第三話 罠
先生のもとで学校に通いながら能力のことや武術、あとしょうもない生物学を学び初めてから、1ヶ月近くが経った頃・・・
今・・・俺は・・・氷ずけにされている。
数分前
「能力を使った訓練?」
俺たち3人はいつも通りの庭とは呼べない広さのグラウンドみたいなとここに呼び出されて先生は縁側にところに座りながら俺に向かって話してた。ちなみに植は昨日先生の手術受けたため夕方ぐらいまで起きないらしい。
「ああ、君は能力のことを知識として叩き込んだ、なら次は実戦だろ」
確かに、知識だけでは本当の戦闘の時、使えなかったら意味もないからな、あと単純に俺が使ってみたかったと言うのが本音だけどな!
「実戦って言っても殺しはなしだろ?」
「当たり前だ、前も言ったがもしもお前が人を殺した場合、俺がお前を殺すからな」
先生は俺の頭を本気で殴り、マジな顔で言ってきた。
「とりあえず、水蓮と龍力、いつも通りの取っ組み合いを能力ありでやってくれ」
(先生何ごともなかったように話やがって、力のなさそうな腕で殴られたのに、このたんこぶ、ものすごく痛いんだけど)
俺は殴られた頭を触りながら聞いていが、正直この勝負圧倒的俺の有利だと思ってる。
俺の能力は身体強化、二人の能力はわからないが、この取っ組み合いの戦いにおいて、頭ひとつ抜けていると、思っていた。
「行くよ~、ファイト!」
そして今の現状に至るわけである。
「風火溶かしてあげなさい、あと水蓮を温めてあげなさい」
先生がそう言うと風火は手から火を出して凍らされた俺をゆっくりと溶かしていった。
「寒いより痛いんだけど、あとあの即死攻撃どうしたらいいんだよ?」
頭を下げ続ける水蓮の頭優しく撫でた落ち着かせる先生は、俺にこう言ってきた。
「龍力、水蓮の能力は、水を操る能力、もちろん水の温度も操れる。つまり空気中に水分さえあれば、あの即死攻撃ができる、そんな相手に君の能力でどう打開する?」
俺は頭をフル回転させてた結果、あるひとつの答えに辿り着いた。
「凍らされる前に走って、敵を叩く」
「面白い答えだね、でも今の君にはそれだけのスピードが出せるのかな?」
「・・・」
それは俺が一番理解していた、俺の能力は、俺の体にあっていなかったのか、それとも、能力が最大限引き出せなかったのか、俺は能力の10%しかまだ出せてない、その代わりに俺だけに代償がなかった、先生は、「代償のないことは良いことだよ、気にせず、前向きに捉えようよ」と言っていたが俺は気にする。
「じゃどうすれば良いだよ?」
俺は先生に問いかけると、「しょうがない、君にはもう一つのアドバンテージを授けよう」と言った。
「もう一つのアドバンテージ?」
「着いてきなさい」
俺は先生に黙って着いていくと家の隣の蔵に連れてこさせられた。
蔵の中を見渡すと、あたり一面武器だらけ、刀、槍、ピストル、スナイパーライフルまで、一通り揃っていた。
「ここって?」
「僕の武器庫だよ、さぁ、好きな武器を選びなさい」
先生は、ハイテンションで言ったが俺は時々、先生のテンションに着いていけない。
「選べって言ったて、これだけあれば何を使えばいいかわかんねぇよ、先生が選んでくれ」
「それもそうだな、君に合いそうな武器は・・・」
先生は武器庫の奥に言ってしまった。
「これ何かがいいんじゃないのか?」
俺は先生の方に近づくと、先生は俺にごつい何かを渡してきた。
「何でこれなんだ」
「ガントレットと攻撃用レガース、君の能力に合わせた結果こうなった」
「なんかもっと、日本刀とか、銃とかあっただろ」
「日本刀は、屋内で振り回すのは不向きだし、銃は弾切れがおこるし、君の能力の利点を失うから、あまりおすすめしない、ほら、君のお姉さんだってナイフを持っていたじゃないか、基本自分達の能力にあった武器を選んでそれを身につけている。」
それを言われたら、俺は納得せざるおえなかった。
「ならガントレットだけにしてくれ、レガースは動きにくくなるから却下」
「わかった、はいこれ、説明書」
先生は俺に分厚い説明書とガントレットを渡すと、蔵の入り口に向かって歩き出した、俺は置いてかれないように着いって行った。
「よし、これでオッケー、戻ろうか」
先生が蔵のロックをしっかりするしてから、俺は無意識に質問をしていた。
