表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sapphire  作者: 四季社 タクト
第一章 始動
7/9

第六話 専用武器に込められた思い

一回エントランス受付け前

俺は東郷に「緊急事態だ、今すぐこい!」と突然の電話で言われたのでエントランスの受け付け前で東郷を待っていた。


「なんだよ、東郷こんな時間に呼び出して!」

東郷はごめんねのポーズをしながらこちらに向かっていたため、これ以上怒れなかった

「今回は日本政府直々の指名だ続きは、車の中で話す」

俺と東郷は、無言のまま駐車場に向かった。


そこには車にもたれかかりながら待っていた知恵さんがいた。

「お久しぶりです、知恵さん」

「お久しぶりです、再名生さん、いつも龍力がお世話になっております。」

「これは、ご丁寧にどうも、あと僕にさんずけはやめてください、僕はあなたより後輩なんですから」

「そうはいきません、一回辞めてるとはいえ、先輩なんですから」

「お前ら、挨拶すんだら目的に行くぞ!」

東郷は俺は後ろの席に運転は知恵さんに任せて、俺たちは目的地に向かった。


車の中で東郷から任務の内容が書かれた紙を渡された。

「え〜と何々、点検中の職員から死体を見つけたとの通報があって、そっから管制室を調べに行こうとした職員3人が何者かに殺害された・・・職員の最後の通知から化け(クリーチャー)による殺害が疑われたため俺らに頼んだわけか」

「あのーすいません」

知恵さんがすごい申し訳なさそうな声で俺たちの話を遮った。

「どうした、まさか事故ったのか?」

「違います、そもそもクリーチャーって一般人に見えるんですか?」

「普通の個体は見えない、だがごく稀に誰にでも見える個体がいるんだ、テレビでよく見るだろ、UMA(未確認生物)特集とかで、あれの正体は大半はクリーチャーだったんだよ」

俺が説明しながら、東郷は頷いていた。

「へぇー知りませんでした。」

「だけど、一般個体はカメラやテレビに映っても人は殺さない」

「だから、この前は殺した化け物の遺体を東郷に頼んで調べてもらっていたんだ」

俺は東郷の方に視線を向けて言った。

東郷は俺が結果を聞きたいんだって事が伝わったのか俺たちに話し始めた。

「わかったことはただ一つお前が持ってきたあの2体はどこも維持られてない」

恋たちは驚かなかった、ここにいる3人は、少なくとも、あいつら(化け物)との戦闘を経験している。戦っている中本能で理解していたであろう。

「やつらも進化していることなんやな〜、世の中には、多種多様の進化をし今日の今日まで生き延びてきた生物たちがうじゃうじゃいるから気をつけろよ、東郷!大半の生物は理に適った進化をするが何故そのような進化をしたのか分からない生物もいるからな!」

