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6月22日(金) 要桃子、お泊り

 6月22日、金曜日。


 おはようございます、要桃子です。

 今日は雨が激しいですね。雨の日は駅までパパの車で送ってもらいます。

 じめじめとした空気の中、電車で読書。

 自分の容姿に自信のない女の子が、意中の彼に振り向いてもらうために怪しい薬で美少女に変身しますが、容姿が変わっただけで目の色を変える男に失望して、結局元の姿の自分を好きになってくれる人を探すというお話です。

 そういえば昨日の偽なぎさちゃんは、一体なんだったんでしょうか。

 自分の容姿に自信を持ってたみたいですけど、私は見た目だけで人を判断するような陳腐な女になるつもりはないんです。

 そんなことを考えているうちに電車が高校近くの駅につきました。

 電車から降りて、改札口のあたりでさなぎちゃんを待ちますが、一向にやってきません。

 昨日の水泳で水を大量に飲んだらしくかなり辛そうだったから、ひょっとして今日は休むのかな? さなぎちゃんの携帯に確認のメールを送信して、傘をさして高校へ。

 それにしても今日は静かですね、たまにはこういう静かな通学路っていうのも、風流でいいと思います。

 ……いや、静かすぎる。段々と寂しくなってきました。

 寂しさに耐えながら、高校へ到着。

 おかしいですね、生徒が全然見当たりません。

 下駄箱へ向かうと、私が一番乗りのようです。おかしな話ですね、もうすぐ朝礼が始まる時間だと言うのに。

 下駄箱で上履きに履き替えている途中で、携帯電話が震えます。さなぎちゃんのメールです。

 メールを確認すると、



『ごめん桃子、連絡網伝えるの忘れてた。今日警報出てるから学校休みな』



 携帯電話を見ながら私は震えます。酷いよさなぎちゃん。

 学校が休みになったなら仕方がありません、来た道を戻って駅へと向かいます。

 元々警報が出ているくらいなので雨は激しかったのですが、ここにきて益々豪雨になりました。

「ぶべっ!?」

 突如体に大量の水がかかります。何事かと思って辺りを見ると、どうやら後ろから車が猛スピードで走ってきて、水しぶきが私にかかってしまったようです。酷い。こんな豪雨にあんなスピードで運転するなんて何を考えているんでしょうか……くしゅん。

 ああ、早く帰ってお風呂に入りたい。お父さんは私を送ったあとそのまま仕事に出かけたし、地元の駅についたらタクシーを使うしかありませんね。服がびしょびしょで色々透けてしまいましたが、この豪雨で辺りに人が全然いないので見られる心配がないというのが救いでしょうか。寒さに耐えながら高校近くの駅へと行きましたが、

『現在激しい豪雨により運転を見合わせております』

 駅前で絶望します。そんな、私帰れない。

「……くしゅん」

 ああ、ものすごく体が冷えてきました。どこかお風呂を貸してくれそうなところ……そうだ。



 巨大な扉の横にあるインターホンを押すと、モニターになぎさちゃんの顔が映って声がします。

「はいはいどちら様ですか……って要さん、どうしたのさ水浸しで。ちょっと待ってて、タオル取ってくる」

 そう、私がやってきたのはなぎさちゃんのお家です。扉が開いて、バスタオルを手にしたなぎさちゃんが出てきました。ダサい私服ですね。

「なぎさちゃんに頼むのは屈辱ですけど、お風呂貸してください」

 玄関で体を拭きながら頼みます。

「はいはい。お風呂まで案内するよ。今日学校休みだって知らなかったの?」

「さなぎちゃんが連絡網回すの忘れてたんですよ。車に水浸しにされるし電車は動かないしなぎさちゃんの私服はダサいし厄日です」

「そんなにダサいかな……?」

 外出する用事がないからって油断してダサい服を着て、突然の来客で醜態晒すなんてなぎさちゃんらしいです。

「それじゃ、ごゆっくり。お風呂入ってる間に着替え置いておくからね」

 なぎさちゃんに案内されてお風呂の前へやってきました。

 ここがいつもなぎさちゃんが使っているお風呂ですか、どうせロクにお風呂掃除もしていないから汚いのでしょうけど、使わせてもらってる身ですし我慢しましょうと脱衣所で服を脱いで風呂場へ入り、

