反応
「また貴様か、クラウス!」
会議室に怒号が響く。
「聖女の自由を認めたうえに、嗜好品を与えるだと? 貴様は何を考えている!」
「"管理体制の改善"ですが?」
エドワードは涼しい顔で答える。
「管理体制の改善だと?」
「彼女たちの心理的安定を図ることで、予期せぬ問題を未然に防ぐ。"無駄な血"を流させないために、な。」
軍上層部の老人たちは忌々しげに顔をしかめる。
「貴様の理屈はいつもそうだ。"正論"のように聞こえて、実際には我々の管理を骨抜きにする策ばかり!」
「骨抜き?」
エドワードは苦笑しながら肩をすくめる。
「彼女たちの血を"無駄"にしたいのですか?」
「……」
「だったら、どうぞご自由に。"不必要な監視と制限"を強めれば、聖女たちはますます精神的に追い詰められる。"事故"が増え、"資源"の浪費につながる……それでいいのならね?」
老人たちは黙り込む。
「私は、聖女たちの管理を緩めるわけではない。"より効率的な方法"を取るだけだ。」
「……」
「彼女たちの外出を監視し、データを収集する。それが"実験"だ。」
エドワードの言葉に、軍上層部は互いに顔を見合わせた。
「ふん……貴様の言うことには、どうにも裏がありそうだが……」
「信じるも信じないもご自由に。」
エドワードは微笑みながら会議室を後にした。