「なんで、先生はなんで能力者に選ばれたと思う?」
「突然どうしたの?」
「いいから、答えてくれ」
先生は難しい顔をしながら、答えてくれた。
「そうだな〜、君たちと違って、生まれた時から能力があったからな〜、強いて言うなら才能だったとおもっているけど」
「才能?運命とか定めとかじゃないのか」
「君の脳はだいぶ、メルヘンチックだね」
「うるせい」
俺は先生の横腹を殴った、1ヶ月前は能力の力でえぐってしまっていたが、今は普通のパンチで殴った。
「僕は能力があるからといって、自分を特別な存在だとは思ってないよ、僕達能力者も同じ人間、お腹は減るし、痛みを感じるし、心を病む時もある。」
先生が悲しそうな顔をしていると
「あー先生、龍力だけズルーイ!私にも武器ちょうだいよ~」
と風火が横から口を挟んだ。
「ダメだ」
「何でよ!」
「だって、風火は能力で全部燃やしちゃうでしょ、風火は水蓮みたいに能力を自由自在に扱えてから、言ってくれ」
風火は口を膨らませてながら怒った顔をしたが、先生ダメだの一点ばり、俺はその間にガントレットの説明書を読んで装着済ませていた。
「なぁ、先生初めてガントレットを装着したけどガントレットこんなに重いのか?」
「そのガントレットには特殊加工がされていて、少し普通のガントレットより少し重いんだよ」
「特殊加工、例えば?」
「そうだな、シールドと言ってみろ」
「シールド」
手の甲から小型の機械が出てきて円形状に形を作ると青いホログラムみたいなものがでてきた。
それを見た俺は興奮を隠せなかった。
「それに触れん方がいいよ、それは日本が独自に開発されたレーザー式対空シールドを応用して、収納式のシールドにしてもらった、その分お値段がエグいことになったがな!」
先生が笑いながら言うと、風化が「ちなみに、いくらしたの先生?」と聞いた。
その質問に先生は優しい声で答えた。
「確か、当時の値段で戦艦の大和が買えたぐらいの値段だったはず」
俺は時計型デバイスで、(戦艦 大和 値段)で調べた
(戦艦大和のおおよその値段当時の価格でおよそ1億4000万円、現在の価値にすると約3兆円弱)
俺はそれを見た。俺は一瞬で青ざめた。
「先生、当時の値段ってことはつまり俺の腕に1億4000万円がくっついてるてこと?」
俺が言うと先生はものすごい笑顔で、言ってきた。
「そう言うことだね、気おつけて扱ってね、ファイト!」
(ファイトじゃねよ、とんでもねぇもん持たせやがった。)
「♩〜」
突然流れた警報音に俺らは当たりを見渡した。
「あ、僕の着メロだ。」
(多分みんながツッコミたかったことを俺が代表してツッコミを入れた。)
「なんで、着信音が警報音ぽいやつなんだよ、紛らわしい」
「緊張感を出すためにね、はいもしもし、あーはいはいわかった。」
「わり僕任務入ったから、ここら辺で」
「着いていった方がいいですか?」
風火は心配そうに聞くと先生は笑顔で言ってきた。
「いや、今回は僕一人で行かないといけない任務だから」
そう言うと先生は急いで行ってしまった。
「大丈夫かな、先生」
「それはどうしてなんだ?」
「だって先生、単独での任務は1年ぶりだから」
「へー、それよりこれどうしまえばいいの?」
と二人の方を見ながら言った。
恋 視点
2245年 5月25日
政府管理下の土地において、一人の人影を確認、これの調査及び対象の抹消
担当 再名生 恋
「ここに人が入って行ったのか、とてもじゃないけど、まともなやつじゃないよな」
「だからこそ、ここを潰したあなたにこの任務を任せたのです」
俺はタブレットで監視カメラの映像を見ながら政府管理下の土地(山奥にある)ところに、尾形さんと車で一緒にむかっている途中である。
「オッサン二人で、仲良く悪路をドライブなーんて誰が考えたので」
「仕方ありません、任務ですから、あと私ハゲはいますがまだ39です。」
(真面目で冷徹、それが彼の売りだと知ってはいたけど、ここまでつまらない奴とはな〜)
「尾形さんはもと自衛官なんでしょう、この組織にいるってことは何かやらかしたの?」
「やらかしてません、ただ命令を一回背いたらこの組織飛ばされただけです。」
(冷徹な口調で言いやがって、少ししょんぼりさせちゃったかな、これ言ったら怒るかな?)