「な、何ですかこのお風呂!」

 思わず叫び声をあげてしまいます。お風呂場が広いのであまり声が反響しませんね。

 高級ホテルの温泉みたいです。お風呂は広いし、ライオンがあります。あのお湯を出すライオンです。

 なぎさちゃんの癖に毎日こんな立派なお風呂に入ってるんですか、贅沢すぎますよ。

 ……と思ったけど、広すぎますね、このお風呂。

 広ければいいってもんじゃないと思います。

 少し寂しい思いをしながら体を洗って湯船に浸かって、のぼせてきたところであがります。

 脱衣所にはタオルと着替えが用意されてありました。

 ……ちょっと待ってください、つまりこれはなぎさちゃんが脱衣所に入ったってことですよね。私が脱いだ下着とか見られたってことですよね。

 まあ、なぎさちゃんはヘタレですし考えすぎですよね。用意してくれた服に着替えて廊下に出ると、なぎさちゃんが待機していました。

「着替えはさなぎが小学校の頃着ていたやつだけど、きついかな? 悪いけどブラジャーは持ってないから、自分で乾かしてね」

「うう、背に腹は変えられませんね」

 今現在私はノーブラでなぎさちゃんの前に出ているわけです。自意識過剰なのかもしれないけれど心なしかなぎさちゃんがいやらしい顔をしている気がします。

「ご飯とか作っておくからその間に制服とか乾かしておくといいよ。リクエストはある?」

「パスタが食べたいです」

「あいよ」

 なぎさちゃんは鼻歌を歌いながらその場を立ち去ります。

 私は制服やら下着やらをドライヤーで乾かしたり携帯電話で親に連絡しながら、意外となぎさちゃんって気が利くんですねとちょっとだけ見直してみたり。ちょっとだけですよ。



 乾かし終えた私は、遠くから漂う美味しそうな匂いのする方へ。2分ほどで食堂へつきました。

 お風呂場と食堂まで歩いて2分かかるとかどうしようもないですねこの家は。

「あれ、要さんよく迷子にならずにここがわかったね。できたら迎えに行こうと思ってたのに」

 丁度食器を並べていたなぎさちゃんな私を見て驚きます。

「私の嗅覚をなめないでください」

 ふふん、と私は勝ち誇った顔をするけれど、なんだか嗅覚がいいって女の子としてはあんまり自慢できない気がして途端に恥ずかしくなってしまいます。

「というわけでアサリのスパゲッティだよ」

 私の前にパスタが置かれます。美味しそうです。

「いただきます。……今時スパゲッティだなんて女の子に笑われますよ、パスタですパスタ」

 ちゅるちゅるとパスタをすすりながらなぎさちゃんを笑います。ソースが散る。

「スパゲッティとパスタって別物じゃないの?」

「さあ?」

 パスタの方が響きがかっこいいから私はそう呼んでますけど、実際どうなんでしょうか?

「ちょっと調べたけど、電車は当分復旧しそうにないね。この豪雨じゃタクシー呼んでも来てくれないし、何より危ない。最悪泊まる羽目になるかもね」

 なぎさちゃんが食堂にあったテレビをつけて困ったように呟きます。

 テレビのニュースでは、線路の上に大量に木が倒れているシーンが映されていました。私がお風呂に入っている間に更に雨は酷くなっていたようで、この豪雨では作業も難しいとのことです。