俺は東郷に指を指しながらいっていると目的地に着いたらしい。


「着いたな」

「よし、それじゃあいきますか!」

「言い忘れたが、銃の使用は禁止な」

「は?」

「当たり前だ、俺たちの行くところは管制室、そこで銃なんて打ってみろ、しばらくここいらの、テレビ見れなくなるぞ」

「待て今聞き間違いではなければ、『俺たち』ていったよな」

「今回は久しぶりに俺たち二人で行うだぞ、恋!」

東郷は車から降りて、俺に笑顔で言ってきた。

この時、俺の顔は多分、呆れたお顔をしていたであろう。

「知恵さんは俺たちが戻ってくるまで、そこらへんの駐車場で、待ってください」

「わかりました、東郷さん、再名生さん、お気をつけて」


知恵さんが乗った車が行くのを見てから、俺たちは電波塔を見上げていた。

「エレベーターで直で行くのか?」

「いや展望エリアも全てを調べる」

東郷は指を鳴らし、俺は背伸びをして気合を入れた。

「久しぶりだけど、やるか東郷!」

「ああ、やろうぜ、恋!」

二人は拳と拳を突き合わせて東京スカイツリーの入り口に向かった。


17時

第三代電波塔の奪還


担当 再名生 恋 東郷 剛力


俺たちはエレベーターに着くまで、雑談をしながら向かった。

「そういえば、前に出会ったお前の弟子、元気か?」

「あぁ。元気元気、なんならこの前生捕りにしたやつの顔面変えたの龍力だぜ」

俺がそう言うと、東郷はドン引きした顔でこちらを見てきた。

「マジか、お前どんな教え方したんだよ」

「師匠を参考にしてたはずなんだけどな〜」

そこから、しばらくの沈黙が続いた

「懐かしいな」

「確かに、懐かしいな、あんときは、楽しかったからな」

「あぁ、師匠と俺とお前と輪、そして若土の4人で組合や、ゲーム、勉強、色々あったけど、あん時が一番楽しかった」

東郷は上を向きながら、俺に言ってきた、俺は涙目になったが、我慢をした。

「おい任務中だぞ、泣かすんじゃね」

「悪い、悪い、ついお前と久々に組めると思ったらつい昔のことをな」

と言いエレベーターのボタンを押し、俺たちはまず第一展望台に向かった。



「お前はさぁ、なんで過去のこと知られたくないんだ恋?」

突然投げかけられた質問だったが、俺は下を向きながら素直に答えた。

「接しづらくなるだろう」

「そんな理由か?絶対嘘だな」

「なんでわかった」

「わかるさ、だって同期であり親友でもある、大体のことは顔と声を聞けばわかる」

東郷は鋭かった。

(あの時も僕の心を察して、慰めて協力もしてくれた、多分今正直に話せば、理解してくれる)

俺は東郷に素直に話すことにした。

「東郷、これからは俺の弟子の前で過去の・・・

扉が開いた瞬間だった、俺の心臓に鋭い何かが貫通し、エレベーターの壁に刺さった

「恋!」

「ここは俺がやるお前は管制室に、あとその針毒あるからきおつけろよ!」

というと俺は刺さった針を折ると前に一歩で東郷を管制室に行かせた。





目の前には2体の化け物がいた一体は腕が羽のような形になっていて、もう一体は鮮やかな白と黒の背中に長い背びれみたいなものがあり、自分の背びれを折り、武器のように扱っていた

(なるほど、さっきはそれを投げて俺にこれを刺したのか、そして刺した場所が腫れて激痛が走ってる、多分だけど、あいつカサゴだな)


「もしもお前らがほかの生物を取り込んで行く道を選んだのであれば立派な進化だと認めよう、だけど誰かにいじられたもしくは俺らみたいに能力を持って産まれて、俺らに敵意が向くようにされたのであれば、やっていいことと悪いことがあることわかるよな」

俺は怒りに満ち溢れていた。



「俺の昔の弟子の真似してんじゃねぇよ、化け物が」



管制室前


東郷は管制室の扉を思いっきり蹴って開けた。

しかし中には誰もいなかったが、東郷は足元の血溜まり、壁に固まってついた血、そして管制室に入る前の通路に穴の空いた壁を見るに大体予想はついていた。


東郷(俺)の後ろに何かがいることを!


東郷の頭にモロに鉄パイプが当たったが何事もなかったように振り返った。

「痛いじゃないか、どこで手に入れたかは知らないが後ろから鉄パイプで殺せると思ってんじゃねぇぞ」

(人型、目と鼻はあるだが耳と口はない、聞くことはできないか)

すぐに拳を振ったが化け物はすぐに後ろに下がり、大切を立て直した。

「よく交わしたな、だけど次はないぞ」




「師匠―!」

「どうしたんだ?」

「師匠に教えた槍術を実践でもためしたいので、組合やってくれますか?」

「いいぞー、負けねぇからな」

「望むところです」



「あれ、なんで涙目になってんだ俺」

俺は壁付近に人形のように倒れていた。

「お前ら戦い方まで弟子に寄せてるんじゃねぇよこのクソたれ」

口から血を噴き出し、朦朧とした意識の中俺は立ち上がった。

(思い出してしまう、あの子の笑顔を、全く姿形も全く似てないあいつから、戦い方が似ているだ。真面目だった彼女(弟子)に・・・)

