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神を殺した世界にて  作者: ほてぽて林檎
第1部:正義に注ぐは聖なる犠牲
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聖女たちの談笑

 


「それでね、それでね!」


 エルナが、両手を広げながら興奮気味に話す。


「次はね、"カップケーキ"を作るの! 本に載ってたの!」


「カップケーキ……?」


 リネットが小さく首をかしげた。


「クッキーよりもふわふわしてて、甘くて、美味しいのよ!」


「へぇ……いいかも。」


 セリアも楽しげに頷く。


 ついさっき、クッキー作りを終えたばかりだというのに、彼女たちはもう次の"お願い"を考えていた。


「それか……もう一度、外に行けるかお願いしてみるのもアリじゃない?」


 エルナが期待に満ちた目で言う。


「またお外に?」



 リネットが、のんびりと空を仰ぐように言った。


「この間みたいに、緑の中でゴロゴロできるかなぁ。」


「いいなぁ……でも、お願い、聞いてもらえるかな?」


 セリアが少し不安そうに呟く。


「うーん……でも、この前のお願いは聞いてくれたし!」


 エルナが拳を握る。


「だから、今回もきっと!」


「……かもね。」


 セリアはそう言いながらも、胸の奥に"小さな違和感"を覚えていた。


(私たちのお願いって、どこまで聞いてもらえるんだろう……?)


 けれど、それを深く考えることはなかった。


 楽しい会話が、それを押し流していく。

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