悲願花
最近鳴〇が楽しすぎる。
「えーとランク20ってそんなに珍しいの?」
目を覚ましたアリエルにそう聞くと、
「いや、超高難易度エリアのレイドボスでさえランクは18だよ。ランク20なんて確認されたことすらないよ。」
ランク18と言ったら龍と同じランクか。
「てことは私は今プレーヤーの誰よりも強いってことでOK?」
「おそらくそう」
その後も軽い会話をしながら過ごしていた。
「そういえば姫様は何でここ来たの?」
「あ~それね。なんか王国からある薬草を採ってきてって依頼されたんだよ。」
「なんていう薬草?」
「確か悲願花だったはず。
「彼岸花?」
「いや、悲しい願いのほうの悲願。なんかそれこの大樹海の最奥にあるらしくてさ、でもここの魔物AIがかなり優秀なせいで普通に作戦立てて攻撃してくるから結構きついんだよね。」
「確かに。ここの魔物は一部を除いてめっちゃ作戦立ててくるからこっちも無策だと普通にやられるよね。」
ちなみにその一部とはあのリスキル糞鳥である。
あいつはバカだから脳筋突撃以外してこない。
「あのさ、よければなんだけど、ついて行ってもいい?」
「え?いいの?」
「最近進化が止まったせいでレベルがなくなってさ、今までの暇つぶしだったレベル上げができなくなって暇だったんだよ。もちろん嫌だったら断っても・・・」
「嫌なわけないじゃん。むしろお願いします。」
「そういえば装備品とか大丈夫?」
「あっ。ヤバいかも。どうしよう。」
「余ってるから貸そうか?」
ランク15より上の魔物とか群れのボスとかは倒すと宝箱が出てきて中から装備が出てくるけど私は龍だから着ることができず、大量に余っている。
人化しても人化状態の私の服は鱗を変化させたものらしく、装備取り外し不可だからインベントリに眠っている大量の装備品は荷物でしかないのだ。
「何から何までありがとう。」
「いいよ。友達だし。」
私はリアルでは友達がいない分、ゲームでの友達は大事にするようにしている。
私はインベントリの中から、見た感じ最も性能が高そうな龍王からドロップしたジャケット、猪帝からドロップしたズボン、蟲ノ女王からドロップしたレイピアを渡す。
「ありがとう。なんか明らかにヤバそうだから性能は見ない!」
彼女は明るくそう言い放った。
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