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神を殺した世界にて  作者: ほてぽて林檎
第1部:正義に注ぐは聖なる犠牲
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静かな恐怖

 


 セリアは何も知らずにいた。


「これくらい、平気なのに……」


 指に巻かれたガーゼを見つめながら、ぽつりと呟く。


 白衣の職員たちが、どこかピリピリとした空気を纏っていたことが、妙に気になった。



 エルナとリネットも、少し気まずそうに視線を交わす。


「……なあに、セリア?」


 リネットがのんびりとした口調で言った。


「ん……なんでもない……」


 セリアはそう言って、小さく微笑んだ。


 何かが引っかかる。


 でも、それが何なのかは、わからなかった。


 ただ——


 ふと、指を押さえたガーゼの下で、微かな痛みを感じた。




 それは、小さな傷。


 けれど、その傷が引き起こした波紋は、思いのほか大きなものだった。

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