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①不要個体 - 病気、老衰、反抗、飽きの処理

 人間を飼育し活用する過程で、全ての個体が我々の期待に応え続けるわけではない。病気、老衰、反抗、飽きといった理由から不要となる個体が発生し、これらを適切に処理することは飼育全体の効率を保つ鍵である。無駄な資源の浪費を避け、新たな個体の導入に備えるため、ここでは不要個体の識別と処理の原則を述べる。

 まず「病気による不要個体」。人間は脆弱で、疾病に罹ると急速に衰弱する。咳が止まらず、熱が下がらない、皮膚に異変が広がる——これらは回復の見込みが薄い兆候だ。健康な個体への感染を防ぐため、病気の個体は即座に隔離し、食用価値が残る場合は速やかに屠殺して活用する。ただし、肉質が劣化し異臭や変色が顕著なら、調理に適さず廃棄対象となる。病気は我々の管理能力を試すものであり、放置は群れ全体の崩壊を招く。


 次に「老衰による不要個体」。人間の寿命は短く、40~50年を超えると肉体が衰え、筋力が落ち、動きが鈍くなる。労働用としては役に立たず、愛玩用でも魅力が薄れ、食用でも脂肪が減り味が落ちる。老衰の兆候——白髪、関節の硬直、視力の低下——が見られたら、飼育コストとのバランスを測り、早めに処理を決断せよ。まだ肉が使える段階なら食用に回し、価値がゼロなら速やかに廃棄する。老衰は避けられぬ自然の摂理であり、我々が付き合う必要はない。


 続いて「反抗による不要個体」。調教後も命令を無視し、逃亡を試み、威嚇する個体は管理の障害となる。こうした反抗は他の個体に悪影響を及ぼし、支配の秩序を乱す。反抗的な個体は一度警告——大声や軽い罰——を与えるが、改善が見られなければ即座に排除する。食用に適する健康状態なら屠殺し、さもなくば廃棄対象だ。反抗は人間の愚かな意志の表れだが、我々の前では無意味である。


 最後に「飽きによる不要個体」。愛玩用として飼った個体が、我々に新鮮味や愉悦をもたらさなくなった場合も不要となる。同じ仕草、同じ声に飽きた時点で、その価値は終わる。肉質が保たれていれば食用に転用し、衰えていれば廃棄する。飽きは我々の主観に依るが、人間の用途は我々の満足が基準であり、彼らの存在意義はそこに尽きる。


不要個体の処理は、飼育の効率と我々の利益を保つ現実的な選択である。病気で弱り、老いて役立たず、反抗して秩序を乱し、飽きて無価値——これらの個体は切り捨て、新たな人間を迎える準備を推奨する。次節では、具体的な処理方法へと話を進める。

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