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32話 パーティー


 あっという間にイーギス様主催のパーティーが開かれた。グランドル公爵もイーギス様の珍しい要望に応えてくれたみたい。どこを見ても素敵な令嬢ばかりで、ナターシャの顔を持ってしても霞んでるんじゃないかと心配になる。


「ナターシャ様!」

「フローラ様、あなたも来てたの?」


 やっぱりフローラも呼んでたんだ。はい、と頷くフローラは可愛い。ここには年上も年下も様々な令嬢が集まってて緊張するけど、さすがヒロイン。オーラは他の誰にも負けてない。


「私はナターシャ様がいると思って参加しましたけど、何ですの?これは。ご令嬢ばかりじゃありませんか」

「イーギス様の花嫁探しってところかな?」


 もちろん選ばれるのはフローラだけど。くすりと笑うとフローラは頬を膨らませる。


「ナターシャ様がいるのにですか!」

「だって、私はイーギス様の侍女になったんだもの。新しい婚約者が必要だわ」


 名目上の婚約者だから花嫁修行はしてるけど、その役目も近いうちに終わるだろう。フローラが眉を下げて私の手を握る。


「ナターシャ様はそれでいいんですか?」

「ええ、イーギス様の幸せのためですもの」


 フローラの髪を撫でて諭す。大丈夫よ、絶対フローラが選ばれるから。


「ナターシャ」


 主役は遅れて登場する。イーギス様に呼ばれて、私はイーギス様に駆け寄る。


「いいんですの?私をエスコートして」

「ナターシャは婚約者だろう?」


 まぁそうなんですけども。イーギス様が腕を出してくれるから、その腕を掴む。イーギス様は移動して、次々とご令嬢に挨拶していった。


「イーギス様が招いてくださるなんて思ってもみませんでしたわ」

「スーザン令嬢や色んな姫君と話してみたかったんです」


 にこりと余裕な笑みを浮かべて、イーギス様が甘い言葉を囁く。まぁ、と顔を赤らめて令嬢は隣にいる私をチラッと見る。私は貼り付けた笑顔のまま、令嬢を見守った。


「イーギス様、フローラはあっちにいますわ」

「ああ、そのようだね」


 一区切りついて、ようやく私はイーギス様にフローラの居場所を教える。イーギス様はまっすぐフローラのところに向かった。


「フローラ、楽しんでるかい?」

「イーギス様、ナターシャ様。この度はお招きいただきありがとうございます」


 フローラが振り向いて、お辞儀をする。


「フローラは肩身が狭いと思うから、ナターシャが一緒にいてあげるといい。ぜひ、友達作りの良い機会だと思って」

「は、はい。ありがとうございます」


 イーギス様が私の手を離させるから、私はイーギス様と離れてフローラの隣に立つ。楽しんで、と言ってイーギス様は場所を移動した。


「イーギス様優しいですね」

「ええ、とても魅力的な方だわ」


 フローラの言葉に頷く。イーギス様は他のご令嬢とまた話してて、私がいなくても楽しそうで。このままシナリオ通りに進むことは良いことなのに、胸がちくりと痛んだ。


「フローラ、イーギス様の婚約者になる気はない?」


 気を取り直して私はフローラに本題をぶつける。


「えっ、えっ!だってイーギス様はナターシャ様の……」

「実は私とイーギス様は仲が悪いの。そういう関係は向いてないわ」


 そんな……と驚くフローラの肩を掴む。


「どう?フローラ。イーギス様は恋愛対象じゃない?」

「い、いきなり言われても……。イーギス様は素敵な方だと思いますが……」


 まぁそうだよね。戸惑ってるフローラも可愛い。


「考えといて」


 私はフローラに念を押す。フローラは複雑そうな顔をしていた。

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