19話 誕生パーティー
今日は第三王子、レオンハルトの誕生パーティー。最初に攻略したこともあって、その美しい見た目はさすが王子のオーラだし幼少期でもその面影は残ってるだろう。私は少しワクワクしながら、王宮に向かう馬車に乗っていた。
「ナターシャ、今日は大事な王家のパーティーだからね。粗相のないように」
「わかってますわ、お父様」
同級生の社交界デビューも兼ねてるらしく、大人は今日は参加しないみたいで。私の頼みはイーギス様だけになった。攻略対象に会えるのは楽しみだけど、初めてのパーティーに緊張する。馬車を降りて、イーギス様の姿を見つけた瞬間ホッとした。
「イーギス様、ごきげんようですわ」
「こんばんは、ナターシャ。今日は可愛いね」
イーギス様を見ると、黄色のネクタイをしていてお揃い要素にドキドキする。お父様がグランドル公爵とあいさつしてる間に、イーギス様が私の手を掴んで自分の腕に絡めた。
「行こう、ナターシャ」
「はい、よろしくお願いします」
イーギス様にエスコートしてもらって、王宮に入る。中にはすでに多くの人がいて、私はきょろきょろと周りを見渡した。
「ナターシャ、他の人に惚れちゃだめだよ」
「そんなことしませんわ」
私はイーギス様一筋ですもの。どれだけ私がイーギス様を心酔していたか、生前の私の部屋を見せてあげたおいくらい。いや、やっぱり本人に見られるのは恥ずかしいから見せたくないや。
「レオンハルト王子、お初にお目にかかります。グランドル家のイーギスでございます。こちらが婚約者のナターシャ」
「初めましてですわ」
王子の座ってる椅子に近づくと、その眩しさに眩暈がしそうになる。だけどなんとかイーギス様の後に声を出して、挨拶をした。パッケージになってるだけあって王子はやっぱり美しく、その幼少期はまるで天使そのものが座ってるみたい。透き通るような金髪に深紅の瞳。それを生で見れたことに感動する。
「今日は楽しんで、と王子が」
「ありがとうございます」
レオンハルトの隣にいる側近も攻略対象の1人。銀色の髪に眼鏡姿の秀才キャラ、ランパードだ。レオンハルトやランパードは立場が違いすぎてまだ仲良くはなれないだろう。そもそも寡黙で人見知りだし。私の今日の本命は侯爵子息のクルーゼとセリだ。隠しキャラのレイスとも出会いたいところだけど、彼は1学年上だからここにはいないだろう。
レオンハルトの前から去って、ケーキを取りに行く。けれどイーギス様が私の手を引っ張ってあいさつ回りをしに行く。公爵家の息子だから社交はしっかりしないといけないのだろう。早くケーキが食べたい。
「セリ・バームスだ」
その中で、セリと出会った。真っ赤な短髪に金色の瞳。まさにゲームのセリを幼くした感じそのもので、安心感すら覚える。
「セリ様、よかったらお友達になってくださらない?」
「ナターシャ?」
手を差し出してセリに声をかける。セリは躊躇わず、その手を掴んだ。
「ああ、いいぞ」
「セリ、ナターシャと会う時は僕を通してね?」
その手を引きはがして、イーギス様がセリと強く握手を交わす。婚約者だからと言うのはわかってるけど、フローラの幼馴染であるセリとはイーギス様抜きで仲良くしておきたい。セリなら多少は柔軟に対応してくれるだろう。セリと挨拶できたことに安堵して、それからクルーゼにも同じように挨拶をした。




