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トゥルーナイト  作者:
1/3

1話

 アークランド大陸では長き戦乱の時代の中で幾つかの大国が小国を実質上支配していた。南西の小国であるアクラス王国の美しき王女ミアは大国であるセルランド帝国皇帝クルガスの息子であるニールベルト皇子に側室として迫られ、父であるアクラス国王シュタインや臣下達と話し合いをしていた。


 「すまぬ、ミアよお前を差し出さねばならぬかもしれんとは」

 

 「お父様、私も一国の王女として覚悟は出来ています、、、」


 「ニールベルトめ!!なんたる横暴さか!」


 そう大声を上げるアクラス王国将軍のマクナ・ガーラインに王女ミア静かに言った。


 「ガーライン将軍、セルランド帝国は大陸図一の強国このアクラス王国に選択権はないと思っています」


 「しかし殿下!殿下は正式な王女ですぞ!妃ならまだしも側室などとは!」


 二人のやりとりを聞いていたマクナの娘でありミアを守る親衛騎士隊の一員であるフィアが口を開いた。


 「シュタイン陛下、父上、私もミア殿下と共に行きます」


 「フィア?!貴女まで巻き込むなんて、、、」


 「私はミア殿下に仕える騎士として誓いを立てました、殿下がセルランド帝国に行くときはどうかご同行する事をお許しください」


 その言葉を聞いたシュタインは幼い頃からミアの友人でもあるフィアに言う。


 「フィアよ、お前までもが帝国の者達の慰み者になるのかもしれぬぞ?」


 「構いませんシュタイン陛下、私の剣が届くところなら殿下には指一本も触れさせません。」


 フィアの真剣な目を見たシュタインはマクナに問う。

 

 「マクナ、貴公はどう思う?」


 「我がガーライン家は代々このアクラス王国に仕えてきた武人の棟梁、私は娘の決意を誇りに思います」


 「そうか、私は今一度セルランド帝国の皇帝クルガスにミアをニールベルト皇子かアレッド皇子の正式な妃として迎え入れるように頼むつもりだ、フィアよそなたの忠義に感謝するぞ、マクナ以外の者は下がるように」


 マクナを残して臣下達が礼をしてその場を去るとミアとレナもその場を後にしてミアの私室へと向かい中に入った。


 「、、、、フィア、貴方まで来ることはないわ。」


 「いいえ、ミアが犠牲になるなんて耐えられないわ、それに私達は親友でしょう?」

 

 「私、いつもフィアに助けられてばかり、、ごめんね」


 「謝らないでミア、私は貴方の剣となり盾になる為に親衛隊の騎士になったんだから、決してニールベルト皇子を近寄らせさせないわ」


 「ありがとう、ニールベルト皇子の評判は聞いてる、もう一人の皇子であるアレッド皇子は非常に人格者だと聞いてるんだけど....


 「アレッド皇子の評判は私も聞いてるわ、卓越した知性に剣術、それに慈悲深いと言われてるわね・・・」


 「フィア、私ね、本当は小さな頃から一緒だった公爵家のスレイドと結ばれたいとずっと思ってた。」


 「ミア、、、、。」


 「でも結局スレイドには私の気持ち伝えられなかったな、、、、」


 「、、、、ミア、スレイドには伝えないの?」


 「うん。話すと余計に辛くなるとおもうから、、、、」


 「ミア、、、、私だけはいつも貴方の味方、だから絶対に守るから!」


 「ありがとう、フィア、今日はもう休んで」


 「分かった、また明日ね、ミア。」


 ミアの寝室から出て自身の部屋に戻ったフィアは剣を手に取ると鞘から剣を抜いて刃を見つめて誓った。


 (ニールベルト皇子、貴方にミアを汚させはしない)


 


つづく

 


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