始まり
新しい人生が貴女に与えられたら貴女はどう過ごしますか?
35歳のワガママ、自己中、非常識な元風俗嬢の妻との話を書いていきます。
楓と僕は風俗嬢とお客という始まりでした。
僕は彼女と別れただ話し相手が欲しくて彼女の店にフリーペーパーを見て電話をした。
ママ: お電話ありがとうございます♪ハニーズです!
一瞬…女性の声にドキっとしながらも僕は話を始めた。
僕: 女の子をお願いします…
ママ: ありがとうございます!お客様、初めてのご利用でしょうか?好みの女の子はお決まりですか?
僕: 楓ちゃん…いますか?
ママ: 楓ちゃんは20分後でしたら案内できますよー!
などとやりとりをして、自宅と、凡その金額を確認し、電話を切った。
部屋に彼女以外をあげるのは初めての事で、緊張しながらもとにかく話が誰かとしたかった。
ピンポーン
時間があっという間に経っていてアパートのチャイムが鳴った。
ドアスコープを覗くと、顔を見ることはできなかったが、ショートカットの女性が見えた。
ドアを開けた時に彼女に恋をしてしまった。
ショートカットが似合う、幼い顔の彼女。化粧も派手ではなく、何より瞳が美しい女性だった。
楓: お待たせしてごめんなさい♪鍵はかけていいですか?
ニコッと微笑んで鍵をかけ、ブーツを脱ぎ始めた。
慌ててリビングに案内し、時間と金額を確認し、彼女は慣れた様子でお釣りを出してきた。
僕: お釣り…持って行っていいよ。
楓: えー!ダメです!もらえないんですよー…気持ちをもらうね!
じゃあ、電話しますね。
…お疲れ様です!100分で頂きましたー。お願いします!
電話を切った楓に僕は身の内を話始めた。
楓は小さく頷いていた。お風呂を促されたが、僕は話をしたいだけだ。と突っぱねてしまった…。
カッコつけたいではなく、目の前の楓に手を出す事ができなかっただけだった。
帰り際、
楓: これ…私のプライベートの携帯番号だよ。話だけなら聞くから、また良かったら連絡してね。
私、貴方なら話を聞いても不快じゃないんだ…。
僕: え………。わかった。ありがとう。気をつけて帰ってね。
そう言った時、彼女が寂しそうに笑うと迎えの車に乗り、夜道に消えていった。
彼女に電話したのはそれから二週間後になっていた。