(違う今はそんなことを思ってる場合じゃない、鳥みたいなやつは動こうとしなかった、多分室内だからあいつみたいに機動力が劣るから、動こうとしないんだ。あいつ(鳥型)が動く時は一匹で逃げる時だ。迫り来るあいつはどこで学んだか知らないが槍術を身につけている、まさか使ってくるとは思ってなかったから、結構ダメージを食らってしまった、そしてこの毒、多分だけどタンパク質で構成されているから、死にはしないが激痛がやばい、どうりで、すぐに再生しないわけだ。だったら)


近づいてくる化け物が俺を襲う前に、俺は懐から薬剤の入った注射器を取り出し太ももに刺した。

「俺の能力は再生でなんでも治るけどよ、限界はあるし、昔は自分しか治せなかった、そのせいで多くの物を失った、だけどそのおかげで生み出せたものもある。僕の専用武器はその生み出したものの一つだ」


世界は我々能力者を恐れている。それなのに何故専用武器を与えられているのか?


答えは、昔政府は最初の能力者、通称ファーストを倒すために能力者に武器を与えいた、それの名残だ。


そして再名生 恋の専用武器は・・・


「師匠も私と一緒に鳥になって空を飛べたらいいのに」


亡くなった一人の弟子の願いを叶えるために作られた。


しかしこの武器の製作中にできてしまった、奇跡の産物の方が日本の科学者たちは注目した、そしてその武器は別の用途に使おうとしていた。


その用途とは、薬(医療)として使おうとしていた。


なぜか?この武器(薬)は再名生 恋の血があれば、一時的に再名生 恋の能力を『誰でも』使用できる!


それを知った、再名生 恋が人類を病という闇から、人々に光を照らすという意味でこう名付けた。


遺伝子結合及び細胞活性化剤ユニット 天照


しかし、この案はすぐに廃止された。

理由は二つ、1つ目は軍事転用される恐れがあったから。

2つ目、再名生 恋の再生能力が強すぎるあまり、対象の遺伝子レベルのに大きな変化を及ぼす可能性があったから。



「超再生、久々にやるとやるときついな、細胞が悲鳴と産声を上げているがこれでいい、そして借りるぞ東郷、お前の力(能力)を!」


俺の頭に鋭いものが刺さったが俺は無意識にそいつを殴り飛ばしていた。

そいつ(化け物)はすごい勢いで飛んでいき、ガラスを突き破りしたに落下していった。


俺は脳に刺さったものを抜き、鳥みたいな化け物にこう言い放った。

「お前は、俺になんも攻撃しなかった、1回だけ見逃してやる、だがそれでも俺と戦うなら、お前を食い殺すぞ!」


化け物は顔に汗をかき、割ったガラスから逃げていった。


「まあいいあいつには次はない、それより東郷のところに行かなきゃ、傷つきながら友のところにいく俺、はたからみたらカッコイイだろうな」

「また、カッコつけて」

「男ってもんはカッコつけたい生き物なんだよ、特に女の前では」

咄嗟に振り返ったがそこには誰もいなかった。

聞こえるはずのない声、本来見えるはずもない姿、しかし恋の目には一瞬だがはっきり写って見えていた。

「そうか、まだ俺たちのそばにいてくれているんだな、若土」




東郷は再び距離を詰め殴ろうとしたが化け物はお腹もう一本手が出てきて、その手には拳銃が握られており、東郷の心臓付近に銃口があった。


やつらも進化していることなんやな〜、世の中には、多種多様の進化をし今日の今日まで生き延びてきた生物たちがうじゃうじゃいるから気をつけろよ、東郷!大半の生物は理に適った進化をするが何故そのような進化をしたのか分からない生物もいるからな!



