が聖霊皇の起床を待っていた。
「いゃあ、ありがとう。さて、自分もいただくとしよう」
そして朝食を終えると眷属が聖霊皇に報告や相談を始める。
「先ずはワシとヘスファイトスから報告が、聖霊皇様が人の御姿の時にお召しになる服そしてら鎧と剣が完成いたしました。これに関しましては後ほど暇ができましたらいらしてください」
「わかったっすよ。ありがとう、楽しみにさせてもらうっす」
「次は吾輩よりご報告がございます。麓の"竜の森"からで昨日までに800を超える卵が孵り、そのうちの全てが無事に生きているとの事。内訳といたしましては400がワイバーン、200が飛竜種、150が地竜種、残りが古龍種です」
「おお〜遂にタマゴシーズンっすか。了解、今日明日中には視察に行く。ドラゴンその時は共を頼むっす」
「承知致しました、我が主人」
どうやらまた忙しい1日が幕をあけるようだ。
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