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無邪気な水遊び
澄み切った水が、陽の光を反射してきらめく。
区画E-03に流れる小川は、水深せいぜい足首ほど。
しかし、聖女たちにとってはそれが十分な遊び場だった。
「わぁ! つめた~い!」
水面に指を浸したセリアが小さく声を上げ、くすくすと笑う。
「ひゃっ!」
エルナは素足を水に入れ、勢いよく蹴り上げた。飛沫が舞い、セリアのスカートの裾を濡らす。
「やったな!」
セリアも負けじと両手で水をすくい、エルナへとかける。
「きゃーっ!」
2人はすっかり夢中になり、笑い声を響かせながら水を掛け合う遊びに没頭していた。
リネットはというと、少し離れた岩の上に腰を下ろし、眠たげに頭を揺らしている。
「……楽しそうだな」
監視スクリーンを通してそれを見ていたエリックは、知らず溜息をついていた。
俺は、一体何を見せられているんだ?