(恋の言ってた、通りじゃないか!よくわからない、進化なんぞしよって!)


東郷は至近距離で心臓付近に弾丸を喰らい、前のめりに倒れた。

化け物はそのまま後ろ向き、何処かへ行こうとしていた。



「お前に話しても耳がないから俺の独り言になっちまうけど、一応話しておく、俺産まれ持ち巨人症とミオスタチン関連筋肉肥大病持って産まれ来た、小学校高学年のうちに治療し、成功したが成長期や親がラガーマンだった事もあって今の身長と体重になった、人間ってのは知らず、知らずのうちにセーフティーをかけられてるって恋が昔に言ってたのを思い出した、そして俺の能力は力のコントロール、手投げ弾程度の爆発火力なら制御できる、まあ、不意打ちの弾丸は当たってから制御したから今胸骨に当たってるがな!」

(相手からしたら俺は手負いの獣かな)



手負いの獣

一般の人たちからしたら怪我をし、弱っている獣としか思っていないことだろう

しかし、彼らは(狩り人)は知っている。

昔の我々(人間)の本能であれば、わかっていた!

怪我をしているほど、逃げ場もなく追い詰めた動物のほど、生命活動が止まろうとしているほど・・・



生きるために信じられない力で反撃してくることを!




それが例え猫であっても、近づいてはいけない



「お前の敗因は、今の人類を模写したことだ!」

東郷は立ち上がり、相手の肩を万力のごとく潰し、右手の拳で一発、たった一発だけ・・・



殴り飛ばした!



「縄文時代かやり直してこい、この人間に化けた化け(クリーチャー)が!」

東郷はガラスを突き破って落ちていく化け物に向かって言った



「おいおい、お前も割ったのかよ、遺伝子って半端ないなぁ」

東郷は振り返って、俺の方を見た。

「よう恋お前は結構痛手食らったなぁ」

「お前だって心臓付近と頭怪我してるんじゃないか」

「俺の場合は体が鈍ったんだよ、この傷もそのうち治る、弾も抜いたしな」

「ほら」

東郷は俺の目の前に拳を出してきた。

「?」

「もう忘れたんか、最初と最後あれする約束だろ、もう忘れたんか?」

「あーあれね、はいはいわかりました。」

俺の東郷笑顔で再び拳を合わせた。



午後18時35分 

第3代電波塔奪還



「とりあえず奪還でいいだよな」

「そうだな、それより東郷能力使ったか?」

「少し使った、100分の1ぐらいかな、指の骨が折れた」

(ほぼ素の状態じゃないか、こっちの方がマジでバケモンだな)

と笑っている東郷を見ながら思った。


「そうだお前この文字読めるか?俺英語とか苦手で何書いているかわからない」

東郷はモニターを指差し俺に聞いてきた。

「えーと、何々」



「おいおいおい、あいつらそんな知能あったのかよ?ふざけるなよ、どこ(国)に何を送りやがった?」

俺はモニターの画面に拳をぶつけた

「おいなんて書いてあったんだ、恋!」




「Send completely 送信完了」


機密情報


遺伝子結合及び細胞活性化剤ユニット 天照


副産物として、対象(再名生 恋)の血があれば、どんな病、傷、欠損までも治すことができる薬が開発されたが、現在は条約上、どこの国も所有を禁止している。


原理 

個々の人のヒトゲノムの塩基配列を比較すると0.1%程度の違いがあると知られており、この塩基配列の違いが、人の顔の形、性格などの違い、すなわち人の多様性に繋がっている。

その0.1%の違いを無理やり結合し、それを増幅することによって、自分以外の能力者の能力を使用できる。


なお、この天照は連続使用をした場合、遺伝子に大きな影響を与えるため、連続使用は再名生 恋以外の能力者は原則禁止とする



注射器タイプの他に、銃弾型のタイプがある


参考

文部科学省 「ヒトゲノム研究について」 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kagaku/rinri/hgken628.htm

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