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神を殺した世界にて  作者: ほてぽて林檎
第1部:正義に注ぐは聖なる犠牲
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許可された自由

 


 セリアたちの願いは、思いのほかあっさりと叶った。


 白衣の研究員が彼女たちを呼び、穏やかな口調で伝える。


「皆さんの希望が認められました。近いうちに、外へ出られますよ」


 エルナは目を輝かせ、セリアの手をぎゅっと握った。


「やった! ほらね、お願いすれば叶うんだよ!」


 セリアもリネットも、エルナの喜ぶ姿を見て微笑んだ。

 だが、次に続く言葉に、セリアは少し不安を覚えた。


「ただし、条件があります。いつもより多く血を提供していただくことになりますが、大丈夫ですね?」



 血を採る。

 それはいつものことだった。


 祈りを終えた後、静かな部屋で、腕に小さな針を刺される。

 どこか冷たい感触のする管を通って、赤い液体が吸い上げられていく。


 セリアは、自分の血が何に使われているのかを知らない。

 ただ、それが大切なことなのだと教えられていた。


「……はい、大丈夫です」


 彼女がそう答えると、エルナが明るく頷いた。


「うん、そんなの平気! 外に行けるなら、ちょっとくらい何でもないよ!」


 リネットは、ふわりとした笑みを浮かべながら、小さく頷いた。


「……私も、大丈夫」


 こうして、彼女たちの「外出」が決定した。



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