表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

耽美奇譚

ゾッとした

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

耽美奇譚です。

毒親(言い方悪いですが)、表現があります。

私がお仕えしているお嬢様は頗る付きの変人だった。何時も部屋の中に閉じこもり、等身大の人形と過ごしている。その人形はお嬢様と良く似た顏をしていた。噂によると、亡くなられたお母様と瓜二つ。寂しがる彼女の心の傷を埋める為に、大旦那様が与えたとか。

何一つ自分で決められず、やる事なす事その人形の言いなり。そんな奇妙な二人の関係も今日で終わりを迎える。大旦那様直々にその人形の撤去を言い渡したから。

私は目の前に座るお嬢様と生き人形に目を合わせる事はせず、ただ淡々と問い掛けた。

「お嬢様、其方、少しお預かりしても宜しいでしょうか?」

「そうしてもいい?」

上目遣いに二人を見ると、お嬢様は何時ものように人形に問い掛けた。そうしたところで相手は人形だから、何一つ問答を返さない。ただ真っ直ぐに私の方を見据えていた。

しかし彼女の方は答えが出たようで、黙って頷く。その場で立ち上がって肩を抱くと、満面の笑顔で一言。

「良いって」

全ての行動を人形に委ねている姿を見てきた私にとって、それもまた異常な光景であった。


お母様の生き人形が旅立って、一週間が経った。生きている間、私はお母様の言いなりだった。勝手に行動すると、ヒステリックに怒鳴られて、頬が腫れるまで打たれた。逆にやる事なすこと全てのお母様の言う通りにしていれば間違いじゃなかった。

でもある日突然、胸から血を流して旅立って、代わりに私はお母様の人形に依存するようになった。この子はお母様の代わり。亡くなったお母様の代弁者。だから、この子の肯定する事に従っていれば間違えでは無かった。無かったのだ……。

私は新しい依存相手である人形を探し、椅子に座らせてから背筋が凍るのを感じた。今……私は自分の意思で、お人形を探し、凭れる相手を探している……?

それでも止まる事はせず、人形に目を合わせるようにして話し掛けた。

「私はね。あの生き人形が言うことしかしちゃいけなかったの。だってあれは亡くなったお母様の分身。あの生き人形が言うことこそが全てで、絶対だったの。他のお人形の言うことは聞いちゃいけなかったの。でも、私はこうして自分で新しい人形を決めて、言いなりになっている。それが怖くて仕方ない」

あぁ、こうして自分の意思で行動するのは何度目……だろう……? 初めてではない気がする。まず初めに浮かんだのはお母様の胸から血を流している場面。あぁ、あの時も……私は……自分の意思で……?

――カンガエチャダメだヨ。

「ええ。そうね」

これから先、私はこのお人形の言う通りに生きる。そうすれば間違えは無いのだから。

この話はとあるアニソンから。

依存相手が消えても、何処か平常な自分にゾッとするという歌です。でも結局求めているっていう。

皆様もきっとご存知、アニメ化もパチンコ台にもあったそうなんで。


全てを相手に委ねているようで、全て自分で決めてそうですね。でも責任を負いたくないから、相手に委ねているような関係。

果たしてこの子のお母様の死因はなんなんでしょうね。

全部人のせいにする子なんで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