姫と龍の空の旅
最近暑すぎて外に一歩も出てない
「じゃあ出発しよう。」
彼女はそう言うと歩いて森の中に入ろうとする。
「待って。どうやって森の奥地に行くつもり?」
「え、普通に歩いてだけど。」
「歩いてぼこぼこにされたのもう忘れたの?」
「じゃあどうやって行くの?」
「忘れてない?私龍なんだよ。」
私は龍の姿に戻り、乗りやすいようにかがむ。
「背中じゃなくて頭に乗ってね。背中って結構揺れると思うから。」
「そーらーを自由にとーびたーいなー。はい、ミツミェール。」
「私を道具みたいに扱わないでくれる?」
現在私たちは空の旅をエンジョイしている。
もちろんここは樹海だから糞鳥やらでかい虫やらが飛んでくるが私は飛んでるときは常に見えない電気で周りを満たしているから蚊取り線香みたいにどんどん落ちていく。
ちなみにアリエルの周りには結界を張ってあるから心配無用だ。
「悲願花って見たことある?」
「たぶんないと思う。というか薬草とか自然魔法で出てくる奴しか知らないわ。」
自然魔法を使ってはやすことができる薬草は自分が使ったことがあるものだけだ。
体力回復用の薬草はβの頃と変わらなかったからそれを使っている。
「そういえばどの辺に向かってるの?」
「奥地って言ってたからとりあえず森の中心に向かってるけどそれでいいよね。」
「いいよー」
「そういえば今のプレイヤーたちの様子はどうなの?」
「あ~それね。それはね・・・」
彼女の話を聞いたところ、現在プレイヤーは3大クランと呼ばれる大きなクランを中心とした攻略を進めているそうだ。
3大クランとされているのはそれぞれ『オリンポス』、『ユグドラシル』、『円卓』の3つ。
『オリンポス』と『ユグドラシル』はβの頃から攻略組クランとして有名だったから知っているとして、『円卓』はβにはなかった。
なんでも『円卓』はこの中で最も攻略に力を入れている代わりに最も厳しいクランらしい。
買ったものはすべて報告書を書く。
倒した敵の素材はクランに提出してクラン共有にする。
レベル上げにも許可がいる。
これらが守れなければ即除名されるらしい。
ちなみに他2つのクランとは仲が悪いらしい。
そうやって話をしている間に目的地に着いた。
『オリンポス』と『ユグドラシル』の仲はめちゃくちゃいいです。対等なライバル感。
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