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27話 再婚相手

 部屋の清掃が終わって、私は別室で勉強をする。ナターシャの家の家庭教師より厳しくて早くも音を上げそうだけど、イーギス様の家にいるためだから頑張った。夕方、食事の間でテレサさんや侍女長と共に食事の支度をした。


「イーギスの婚約者が来てるというじゃない。見かけないけどどこにいるの?」


 甲高い声に顔を上げると、派手なメイクに紫色のドレスを着たいかにも意地悪な継母が部屋に入ってくる。テレサさんが私の腕を引っ張るから、私は慌てて頭を下げた。


「そこにいる子じゃない?小さいし。でも地味そうだね」

「イーギス様、女の趣味悪い」


 少年と少女の声も聞こえてきてイラッとする。ナターシャの顔で地味呼ばわりされるのもムカつくけどそれは私のせいだとして、それ以上に私の悪口はイーギス様の悪口同然で早速仲の悪さが見える。


「エリザ、そんなことを言うんじゃないよ。ナターシャも侯爵令嬢だからね」

「侯爵令嬢が侍女志願するなんて、変な子ね」


 継母があざ笑う。顔を上げると、イーギス様は俯いていた。居心地悪いだろうな……。でもここで私が文句を言っても、イーギス様の立場が悪くなるだけ。私に出来ることは、この家でイーギス様の心のよりどころになることだけだった。


「ナターシャ」


 イーギス様が私に近づいて、手を掴む。


「一緒に食べよ」

「で、でも……」


 私は侍女の立場で。グランドル公爵を見上げると、グランドル公爵はセバスチャンに耳打ちをする。


「ナターシャ、イーギスの隣に座るといい」

「は、はい!ありがとうございます」


 お礼を言うとイーギス様が私の手を引っ張る。イーギス様が安堵したような顔をした。再婚したばっかりだというのに、もう酷い扱いを受けてるのだろうか。許せない。イーギス様にこんな顔をさせるなんて。


「イーギス様、我慢する必要ありませんわ。この世界はイーギス様がしたいように回るんです」

「ナターシャ……」


 小声でイーギス様に言うと、イーギス様がふわりと笑う。その笑顔が見れただけで、私もホッとする。我が家もエイシアの嫌味のせいで居心地は悪かったけど、この家よりはずっとマシだ。侯爵家よりも豪華な食事だったのに、全然味がしなかった。4人が部屋を出て行って、私とイーギス様と使用人だけが残る。ふぅ、と私は息を吐いた。


「ごめんね、空気悪かったよね」

「覚悟の上ですわ」


 私の手を掴んで眉を下げるイーギス様に、私は首を横に振る。だからグランドル公爵に再婚しないように言ったのに、この状況になってもイーギス様を放置するなんて許せなかった。


「イーギス様、私はこのためにグランドル公爵家に来たんですわ。イーギス様は1人じゃないですわよ」

「ナターシャ……」


 イーギス様は私の手を引っ張って、抱きしめる。


「ありがとう、ナターシャ」

「はい」


 背中に回ったイーギス様の手が少し震えていて、私は強く強く抱きしめ返した。


「ナターシャ、今日はもう仕事終わり?」

「そうですわね。あとは寝るだけですわ」


 イーギス様が体を離して私に聞く。頷くと、イーギス様は首を傾げた。


「じゃあ、眠くなるまで遊ぼう。何か持ってきた?」

「トランプならありますわ」


 まだ、イーギス様は無理して色気を演じてたんだろう。イーギス様の可愛い部分が垣間見えてホッとする。私はイーギス様と手を繋いで、イーギス様の部屋に向かった。

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