「ちなみに尾形さんドウテ・・「これ以上、それに関わる話したら、その口縫い合わせますよ」
「はい」
と俺はお口をチャックした。
(景色を見ても木、木、木俺らが住んでいるところより田舎すぎて、つまらないことを考えていたら目的地に着いたようだ。)
「つきました、ここで良いんですよね?」
俺は車から降りてから「ああ、よかったら一緒に来ますか?」と言ったら
「いいえ、遠慮しておきます、私は貴方方のような能力者ではないので、もしも戦闘が起こった時、足手纏いになるだけなので、私はこれで」
「そっか、わかりました、また2時間後、その時は」
「わかりました、御武運を」
俺は尾形さんを見送ってから、再びトンネルの方を見た。
(ここのトンネルの奥の非常口から俺が潰した組織の施設があるけど、正直幽霊出そうで怖いけどやらないと、本郷に怒られるからな〜)
俺は背伸びをして、注射を足の太とももに刺した。
「さてと、やりますか」
午後3時 再名生 恋 任務開始
「何年経とうが、探索には懐中電灯ていう決まりがあるんだよな〜」
俺は懐から懐中電灯を出し、奥へと進んだ。
「非常口が確かここら辺あったはずだけど」
と右の方を見ていると薄らと緑色のひかりが見えたで急いで行くと、お目当ての非常口があった。
「流石に、電力はもう繋がってないと思っていたがここが光っているなら、中も電力は生きてそうだな、薬使う必要なかったじゃん」
非常口の入り口のところの前でデザートイーグル(特殊加工バージョン)を手に俺は扉を開き、螺旋階段を降りていった。
一番下まで降りて行くと、ガラスに覆われた部屋や、下の深い円柱状の部屋などがあった。
「ここは、確か実験施設だったよな」
僕はここに初めて来た時と今の風景を比べていた。
昔は綺麗だったとそして汚れてもいた、だが今はガラスがあちこち飛びり、あちこち錆びていて、いまだに血があちこちについていて、白骨化した体の一部らしきものもあった。
(死体見慣れている、だけどここで俺が殺した・・・正確には、殺す瞬間の人の顔を思い出す。あるものは悲しみを、またあるものは怒りを、そしてまたあるものは、不快な笑みを)
同じ人間でありながら、何故こんなに違うのか、不思議でしかない。
(行き止まりか、今まで、辺りを人はいなかったてことはどこかに隠し扉があるな、あまりやりたくないけど、やるか)
僕は大きな声、「どこですかー」言いすぐに耳を澄ませて辺りの音を聞いていた、正確には反響音を聞いて、隠し扉などを探す。
(まあ、普通の人間にはできない技だけどな、俺は能力で強化しているからそれができる)
耳を澄まして聞いているととある場所に細い通路みたいなものが隠れていた。
そこか!
俺は下の深い円柱状の部屋のところに向いガラス窓の奥にとびおり、隠し通路の前にある壁を思いっきり蹴り破った。
壁はヒビが入り、ゆっくりと壊れていった。
(俺が初めてここに来た時はこんな通路はなかった、いつからここを掘ったんだ?いやそんなの関係ねぇか、見つけたら速攻で動けなくする!)
俺が奥に進むとドーム状のでかい部屋にたどり着いた瞬間、ドーム中央にいた人に四発、鉛玉をぶち込んだ。
男は仰向けになりながらと倒れた。
「悪いが、ここは政府の土地だ、本来なら不法侵入で俺が現行犯逮捕しなきゃいけないが、場所が場所だからな、今からする質問に答えなかったり、下手に動くともう一発お前の体に風穴を開ける。」
俺は最初からわかっていたこんな山奥に市民が入るわけがない、ましてやここの奥入るやつは本当に頭のおかしいやつか、ここの組織の関係者だけだ。
「なぜお前はここにきた」
それを質問した瞬間。やつは突然不快な笑みをし大きな声で笑い始めた。
俺は容赦なく足に一発ぶち込んだ。
そいつはそれでも笑っている。
(こいつ気味が悪いな、一発打っても笑ってるってことはもうこいつから情報は取れなさそうだな、ならこいつはもういらないか)
俺は黙ってそいつの心臓を狙いを定めた瞬間、そいつは急に立ち上がり、俺の目の見睨みつけるように立っていた。
(こいつスピードが人間の起き上がるスピードじゃない、なんならこいつ人間じゃない!)
「サヨウナラ、サイミョウセンセイ」
気づいた時には遅かった。
あいつが俺を粉微塵に吹っ飛ばす爆弾を飲み込んでいたことに
「しまっ・・・」
2245年 5月25日 午後4時
組織跡地及び周辺の山々、爆発の影響により完全消滅
再名生 恋 死亡・・・