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不思議なカフェ

作者: 玉篠
掲載日:2014/04/13

これは、私が見た夢を元にした物語です

何処かの街の裏通り

路地をいくつか曲がった先に、そのカフェはある

 

おそらく戦前に建てられたであろう、洋風の建物

カラン…

と、カウベルのような音がするドアを開けて中に入る

明るい店内には、いつもロマンスグレーの髪の、英国紳士のようなマスターがいて

香り高い紅茶を淹れていた

 

余り珍しくない

ごく普通のカフェ

ただし、他のカフェと違うのは、店内に多くのタンスが置いてある事だった

 

タンスは、作りも大きさもバラバラだ

真新しい箪笥もあれば、細かな彫刻が施されたアンティーク風のチェストもある

一見タンスに見えるライティングビュローもあれば、金具が豪奢な仙台タンスまである

 

それらのタンスが、何故そこにあるのかわからないが…

埃一つなく磨きあげられたタンスは、上に乗せられている本やランプと共に、独特の雰囲気を醸し出していた

 

私がそのカフェに通いだしたのは何時からだったのか。

今となっては忘れてしまったが

気づけば毎日のように、通っていた

 

 

どれだけカフェに通っただろうか

ある時、私は、マスターから小さな鍵を渡された

マスターは言った

「 それはタンスの鍵ですよ 」

 

見れば、店内のタンスには、それぞれ小さな鍵穴が付けられていたのだ

それは、天板だったり、棚を支える横板の隅だったり

様々な場所に、目立たないようにもうけられている小さな鍵穴

 

思い立って、もらった鍵を一つのタンスの鍵穴に挿し込み、軽く回すと…

引き出しになっているはずのタンスの前面が音もなく開いて

奥に別の空間が現れた

浅い奥行きのタンスには似使わない…

そこそこの収納量の空間だ

 

私は一つのタンスのとある空間に、あるものを入れた

そして、カフェに来る度に取り出して

カフェの中だけで使っていた

 

 

ある日

いつものようにカフェに行き、いつものタンスの鍵穴に鍵を入れて回したのだが…

中にあるはずの物がなくなっていた

 

別のタンスと間違ったのか

と、思って

いくつかのタンスの鍵穴に鍵を挿し込んでみたものの、どのタンスの中も空っぽ

 

助けを求めてマスターの方を見たが…

マスターは、ちらりちらりと私の方を見るだけで、何の助言もしてくれないのだ

 

躍起になった私は、更にいくつかのタンスの鍵穴に鍵を挿し込み、開けてみた

でも…

どれも空っぽか、私が入れていたのは

 

その時、ふと気付いた

 

私…

そこに何を入れていたんだっけ…

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