「え、なぎさちゃんの家に泊まるんですか、嫌ですよ」

「贅沢言わないの。はっきりいってこの雨じゃ外に出るのもまずいレベルだよ」

「背に腹は変えられませんね……ごちそうさまでした、美味しかったですよ」

 悔しいですけどなぎさちゃんの料理の腕は認めてあげないといけませんね。立派な主夫になれると思います。

「お粗末様でした……ソース飛び散らせ過ぎだよ。で、これからどうする? あんまりこの家、要さんの好きそうなものは置いてないけど」

 食器を片づけながらなぎさちゃんが問いかけます。

「うーん、またプールで泳ぐのもいいですけど水着ないですしね……そうだ、この部屋来る途中にシアタールームってのありましたよね」

「ああ、あれか。あんまり要さんの好きそうな映画はないと思うけどなあ」

 食堂を出てシアタールームへ。映画館にあるような大きなスクリーンに私は目を輝かせます。

「この設備だけで私の家が買えそうですね……」

「要さんの好きそうな映画ねえ……ケータイ小説原作の恋愛映画があるけど」

「あんまりケータイ小説好きじゃないんですけど、たまにはいいかもしれませんね」

 大きなスクリーンでなぎさちゃんと一緒に映画を見ます。

 援助交際して性病になって死ぬなんて自業自得な話を、ここまで大風呂敷広げて感動的なストーリーにできるのは素晴らしいですね、内容はともかくその手法に感動しました。80点。

