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革命葛藤

昨日、高校に合格して両親はとっても喜んでたよ。

県内で東大、京大進学率トップのところだから。

もちろん、そんなとこに入れたなんて、イヤな気はしなかったし。

あの親の喜ぶ顔を見てて、わたしって今までで一番の親孝行したんだなって感じたの。

そう、これでじゅうぶんに自分を育ててくれた恩は返したんだ。

一応、昨日の夜、机に座ってこれから何がしたいだろうって考えてみた。

未来に何か希望はあるのかなって。

でも、残念ながら高校生活を思い浮かべても、なんかブルーになるだけだったし、

それから続く、大学、社会人って考えてたらさらに心が沈んでしまって、

ほんとにお先まっくらって思った。 まじで、ため息しか出てこなかった。

テレビとか新聞のニュースを見てごらんよ。

ほとんど毎日、理解できないようなむちゃくちゃなことをしてる彼らの記事が載ってるでしょ。

あいつらみんな、ある意味いってしまってるよね。

なんか寒気してくるんだけど。

同じ人間? って質問したくなる。


でも、わたしの両親も似たような感じかも。 何も特別なことじゃないんだよね。

きっと、こう言ってても、わたしもあの歳になったら同じようになるんだろうな。

信じたくないけど、たぶんそう。

最近、わたしと同じくらいの年齢の子が、色々やって事件になってたりするでしょ。

で、大人たちはなんて残酷なことをするやつ。

人間の心を持たない獣と同じだ、とかって非難したり怖がったりしてるようだけど……

子供って、大人の背中を見て育つってこと忘れてませんか?

わたしらのしていることって全部、大人のマネしてるだけなんだから。

だから、まわりに彼らがいなければ、そんな影響も受けないし、

もっと楽しく過ごすことができるはず。

いまって、どんなものにだって素直に新鮮に感じることができるんだから。

きっと、いまがピークなんだろうな。

あとは、もう上がることはないのかも。精一杯、この状態を保つだけって感じ。

でも、それもあとどれくらいもつかわからないや。

じゃあ、今のうちに、やっておいたほうがいいじゃない。

自分で自分がまだ正常だとわかっているうちにさ。

で、昨日、寝る前にあれを書いたんだよ。

自分に言い聞かせるために、ね。

不思議だけど、今回は意識がはっきりしているんだ 。

先延ばしなんてしたいって思わない。迷いがないんだから。

いまだって、すごく冷静にこんな風に喋れてる。


ひとつだけ、ちょっと残念なのは……

この前まで付き合っていた、マサトともう会えないってこと、かな。

でも、三学期になって急に転校してしまって、今はどこにいるかも知らないんだし仕方ないか。

マサトと別れたこと、ショックだったもん。それもここから消える理由のひとつ。

親の都合で勝手に転勤して、二人の気持ちなんか完全に無視。

今は辛いけどきっとそのうち、いい思い出になるからね、なんてまるで悟ったみたいに話してた母親。

わかってない。彼との出会いはもうないんだよ。

でも、出会いなんかまたたくさんあるから代わりを探せばいい 、それが大人の考えってやつ。

わたし、あんなツライ思いなんてもうしたくないんだ。

でも、ひとと付きあうって、結局そういうことなんでしょう?

一緒にいるってことは、いつかきっと別れも来てしまうんだよね。苦しくて辛くて、体がからっぽになって。あれはキツイな。

でも、母親みたいに大人になったらそういったことも慣れてなくなっていってさ、表面だけの付き合いになって流せていくんだよね。確かに、そうすれば悲しみは少ないだろうけど。


なんだか寂しいよ、成長するってことが。

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