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4月28日、29日、30日 三連休の彼ら彼女ら

 彼岸優と金切良平



「あ、金切君おはよう。どうしたの朝からジャージ着て」

「おはよう優。自主トレだよ自主トレ。これでも本気で甲子園狙ってるからな」

「…あの、私も一緒にしちゃ駄目かな?最近太っ、じゃなくて運動不足で」

「ああ、勿論いいぜ」

 早起きは三文どころか最高に得。土曜日、何気なく早起きして外に出ると金切君が今まさに自主トレを開始しようとしているところに出くわし、一緒に走ることになった。

 運動不足なのは事実で、1kmくらい走ったところで割と限界。

 でも金切君は優しいから私にペースを合わせようとしてしまう、それでは自分の自主トレがうまくいかない。乙女パワーで私は頑張って金切君のペースに合わせる。自分でもびっくりするほど良い記録が出た。今年のマラソン大会は秀と私でツートップかもしれない。



「お疲れ、優。はいタオル」

「あ、ありがと、金切君」

 えへへ、金切君にタオルもらっちゃった。

 …それにしても、金切君の汗っていい匂いだなあ。

 と、ここで自分も汗まみれになっていることに気づきものすごく恥ずかしくなる。

「ご、ごめん、私汗臭いよね、あはは…」

「い、いや、別に臭くないよ。む、寧ろ結構好きな匂いだぜ」

「ほ、ほんと?えへへ…」

 秀に比べると汗かきな私だけど、今日ばかりは汗かきでよかったな。



 ◆ ◆ ◆

 底野正念と彼岸秀


 底野正念自室にて

「よし、さあ話題の新作ネットゲーム聖トロール学園、はじめるとするか。キャラ名は二葉のクローバー、可愛い女の子キャラでいこう。うん、デザインも世界観も俺好み。お、早速俺と同じく新しく始めた人がいる、声かけてみよう。鯉こく大魔王か」



 彼岸秀自室にて

「さて、前々から楽しみにしていたのよね、この聖トロール学園。キャラの名前は…鯉こく大魔王でいいかしら。…早速声をかけられたわ、二葉のクローバーね…ま、私も初心者だしパーティー組んであげますか」


 ◆ ◆ ◆

 鷹有大砲と小田垣神音



 バイトの給料も入ったので大量にギャルゲーを買い込んだ僕、鷹有大砲は三連休をギャルゲーに費やすことに決めた。決めたのだが…

「何か虚しくなってきちゃった」

 気が付いたら日曜日の11時。僕は何をとち狂って一日中ギャルゲーやっていたのだろう。

「気分転換に外にでも出てはどうですか」

「そうだねガラハちゃん、ちょっと行ってくるよ」



「あれ、眼帯じゃん」

「神音」

 散歩をしていると偶然にもバイト仲間の小田垣神音と遭遇。

「暇ならさ、アタシの買い物に付き合ってくれよ。荷物持ちが欲しくてさ」

「…まあ、いいけど」

 そのまま彼女の買い物に付き合わされる。…あれ、これってデートじゃね?



 ◆ ◆ ◆

 稲船さなぎと片木黒須



「おっす黒須、遊びに来たぜ」

「おうさなぎ、ゆっくりしていけ」

 天気のいい日曜日の午後、俺、稲船さなぎは彼氏の家に遊びに来ていた。

「お、これが剣道の道具か。かっこいいなぁ、俺も着ていいか?」

「ああ、構わないぞ」

 それじゃあ失礼してっと。うーん、黒須の剣道着を切るなんて何かドキドキするなあ。

 うーん、黒須の匂いが…く…く…

「さなぎ?」

「く…さ…い…」

「…まあ、女の子に剣道具の匂いってきついよな。寝かしておくか」



 気が付いたら俺は大勢の敵に囲まれていた。

『さなぎ姫、ここは私が食い止めます。早くお逃げください』

 目の前には騎士の格好をした黒須が。黒須はフェンシング部も似合うんじゃないかなあ。

『駄目だ黒須!俺達はいつも一緒だろう?俺だって戦う!』

『…姫。わかりました。必ず共に生き残りましょう』

 そして俺と黒須は剣を手に、敵の中へと突っ込んでいく。



「うーん、むにゃむにゃ、黒須、そこで必殺技だ!ああヒットポイントがやばい、回復アイテムどこだ?黒須、単身突っ込むなってアホー!」

「…幸せそうだな。何の夢を見てるんだか」



 ◆ ◆ ◆

 十里なぎさと要桃子



「うーん、暇だ」

 俺、十里なぎさは自室でゴロゴロしていたが暇だ。

 何か面白いことないかなあと思って携帯を開く。

 さなぎからメールが来ていたので開くと、要さんのアドレスが記されていた。

 よし、要さんで遊ぼう。



『こんにちは。僕は財閥の社長です。妻に先立たれ莫大な財産をどうしようか悩んでいました。

 そんな時、あなたを見かけました。単刀直入に言います、僕と付き合ってください。

 メールするだけでいいんです、それだけであなたの通帳にお金を振り込みます』

 …と。出会い系サイトっぽくしてみました。送信っと。

 5分程でメールが返ってくる。



『こんにちは、要桃子です。ごめんなさい、よく知らない人と付き合うわけにはいきません。

 でもメール相手なら大歓迎です。あ、別にお金目当てってわけじゃないですよ?』

 …要さん、こういうのに返信したら変なサイトに登録されちゃうよ?



『十里なぎさです。要さんこういうメールは無視しないと痛い目にあうよ』

 送信っと。



『な、なぎさちゃんだったんですか!くっ…メール友達ができると思ってたのに酷いです。罰としてしばらくメールに付き合いなさい』

 はいはい。望むところですよっと。



 ◆ ◆ ◆


 そして5月へ…

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