「まだ3時か……どうする? もう1本見とく?」

 映画を見終えたなぎさちゃんは時計を確認する。映画のラインナップはそれなりに面白そうなのがあったけれど、

「眠たくなってきたのでお昼寝したいです。ご飯できたら呼んでください」

 学校では眠らないように心掛けている分、休日はどっと眠気が襲ってくる。

 暗い部屋で映画を見たことで私の眠気は限界。本当なら映画を見ている途中に寝ようかと思ったけれど、流石になぎさちゃんに失礼なので我慢していたのだ。

「わかった。さなぎの部屋覚えてる? そこのベッド使ってね」

「ふぁい」

 さなぎちゃんの部屋に向かった私はそこのベッドにダイブする。

 ふかふかでいいベッドです、これならすぐにでも眠れそうです……くー。



 さっき見た映画の影響でしょうか、夢の中であろうことか私は売春婦をしてました。

 そんな私を哀れに思った王子様のなぎさちゃんは私をメイドとして雇います。

 そして気づけば私は下剋上して女王様になり、なぎさちゃんは奴隷になりました。

 はいつくばって私の足を舐める、メイド服姿のなぎさちゃんはすごく幸せそうです。

 めでたしめでたし。

「ってふざけてるんですか!」

「うおっ……いや、ご飯できたから起こしに来ただけだけど……」

 酷い悪夢を見てしまい汗まみれでベッドから跳ね上がると、丁度なぎさちゃんが私を起こしに来ていたようで驚いています。

「女の子の寝込みを襲うなんて最低ですね」

「なんでそんなにカリカリしてるのさ、寝起きは機嫌が悪いタイプ?」

 もう最悪の気分ですよ、私が売春婦をするというだけでも悪夢なのに、更になぎさちゃんが王子様役だなんて。

 イライラしながらなぎさちゃんと共に食堂へ向かいます。

 段々と強くなる美味しそうな匂いに機嫌は直ってきました。

「うわあ美味しそうですね。なぎさちゃんが作ったんですか?」

 はしたなくも料理を見て涎を垂らしてしまいます。よくわかんないけど美味しそうな料理がたくさん、フルコースです。

「人に食べさせると思うとどうしても気合入っちゃってね……」

 頭をポリポリとかきながらにやつくなぎさちゃん。

「何照れてるんですか気持ち悪いですね」

 女の子みたいな見た目とはいえど、男のなぎさちゃんがそんな事言うのは本当にキモい。

「酷いなあ……いただきます。たくさん食べてね」

「いただきまーす……んー、美味しい」

 席について、なぎさちゃんに言われるでもなく私はパクパクと料理に手を伸ばします。本当に美味しいです、明日体重計に乗るのが怖くなるくらい……って、

「なぎさちゃん私を太らせてどうするつもりですか!」

「何でいきなりキレるのさ……」

 机をガン、と叩いて向かい側のなぎさちゃんを睨みつけます。

 こいつは女の敵だ、美味しそうな料理で誘惑して女を太らせる悪魔だ。

「私ダイエット頑張ろうと思って最近はお菓子も割と我慢してるのに、あれですか、私をぶくぶく太らせてフォカッチャにするつもりですか」

「フォカッチャじゃなくてフォアグラね……別に体重なんて男はそれほど気にしてないと思うけどなぁ、要さん別に太ってるようには見えないけれど」

「女の子みたいな見た目してる癖に女の気持ちもわからないんですか」

 女の子は、全然太ってないよって言われても、痩せたいんですっ!

「関係ないだろ……これでも要さんの事を考えて料理はヘルシーなのにしたんだけど」

「食べても太らない?」

「太らない太らない。料理をよく見なよ、ほとんど野菜ばっかでしょ」

 言われてみればお肉とかあんまりありませんね、野菜はむしろたくさん食べるべきです。

「じゃあ食べます。あ、ご飯おかわり」

「炭水化物は採りすぎると普通に太るけどね」

「……やっぱいいです」

 テレビでニュースを見ながら料理を楽しみます。まだ電車の復旧にはかかりそうですね。

「ごちそうさまでした、満腹です。あ、ドラマが始まりますね、チャンネル変えていいですか?」

「はいはい。スイーツも作っておいたけどどうする?」

「勿論食べますよ?」

 ダイエット中でもスイーツは別腹、当たり前じゃないですか。

「それじゃ俺は食器を片づけるから、ごゆっくり」

 私の前に美味しそうなケーキを置いて厨房へと向かうなぎさちゃんを引きとめます。

「え、なぎさちゃんも一緒に見ましょうよ。このドラマすごく面白いんですよ、今日が最終回なんです」

「最終回だけ見てもなぁ……」

「いいじゃないですか、私があらすじ解説しますよ」

 なぎさちゃんを強引に隣に座らせてドラマ鑑賞。

「この話はまず高校生の主人公が曲がり角でヒロインの乗ったバイクに撥ねられるところからスタートするんです。ヒロインは主人公にあんたのせいで免停になったから責任とれと無理矢理交際をさせるんです」

「酷い女だなあ」

 なぎさちゃんと今までの話をおさらいしながらドラマを見ます。

 前回はヒロインと主人公がバイクでツーリングをして、ヒロインが事故るとこで終わったんでしたね。一体どんな結末になるんでしょうか?

 ヒロインは命に別状は無いものの、主人公に関する記憶を全て失ってしまいます。

 ヒロインに自分を思い出させるために、色んな場所へ連れて行く主人公。

 最後はヒロインが主人公を撥ねた場所で全てを思い出して主人公とヒロインはキスをしてハッピーエンド。王道ですけど私は好きですね、こういう終わり方。

「えー、こんな終わり方でいいのか? こういう展開はバッドエンドの方が映えるんじゃ」

「なぎさちゃんは感性がしょぼいですね。というかドラマでバッドエンドって。さてと、お風呂入って寝ますね」

「ごゆっくり」

「……と思ったけど、私も食器の片付け手伝いますよ」

 食器洗いのために厨房へ行くなぎさちゃんについていきます。

「いやいや、お客様にそんなことさせられないよ」

「いいから手伝わせてください」

「……正直言うとお皿割りそうだから手伝って欲しくないんだけど」

「ぶん殴りますよ? これでも家では家事の手伝いすることもありますから」

 流し台でなぎさちゃんと食器を洗います。

「そういえば、昨日なぎさちゃんの偽物が現れましたよ」

 ガシャン!

