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神を殺した世界にて  作者: ほてぽて林檎
第1部:正義に注ぐは聖なる犠牲
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区画E-03外出許可

 

「聖女たちの外出許可を?」


 エドワード・クラウスは、白衣の職員の報告を聞きながら、少し考え込むように眉を寄せた。


「……ええ。区画E-03への外出希望が出されています。」


「なるほど、先日の件があったのに、まだ好奇心は衰えていないか。」


「当然です。あの子たちは……何も知らないんですから。」


 白衣の職員はエドワードの目を見ずに言う。


「それと、カップケーキ作りも希望されています。」


「カップケーキ?」


「ええ、先日クッキーを作ったことで味をしめたようで……」


「はは、それは結構なことだ。」


 エドワードは軽く笑いながら、ふと職員に耳打ちするように言った。



「……こんなことを続けていると、上の連中に怒られますよ。」


 白衣の職員は小さくため息をつきながら、目を伏せた。


「……あなたがそれを言いますか、大佐。」


「もちろんわかっているとも。」


 エドワードは肩をすくめながら、涼しい顔で答える。


「ついでに、私にも一つ取っておいてくれないか?」


「……冗談でしょう?」


「いや、本気だよ。」


 エドワードは悪びれる様子もなく言う。


「材料の確認と手続きが通り次第、渡せるようにしておく。」


「感謝するよ。」


 職員が去っていくのを見送りながら、エドワードは静かに目を細めた。



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