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神を殺した世界にて  作者: ほてぽて林檎
第1部:正義に注ぐは聖なる犠牲
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偽りの外

 

 数時間後。


 彼女たちは、重厚な装甲を持つ車両に乗せられた。


 窓のない、無機質な空間。


「わぁ、なんだか特別な感じがするね!」


 エルナが楽しそうに声を上げる。


 セリアは、少し窮屈な気持ちで周囲を見回す。


「……でも、窓がないのはちょっと変だね?」


「そう? でも、開けたら危ないんじゃない?」


 エルナは特に気にする様子もなく笑った。


 リネットはというと、すでに半分眠っている。


 車両はゆっくりと動き出した。


 揺れが心地よかったのか、リネットは静かに眠りにつき、エルナは少し落ち着きをなくしながら、扉の向こうをじっと見つめる。


 どれほど時間が経っただろうか。



 車両が止まり、扉が開かれる。


「さあ、到着しましたよ」


 セリアたちは、そっと外へと足を踏み出す。


 そこに広がっていたのは——


 青く澄んだ空と、緑の草原だった。


 エルナが歓声を上げる。


「すごい……! こんなに広いなんて!」


 リネットも目を細め、光を浴びるように伸びをした。


 セリアは、胸の奥が少しざわつくのを感じた。


(本当に……これが外の世界なの?)


 視線を巡らせると、遠くに見えるのは、まるで絵のような風景。


 ——すべてが美しく、完璧に整えられていた。

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