ソロイベント二回戦
ソロイベント終了
一回戦を勝ち抜いた私は次の試合の相手であるアリエルと話していた。
「手加減しないでね。」
「そりゃするつもりはないけどさ、でもいいの周りにぼこぼこにされるところを見せても?」
「別に問題ないわよ。そしたら最強プレイヤーっていう名前があなたに移って私の生活が楽になるし。」
彼女はどうやら最強のプレイヤーともてはやされることにうんざりしているようだ。
「それにあなたになら奪われてもいいし。」
「試合が始まりそうだし準備しよう。」
顔を赤らめながら何か小声でつぶやいた気がしたが試合時間も近いので私は準備を始めることにした。
そして現在。
私の相手は先ほどまで仲良く談笑していたアリエルだ。
βの頃もお互いの訓練として試合をすることは多々あった。
しかし今は昔とは違う。
彼女はこの半年の間にプレイヤースキルを磨き続けていた。
私はこの半年で龍になり、ステータスが大幅に上昇した。
つまりお互いの戦闘スタイルは変わらなくともお互いが知らない技が増えているということだ。
私は彼女の連撃をさばきながら合間に魔法を差し込む。
しかしそれを見越していたようでもう片方の手に持った短剣で魔法を切り裂いて防ぐ。
普通このゲームでは魔法を切り裂くのは不可能に近い。
切り裂ける判定が小さすぎるからだ。
しかし彼女はそのたぐいまれなるプレイヤースキルによりその不可能を可能としている。
彼女の雨のような連撃を防ぎながら対策を考える。
(何か彼女にとって予想外の攻撃手段はないか)
そう考えていたところある方法を思いつく。
私は彼女の攻撃をさばきながらこっそり自然魔法で彼女の足を固定していく。
それに気づかず攻撃していた彼女に一瞬のスキができることを確認すると、私は回転しながら、雷を纏わせた尻尾で思いっきりぶん殴った。
彼女は吹っ飛び、壁に当たってポリゴンとなった。
決勝戦は割愛しよう。
なにせアリエルの時と違って一方的にぼこぼこにして終わりだったのだから。
結局アリエルは3位だった。
まあ2位と戦えば余裕で勝てるだろうが運がなかった。
アリエルは3位決定戦で見事に相手に何もさせずその座を勝ち取った。
そんなこんなで私の初めてのイベントは幕を下ろしたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆
「も、もうこれ荒らしだろ…」
「先輩!?起きてくださいせんぱーーい!?」
運営の担当者の机にはダイイングメッセージで「龍帝」と書かれていたそうだ。
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