あらすじ
かつて世界には神がいた。
神の祝福は大地を満たし、作物は実り、水は清く、人々はその恩恵を受けて暮らしていた。
しかし、人類はやがて 神を恐れ、拒絶し、そして殺した。
かの「傲慢な王」は、神話を妄言と断じ、信仰を捨て た。
信仰を弾圧し、神の血を引く者を狩り、やがて神すらも討ち滅ぼすことを目指した。
そのために生み出されたのが 「神代兵器」 である。
神の血を引く 聖女を依り代 にして作られた、人類の最終兵器。
神性を持つ者を無条件で排撃し、戦争の果てに、ついに神はこの世界から消滅した。
しかし、人は神の代わりにはなれなかった。
神の祝福なき世界は荒廃し、土地は痩せ、雨は毒となり、あらゆるものが死へと向かっていた。
そして、残された神代兵器は、主を喪いながらも使命だけを果たし続けた。
やがては暴走し、人類をも敵と認識し、滅ぼそうとした。
生存の道を求めた人類は、地上を捨て 地下都市を築いた。
そこに、最後の希望——
神の血を引く聖女 を匿い、かつて否定した「神の力」に縋ることとなる。
彼女たちの血は、大地に恵みをもたらし、人類の存続を可能にする唯一の力だった。
同時に、その血は新たな戦力を生み出すために利用された。
「量産型神代兵器」——それは神の血を持たぬ普通の少女を基に、神代兵器に似せて武装した兵器だった。
彼女たちは人類の盾となり、狂った神代兵器と戦う道具として量産されていった。
聖女は、地下都市で 管理される存在 となる。
その少女たちは、己が「神の血を引く」ことも知らぬまま、祈り、血を抜かれ、代償を払いながら 人類を生かし続けるために生きる。