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【ハイファンタジー 西洋・中世】

魔法使えない

作者: 小雨川蛙

 

 人間界を偵察していた妖精が青い顔で告げた。

 ご報告いたします。

 今の人類はかつてないほどに強大です。

 かつて、我らを狭き世界に追いやった『銃』という名の武器は国によっては当然のように家庭に置かれています。

 それどころか島一つを一瞬で壊滅させるほどの『爆弾』なる銃よりも遥かに恐ろしい代物を多くの国が所持しているのです。

 さらに、本来であれば使えないはずの『魔法』さえも人間は操るようになりました。

 それも魔力を使うことなく。

 どのような原理かは分かりかねますが、人間達はその魔法により他者を傷つけるだけではなく、時には死に追いやったりもするのです。

 挙げ句の果てに唱える呪文が毎回違うため、魔法に長けた我ら妖精族でさえ本質が見抜けません。

 結論を申し上げます。

 銃よりも恐ろしい武器に加えて、正体不明の魔法までも使う人間を倒すことは不可能です。

 まして、人間を駆逐して我らの世界を取り戻すなど夢物語です。

 とある学校の教室で一人の少年が少し離れた位置に立つクラスメイトから悪口を言われていた。

「お前なんか生きている価値ねえよ。価値ある人間に転生出来るのを願いながら自殺しちまえ」

 翌日、虐めに耐えかねた少年は自殺した。

 その光景を見ていた妖精は震えながら呟いた。

「また魔法の呪文が違った……」

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― 新着の感想 ―
[一言]  元はこの手の魔法を言っていたからこそに魔女を忌み嫌い狩るまでに至った事を考えると、現世には忌むべき魔女が多く居るのに妖精しか気付けないのは、腐った目をした者が増えたからかも知れませんね。
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