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違和感
「ねえねえ、次はカップケーキ作りたい!」
エルナが本を広げながら笑顔で言う。
「それか、もう一回外に行けないかな?」
セリアも頷く。
しかし、返ってきた返事は――
「……少し、確認させてください。」
「え?」
エルナが目を瞬かせる。
今までの"お願い"なら、すぐに「いいですよ、すぐに確認してきますね」と返事がきたはずだった。
「……なんか、変じゃない?」
「うん……」
エルナが不安そうに呟く。
(お願い、聞いてくれないのかな……?)
「……大丈夫だよ。」
セリアがそっとエルナの手を握る。
「……うん。」




