初めての街
街に到達!それと誤字報告ありがとうございました
私たちは街の門の少し手前の森に降り立った。
人化するためだ。
「よし、準備できたよ。」
「じゃあ行こう。」
巨大な門を抜けるとそこにはβの頃と変わらない賑やかな光景が広がっていた。
「ここは王都近郊の街の一つクラウディアル。危険地帯である大樹海が近いからプレイヤーも多いの。貴方のβ時代の知り合いも何人かいるはず。」
「へぇ~。たとえば?」
「ラネさんとかヘファさんとかここで店開いてるよ。」
「懐かしいなー。あとで顔だそ。」
そんな会話をしていたら広場についた。
「じゃあまたあとでね。」
そういってアリエルは王都に向かった。
彼女は私と同じソロプレイヤー。
パーティーを組むこともあるけど基本的に一人のほうが得意なのだ。
とりあえず私はぶらぶらと街を散策することにした。
「あれ、お前さんミツミェールか?」
「やあ久しぶりヘファさん。」
まず最初に訪れたのはβ時代の知り合いの一人であるドワーフで鍛冶屋のヘファさんだ。
β時代はよく投げナイフやら胸当てやらを作ってもらっていた。
「βの奴らの中じゃお前さんもういないってことになってたんだがな。」
「勝手に消さないでよ。」
「いやすまん。それより何してたんだ?お前さんのことだからβの頃と同じように大暴れすると思ったんだが音沙汰がないから不参加だと思ったんだよ。」
「何してたかはあんまり言えないかな。」
アリエルとの話し合って私が魔物プレイヤーであることを言うと余計な奴らが集まってくる可能性があるのでそのことは隠していくことにしたのだ。
「そんなことより投げナイフ依頼してもいい?素材はこれで。」
私はサンダーバードの爪を渡す。
ちなみにお金は魔物を倒したときに勝手にインベントリに入っていた。
「わかった。じゃあ明日取りに来てくれ。」
「了解」
私はヘファさんの鍛冶屋を後にした。
「え?もしかしてミツミェール?」
「そうだよラネさん。」
次に訪れたのはアラクネで服屋のラネさんのところだった。
アラクネは魔物に近い見た目をしているがれっきとした亜人種族で体から糸を生成できるため服屋などの生産職に多い。
「あなた竜人になったのね。まあβの頃からあなたの種族は竜人が最適解だったけどね。」
「それよりもちょっとマントが欲しくてね。投げナイフとか隠せるような奴。」
私は彼女に依頼して店を出た。
βの頃のミツミェールは軽戦士型の魔導士でした。軽戦士のように近づき、ナイフで応戦しながら短射程高火力の魔法を叩き込む戦法を得意としていたのでついた二つ名は『機動砲台』でした。
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