 昨日出てきた偽なぎさちゃんの事を伝えようとその単語を口にした瞬間、なぎさちゃんはお皿を落として割ってしまいます。人に割りそうだとか言っておいて自分で割ってます、情けないですね。

「ヘー、ソウナンダ」

 割れたお皿を冷や汗をだらだら流して明らかに動揺しているなぎさちゃん。

「ひょっとして、知り合いなんですか?」

「エ、ゼンゼンシラナイヨソンナヒト」

 否定していますけど反応からばればれです。まあなぎさちゃんにも隠したいことの1つや2つあると思いますし、これ以上追及するのはやめてあげましょう。

「それよりお皿割るなんて情けないですね」

 ドガラガシャーン!

「うぎゃああああああああああああ!」

 ガシャン!

 雷が落ちたのか轟音が鳴り響き、私はびっくりしてお皿を割ってしまいます。

「大丈夫?」

 私の割ったお皿を処理しながら床にへたりこむ私を心配そうに見るなぎさちゃん。

「腰が、抜けました」

 立ち上がろうとしますが腰に激痛が走り、全然力が入らずに立ち上がれません。

「お姫様抱っこで部屋まで連れていくのと、台車に乗せて連れていくの、どっちがいい?」

「……後者で」

 お姫様抱っこに憧れる年ではありますが、なぎさちゃんにされるなんて嫌ですし、そもそも私なぎさちゃんより体重重たいんですよ、絶対なぎさちゃんうわこいつ重てえとか思うに決まってますそんなわけで後者を選びます。

 台車に乗せられてさなぎちゃんの部屋へ連れてかれる私。気分はドナドナ。

「それじゃ、ベッドに持ち上げるよ」

「だ、駄目です、自分で這い上がりますから」

 なぎさちゃんは私を抱えてベッドに横たわらせようとしますが抱えられるわけにはいきません、私は頑張ってベッドによじのぼり横になります。



「それじゃ、おやすみ」

 布団をかけて電気を消して部屋からなぎさちゃんが出て行きました。

 しばらく横になっていると、段々と腰の痛みも引いていきました。

 それにしても他人の家にお泊りって、よくよく考えたら私初めてですね。

 初めてのお泊りが男の家だなんて、なんだかアレですね……

 まあここはさなぎちゃんの家でもあるんですし、プラマイゼロですね。

 考え事してたら眠くなってきました、おやすみなさい……

「ってお風呂入ってないじゃないですか!」

 私は大事な事を忘れていました。夜にお風呂に入る、女の子としては当たり前ですね。

 ただでさえこの時期は汗をかきやすいのに、明日の朝なぎさちゃんに臭いとか思われたら最悪です。腰の痛みに耐えながらさなぎちゃんのクローゼットからパジャマを取り出し、部屋を出て浴室へ向かいます。

 あれ、電気がついてますね。あ、そういえば私出る時に電気をつけたままでした。

 服を着替えるため脱衣所へのドアを開けると、

「……ほあっ!」

 そこではなぎさちゃんが、産まれたままの姿で鏡に向かってポーズを取っていました。

 恥ずかしいという感情よりも、笑いの感情が勝ったようで私は思わず入り口で噴きだしてしまいます。高校生の男が、お風呂上りの俺ってかっこよくね? と勘違いして鏡の前でポーズとか面白すぎですよなぎさちゃん。後ろしか見えないので大事なところはわかりませんが、スネ毛ボーボーなのにお尻がつるつるでおかしいったらありゃしない。

 向こうはこちらに気づいていないようなので、私はそっとドアを閉めて笑いながらさなぎちゃんの部屋に戻ります。

 いやあそれにしても面白いものを見れた、今日はいい夢見れそうです。

 ベッドに入ってなぎさちゃんの裸を思い出して……

「あああああああっ!」

 急に恥ずかしさがこみあげてきて、私は絶叫して悶えるのです。

 今もまだお風呂場でポーズを取っているなぎさちゃんには聞こえないでしょうけれど。


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